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胸中時計

 投稿者:メルト  投稿日:2009年11月24日(火)00時14分37秒
  ふと思い出して竜頭を巻けば
その時計が刻むのは
僕が僕として生きている時間

近頃の時計は進んでいて
もはや時刻合わせも電池交換も要らないそうだ
便利になった
と思う反面
時計までが時間に追われている
とも思う

そんな僕の相棒は
手巻式の懐中時計(スケルトン仕様)だ
持ち主に似たのか
竜頭を巻き忘れると
針が止まり時刻も狂う不精な奴だが
竜頭を巻いたら巻いたで
丸見えの歯車があまりに忙しなく働くので
どうも扱き使いづらくて
幸か不幸か出番は滅多にない

めいっぱい気合いを入れた外出とか
ゆっくり休みたい眠れぬ夜とか
天然石のコレクションを眺める間とか

そんな
いつもより少しでも時間を長く使いたいとき
にだけ
ふと思い出しては竜頭を巻く

忙しない秒針が時を刻むアナログな音
共鳴する鼓動の高鳴り
滞留から切り出された時間
心を駆け巡る透明な奔流

できることなら
この時計を止めておきたくはないのだが
 

【code=091123_喰い散らかした言葉たち】

 投稿者:phenomenon.  投稿日:2009年11月22日(日)23時48分25秒
  『国産無農薬野菜』
『天然ものの甘鯛』
『純国産黒毛和牛』



ラベルに並ぶのは
無尽蔵に並べた言葉



『独自開発〇〇製法』
『〇〇地区の〇〇使用』
『極上〇〇をふんだんに』



美味しそうなのは物ではなく
本当に美味しそうなのは言葉だ





『最近の日本人は
 味覚が言葉に負けている』





頑なに農家を続けてきた
厳徹な父親は寂しそうに
ぽそりと一言呟いた





『有機栽培無農薬野菜』
それが本当に美味しいのかは
実家の味に慣れている
僕にはまだ分からない

----------------------

…お久しぶりにございます☆今しがたTVを見ていて、僕も思ったことを書いてみよう…と、即興ながらに綴ったものです
(^-^;)ゞ

あの言葉を放った父親の寂しそうな横顔は、未だ忘れられません…。

ご一読、お願いします…☆
 

見えない温度

 投稿者:リュウ  投稿日:2009年11月21日(土)01時24分49秒
  髪の毛が湿り気を帯びて
少し重くなったのは
雨が降ったからだ

何かをひとつ確立した装いを
二の腕から漂わせて
私を横切るルージュに
吐き気がしたのも
今朝の自然現象のせいだ

放し飼いにした自尊心を
器用に隠した仮面の下の素性を
知ってる私は
嫌悪以外の何も持たない

このなじみ深い感情を
斜めから見た私が
密かな攻撃性と焦点を合わす
些細な瞬間

誰かの正しい論理は
私の苛立ちを
的確には聞き取ってくれない

誰かの賢い優しさは
私の好む距離感を
適切には計ってくれない

気まぐれと判断された意思が
圧迫され窒息する
心に黒い影が射し
小さな小さな闇がまたひとつ増えた

だらしの無い言い訳が
私の縁を何度も追いかけるが
結局何処へも行けず
治り切らない傷を掻きむしる

その痛さで今日も気付く
私は女なのだと

憂鬱な空の一片が剥がれたら
待ちくたびれた太陽が
私を殺菌する
それもまた迷惑な情けなのだと
内心舌打ちをした
 

人間はいいじゃないか。

 投稿者:ヰ蝶  投稿日:2009年11月20日(金)01時20分40秒
編集済
  人間はいいじゃないか
寒い、寒いとは言っているけど
暖かそうなマフラー巻いているんだから

俺たちなんて寒空の下
真っ裸で風に当たっているんだぜ?
風に巻き上げられて
仲間の一人はひらひらと空を飛んだ
物悲しさの演出・・・なんて思えるのは
飛んだのが自分じゃないからで

人間はいいじゃないか
なんだかんだ言っても
帰宅すれば暖かい部屋が待っているんだから

俺たちなんて生まれてこの方
暖かい部屋なんて入ったことがない
靴に踏みしめられて
身体がパシパシと音をたてた
散った俺ら見て冬の訪れなんて
たまったもんじゃない

人間はいいじゃないか
寒くてもイヤホンから流れる音楽で
いくらか気を紛らわせることができるんだから

でも俺らは大地の歌を聞いている
俺たち落ち葉は
寒空の下
裸で風に舞いながら
身を寄せ合って地面で
お前ら人間が、普段気にも留めない
大地の音を

http://book.geocities.jp/siirasyuupiaria/

 

感想と評 11/10〜11/16御投稿分

 投稿者:三浦志郎  投稿日:2009年11月19日(木)19時54分53秒
  雨音さん、別にお気になさらずに・・。

anitaさん「麗らかな羽根」 11/12
以前、島氏の評の中で、読み手というのは、当初、日常的視点からさほど離れていないところで読み始める・・・というような主旨のものがありましたが、僕は「なるほどなあ」と思って感銘を受けたことがありました。その事と関連して、この詩をとらえていました。読み手というのは書き手の出方によって読みの意識も微調整するものです。書き手の立場としてまず二つの視点を用意します。
「現視」・・・Aとします。
「幻視」・・・Bとします。
どちらも読んで字のごとくですが、注釈するならば、Aは各種の修辞や比喩によって、限りなくBに近づくことができますが、やはり両者は以って非なるものでしょう。
これは僕のまったく個人的意見なので、取捨選択して頂きたいのですが、、
初連をAで読みます。ところが、2連の「海に満たされた森」でBにスイッチします。
3連でAに戻り、4連で再びBに向かいました。で、この詩全篇を分析的にA,Bで色分けし、さらにCを加えてみます。
Cは(アンケートの答えのようですが)「どちらとも言えない」です。逆に言うとこれは両要素具有とも言えるでしょう。
1連・・・A
2連・・・B
3連・・・A
4連・・・B
5連・・・A
6連・・・B
7連・・・C
8連・・・C
9連・・・C

と、まあ、なったのですが、これをどう見るか?6連まできれいにA,Bがスイッチされています。「”現視”と”幻視”の世界を自由に吟遊している」という評価は当然成り立つのです。
一方で、世界を統一したほうがいいのではないか?という指摘も同様に成り立つようなのです。
さて、僕はどちらの立場を取るか?正直言って「どちらとも言えない」・・・(C!?)なのですが、ちょっと後者寄りかな?したがって佳作一歩前ということで・・・・。
けれども、anitaさんの言葉の操り方─より詩的に、幻想的に、抽象的に、振ってくる、その振り具合には注目しています。たとえば、今回の「獣」という語です。この一字だけを見ていると、なんの仕掛けもない「獣」なのですが、読後感では、この言葉がある種、抽象性を帯びて迫って来る。
それは、周りの詩行が、ジワジワと抽象力で締め上げた結果、抽象性としての「獣」が浮き上がった、という風に解釈しています。最後に細かい点で恐縮ですが、終連「善意の何者でもある」の
「何者」の用法は、ちょっと違和感を感じました。どちらかというと否定形や疑問形に登場しやすい言葉で、いわゆる「all」の感覚で使いたかったと推察するのですが、このあたりご確認下さい。


露子さん「おきみやげ」11/16
露子さん、お久し振りでした。コメントも拝読。
そうですねえ。よく「忙中、閑あり」などと言いますが、忙しくても心のどこかに、ゆとりと豊か、がないと詩はちょっとキツイですね。あせると、よけいドツボにはまりますしね。
時には”むこうからやって来るのを待つ”こともありますよね。
今回の詩は、お便りの延長線上にあるととらえて、(佳作云々という)評語は割愛させて頂きます。
そのほうが、今回は書き手も読み手もリラックスしそうなので・・・・。思うままに感想を書きましょう。
コメントのムードが、そのまま詩になったようですね。ことごとしく時候のあいさつや「大丈夫?」などと書かなくとも、通じる時には通じる、もちろんそれには親密の度合いが関係するわけですが。そんな消息を感じさせます。結果として、この詩の主人公(露子さん?)は明日に向かって励まされるわけです。イチョウ色のマフラーは、その気負い立ちの象徴でしょう。その原色は冬に向かおうとする街の点景になるでしょう。


                評のおわりに

最近の新聞の切り抜きから・・「まど・みちおさん 100歳」というのがありました。
”ぞぉ〜さん ぞぉ〜さん お〜はなが長いのね”の作者で知られるまどさんのことです。
100歳を記念して新詩集を出されたそうです。インタビューでは「なんか新しいことができるんじゃないかと、いつも必ずそれを思っています」と答えているそうです。かっこいいというか、おどろきというか・・・。ぞぉ〜さんのお〜はなのように、まどさんの生も長いのでした。
いつまでも、お元気で。 では、また。
 

 投稿者:anita  投稿日:2009年11月19日(木)14時35分47秒
  空を切る柔軟で鋭い筋肉
何者にでもなれる
燕の跳躍
地を踏み、天に繋がる
神の霊性を与えられし者
私はパトロンになろう
万人に知らしめる為

古の記憶
輪廻の鍵
才能の共有
エネルギーの交差

ここに出逢い
秘儀を開く

創造
恒久の楔
抗えぬ引力

自身の喜びの為
派生する鼓動を求め
ここに集う
選ばれし者
ここに競う
 

評ですね。11月 6日(金)〜11月 9日(月)ご投稿分

 投稿者:雨音  投稿日:2009年11月18日(水)21時23分39秒
  「梨をむく」鈴木 茂生さん
鈴木さん、こんばんは。
鈴木さんの作品を読んでいたら、梨の剥き方って人によって違うんだなと思いました。
作品から察するに、鈴木さんは最初にまんまるのままくるくると皮をむいて、
そのあとで芯を落とすんですよね。
私は最初に4等分にしてから、芯を三角形に落として、それから皮をむきます。
きっともっと別の方法で皮をむく人もいるんだろうななんて思いました。
くるくる方法だと、芯が四角く残るのも納得です。
私は桃の場合はこちらの手法で向いて種を落とします。
そして、種の周りについた実は、「私のもの〜」っとこっそりほおばりますから
その部分が酸っぱいことも知っています。
と、余談のような部分が長くなりましたが、作品から読者の生活に話がつながり
いろんな想像をさせることができる点でまずこの作品は◎です。
そして、小さな日常の風景の中に、いろんな側面を見出す点でもとてもよいと思いました。
詩って、本来こういうものだと思います。
ただ一点、この詩の、なんていうんだろう素敵な古風さを生かすために
ぜひ「らぬき」を改めてみてくださいね。

鈴木さん、次の作品も楽しみにしています。

:::::

急に寒くなりましたね。
みなさん、お風邪ひかないように。

三浦さん、いつも遅くなって済みません。
 

提灯

 投稿者:eri  投稿日:2009年11月18日(水)17時06分23秒
  大屋根のてっぺんに
月あかりが降りる頃
ひとの手で灯されるのです
今年も灯されるのです
真っ赤な提灯のあかり

半被姿の大人も子供も
今日の夜に繰り出すために
紅々とふくらんだあかりを
まぶしそうに見つめています

夜空に太鼓と笛の音が響けば
真昼のように走り出しそうになるけれど
揺れる提灯を守るみたいに
月下に集うひとの轍は
いつもの見慣れた道に
ゆっくりと足あとを刻んでゆきます

それはずっと続いています
今も変わらない掛け声を吸う
遠いようでも同じだった夜まで

ひとを照らし続けたあかりたちが
目前の夜道とはるかな夜空を
一本の時でつないでいます

巡る夜空に揺れるのは
やわらかな月のあかりと
真っ赤な提灯と


*********************

よろしくお願い致します。
 

露子さんへ

 投稿者:島 秀生  投稿日:2009年11月17日(火)00時49分36秒
編集済
  ご連絡、ありがとうございました。

仕事、大変なんですね。
GDPの数字が良くなったというけれど
あらかたの会社にとっては、どこ吹く風。
世の中、なかなか良くならないですもんね。

でも、とりあえず、お元気そうで良かったです。

ほ。
 

おきみやげ

 投稿者:露子  投稿日:2009年11月16日(月)01時51分14秒
  ひょっこりあらわれた手紙
封を切れば見慣れた文字

決して
「大丈夫?」と書いていない
そんな優しさが
心に記憶された

同封された写真には

「11月の晴れた青空には
 イチョウの黄色が良く似合う」

そんな言葉を残して

明日は黄色いマフラーをして
出かけよう
 

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