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せせらぎ

 投稿者:沢口リリキ  投稿日:2017年 8月11日(金)03時43分7秒
  通報 編集済
   この度は九州北部や秋田県一部、その他豪雨による災害で被災された地域の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 少し時機をずらして投稿させて頂きました。



夏の渓流から
威勢よく飛び跳ねた
若い銀色の魚

陽光にきらめく
鱗のなめらかな反射は
水面(みなも)に滴り落ちる

せせらぎの清涼な旋律と
交響しながら着水し
小岩の隙間に姿を隠していった

川は 何ごともなく
海を目指し連綿と流れていく

岩場の木陰に
腰掛けていたあなたを呼び
手を繋いで
浅瀬に足を沈めた

清流のシンフォニーは
子供時代の
快活な精神の高鳴りを
思い出させた

絶え間ない
静謐なこの調べを
ひとときも忘れることなく

たとえ一緒には無理だとしても
どちらが先でも後でも

河口から大海へ
凛とした姿勢で悠然と流れていこう

かつては 私もあなたも
山頂から湧き出でた
ひと雫の岩清水

お互いが出逢い
ひとつの川として生きる前

それぞれの流れの中で
せせらぎを歌った
いのちなのだから

ふいにあなたは
川の中に立ち

大空に向けて
片足を上げ
高く どこまでも高く
水しぶきを飛ばした

あの銀色の魚のように

そして
あどけない少女の
屈託のない笑みを
かがやく水面(みなも)に投げた





 
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