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傷口は開けたまま

 投稿者:葉月 祐メール  投稿日:2017年 8月11日(金)22時15分16秒
  通報 編集済
  塞がらない傷口を
縫い合わせずに
放ったらかしに しています

優しい君の抱える
痛みを飲み込むために
大きな口を 開けているんです


  早く治る傷や
  治りにくい傷
  人の数だけ
  痛みも様々です

  通りすがりの
  誰かにしてみれば
  わたしの抱える それは
  「これっぽっち」かもしれません


ビタミンが足りないのか
鉄分不足のせいなのか
栄養の足りない心は
毎日のように叫んでおり

『苦しみから解放されたい』
『いつになれば楽になれるの?』
『・・・・・・もう、疲れた・・・』


暗い部屋で ひとり 無口になってしまいました



―――なのに
部屋に月明かりが降りてきて
わたしにそっと寄り添うので
―――更には
こんな時でも 携帯には
君からのSOSが
飛び込んでくるので


結局は暗い部屋に 明かりをつける事になるのです


  わたしには 何もしてやれないけれど
  大切な君の苦しみだけでも
  この傷口に放り込んでくれたら
  消化できるだろうか なんて 考えた


そのために 傷は 残されたのかもしれません


晴れた日も雨の日も
窓を少しだけ開けているのは
大切な君の悲しみが
少しでも早く 少しでも多く
こちらへ届くようにと
願っての事なんです


本当にわたしは
何もしてやれないけれど
目には映らない痛みに
君に 寄り添えるように と

わたしは
見えない傷口を開けたまま
毎夜 眠ります


言いにくい事なら
わたしが眠っている内に
こっそり預けていけば良い
きっと よく眠れるから

  ―――どうか どうか 良い夜を。

君の枕が
濡れない夜になるよう
この小さな扉は 開けておきましょう

まだまだ 夏は終わらないから
度重なる悲しみで
君が 塩分不足にならないようにと


わたしは
願っているんです
そして
祈っているんです



 
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