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死んだらどうなるの

 投稿者:こたきひろしメール  投稿日:2017年 8月13日(日)08時18分10秒
  子供はよく大人に
聞きたがった
ねぇ死んだらどうなるの
そんな時は決まって身の回りで
誰かが死んでいた

だからだろ
大人は子供の質問に答えたがらなかった
今はそれどころではない
葬式の準備で忙しいのだ
なので泣いている暇もないから
子供には
後で
と待ちぼうけをさせた

葬式は終わってお祖母ちゃんは
土の下に
眠った
しみじみとした悲しみは静かになってから
沸き上がってくるものらしい
大人は気持ちが沈み口が重くなっていた

子供はそうでもなかった
お祖母ちゃんの姿が見えなくなったけれど
何処へ行ったんだろう
そのうちに戻ってくれば
家族は元に帰るだろう
などと本気で思わなかったが
それらしい言葉を口にしたのは
死を正面から見るのがとても
恐ろしかったからに他ならない
子供は大人ほど
強くはないから
知らないふりをしようとしたのだ
悲しみに背中を向けるようにして
鈍感を装ったのだ

子供は父親に聞いた
お祖母ちゃんは何処へ行ったの
いつ帰ってくるの

質問を投げ掛けて
精一杯幼さを演じようとした

お祖母ちゃんが息をしなくなって
それっきりになったとき
子供の母親は側でいきなり号泣した
その姿に子供はビックリしてしまい
泣きじゃくる母親の体を揺さぶりながら
必死になって聞いた
お祖母ちゃんどうしたの
お祖母ちゃんどうしたの
周りには親類一同
隣近所の人も集まっていた

子供は典型的なお祖母ちゃん子だった
周囲の目にはさぞかしけなげな姿に映ったに
違いなかった
でも
その時子供の心をとらえて離さなかったのは
母親の意外な姿だった

日頃からお祖母ちゃんと仲が悪かった筈の母親が
なぜ大げさに泣くんだろう
それでお祖母ちゃんにいったい何があったのかを
子供は聞こうとした
母親はしばらくたって落ち着きを取り戻した
そして我が子に強く言い聞かせるように
教えた
お祖母ちゃん死んだの死んだのよ
それで子供は聞き返した
死ぬって何
死んだらどうなるの

母親はその答えには何も言わなかった
答える余裕まではなかったんだろう
それから先のもろもろに想いが及んで

子供は父親にも聞いてみた
死んだらどうなるの
父親は邪険に答えた
お前にかまってる暇はないんだ


果たして死んだらどうなるのか
大人は誰も明確な答えを示さないまま
子供はやがて
大人になった

大人になったら
死んだらどうなるか
何となく
答えを見つけてしまった

死んだらどうなるの
死んでもどうにもならないと思うよ
たぶん
たぶんだけど
天国とか地獄とか
神様とか仏様とか
存在しないから
生まれ変わりもきっとないよ

死んだら
すべておしまいさ

だけど子供に聞かれたら
そうは答えない
大人の対応するさ

まだ死んでないから
真実は何もわからないし
死んだ人は誰も帰って
来てないし
 

傷口は開けたまま

 投稿者:葉月 祐メール  投稿日:2017年 8月11日(金)22時15分16秒
編集済
  塞がらない傷口を
縫い合わせずに
放ったらかしに しています

優しい君の抱える
痛みを飲み込むために
大きな口を 開けているんです


  早く治る傷や
  治りにくい傷
  人の数だけ
  痛みも様々です

  通りすがりの
  誰かにしてみれば
  わたしの抱える それは
  「これっぽっち」かもしれません


ビタミンが足りないのか
鉄分不足のせいなのか
栄養の足りない心は
毎日のように叫んでおり

『苦しみから解放されたい』
『いつになれば楽になれるの?』
『・・・・・・もう、疲れた・・・』


暗い部屋で ひとり 無口になってしまいました



―――なのに
部屋に月明かりが降りてきて
わたしにそっと寄り添うので
―――更には
こんな時でも 携帯には
君からのSOSが
飛び込んでくるので


結局は暗い部屋に 明かりをつける事になるのです


  わたしには 何もしてやれないけれど
  大切な君の苦しみだけでも
  この傷口に放り込んでくれたら
  消化できるだろうか なんて 考えた


そのために 傷は 残されたのかもしれません


晴れた日も雨の日も
窓を少しだけ開けているのは
大切な君の悲しみが
少しでも早く 少しでも多く
こちらへ届くようにと
願っての事なんです


本当にわたしは
何もしてやれないけれど
目には映らない痛みに
君に 寄り添えるように と

わたしは
見えない傷口を開けたまま
毎夜 眠ります


言いにくい事なら
わたしが眠っている内に
こっそり預けていけば良い
きっと よく眠れるから

  ―――どうか どうか 良い夜を。

君の枕が
濡れない夜になるよう
この小さな扉は 開けておきましょう

まだまだ 夏は終わらないから
度重なる悲しみで
君が 塩分不足にならないようにと


わたしは
願っているんです
そして
祈っているんです



 

恒星

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2017年 8月11日(金)15時44分38秒
  駅の外に出ようとエスカレーターに乗る直前
生暖かい塊が駆け下りてくる

涼しんでいた体の表面に一気に
ベタベタするものを貼り付けながら

毎日この見えない塊に包まれながら
地上へゆっくりと気怠く運ばれる

そして、出入口のドアが開いた途端
待っていたかのように
遠くから鋭い熱線を浴びせてくる

朝からその中を進まなければならない
前後左右にあらゆる角度から射し込んで
数分後には見事な汗を額から流し落とす
道は向こうまで鼠色した砂漠になっていた

全ては遥か遠く燃える
あの太陽の思うがまま
 

回れ 歯車

 投稿者:ひなの  投稿日:2017年 8月11日(金)15時25分31秒
編集済
  今になって思えば
いつも誰かが
私を愛してくれていた
のかもしれない

分かりやすい愛を求めて
言葉やハグを求めた私は
それ以外を受け入れられなかった

例えば
会うたびに痩せていく私を
祖母はしきりに心配してくれた
私は「大丈夫」と手をひらひらさせて
むしろ
痩せていく自分が誇らしかった

例えば
整形を繰り返す私を
友人は「必要ない」と言ってくれた
私は「お世辞でも嬉しい」と
笑ってみせて
むしろ
この痛みが私を律してくれた

そういえば
土砂降りの雨の日に
母は私を迎えに来てくれた
「ありがとう」と言う私に
「風邪をひかれて
迷惑するのはこっちだから」と
ぶっきらぼうに言った

素直じゃないんだね
私もあなたも
気持ちに蓋をし始めたら
本当の気持ちも
見失ってしまうから

少しずつ
取り戻していけたらいいね
見ないふりをした思いも
言いたかった言葉も

反対回りの歯車も
ひとつが直れば
ぜんぶがうまく回り始めるから

まだ
間に合うはずだから
 

ド・ロネイダ氏の夢想絵画

 投稿者:沢口リリキ  投稿日:2017年 8月11日(金)04時28分35秒
  ~申し訳ありません、評不要でお願い致します~


ド・ロネイダ先生は
しばし、おし黙り
遥か青空へ目をやった

あまりにもその振る舞いが
不自然極まりなかったので
生徒の中の一番の太っちょが
空に呑まれていった

ド・ロネイダ先生が
手からスルリと逃げた
風船を追うように手を伸ばしたら

昼は闇のマントを広げ
夜が訪れ
太っちょは月の子供貴族を名乗った

ド・ロネイダ先生は
月の子供貴族の復学をねがい
周りの生徒と一緒に
口笛を吹いた

すると風が目覚めて
音色を奪い
教導の取引所で
金色の犬と交換した

「神聖!神聖!
逆立ちのマロニエを呼べ 呼べ」

「ド・ロネイダ!ド・ロネイダ!
金色の犬は潔癖症」

月の主張を聞いたド・ロネイダ先生は
怒りにわななき
月の子供貴族と金色の犬を
大きなお腹に隠した

それを目撃した天空の舟が
星に錨をおろしてしまうと
生徒はみんな校歌を合唱し
暗い海の底に沈んでいった

海はやがて
校舎裏の排水溝に吸い込まれ
青い星に生まれ変わり
月の子供貴族を囲んだ

ド・ロネイダ先生は
しばし、押し黙り
画用紙に今見た光景をスケッチすると

「学校長がその絵を盗むにしても
ド・ロネイダ氏に非はないでしょう」
と、金色の犬が裁判所で証言した

「鳥かご学院前」のバス停では
事情通のマダム白魔女が
淑女のように微笑み
ド・ロネイダ先生に目配せをした

ド・ロネイダ先生は
しばし、おし黙り
事情通のマダム白魔女を
逆立ちのマロニエの木の枝に
好き勝手に飾って満足した

それを見ていた周りの生徒が
「神聖!神聖!」
と、騒ぎ立て

いつしか校庭に
千年分の夜が溢れだし
みんな幸せの光に
ふわふわと包まれた

周りの生徒が
安息の儀式を始めると
いつもの授業が取り戻された

ド・ロネイダ先生は
しばし、おし黙り
遥か青空へ目をやった

月の子供貴族に思いを馳せて



 

せせらぎ

 投稿者:沢口リリキ  投稿日:2017年 8月11日(金)03時43分7秒
   この度は九州北部や秋田県一部、その他豪雨による災害で被災された地域の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 少し時機をずらして投稿させて頂きました。



夏の渓流から
威勢よく飛び跳ねた
若い銀色の魚

陽光にきらめく
鱗のなめらかな反射は
水面(みなも)に滴り落ちる

せせらぎの清涼な旋律と
交響しながら着水し
小岩の隙間に姿を隠していった

川は 何ごともなく
海を目指し連綿と流れていく

岩場の木陰に
腰掛けていたあなたを呼び
手を繋いで
浅瀬に足を沈めた

清流のシンフォニーは
子供時代の
快活な精神の高鳴りを
思い出させた

もうすぐ二人は
人生の下流へ向かう

絶え間ない
静謐な調べを
ひとときも忘れることなく

たとえ一緒には無理だとしても
どちらが先でも後でも

河口から大海へ
凛とした姿勢で悠然と到ろう

かつては 私もあなたも
山頂から湧き出でた
ひと雫の岩清水

お互いが出逢い
ひとつの川として生きる前

それぞれの流れの中で
せせらぎを歌った
いのちなのだから

ふいにあなたは
川の中に立ち

大空に向けて
片足を上げ
高く どこまでも高く
水しぶきを飛ばした

あの銀色の魚のように

そして
あどけない少女の
屈託のない笑みを
かがやく水面(みなも)に投げた





 

地図に載っていない集落を訪ねて

 投稿者:澤 一織メール  投稿日:2017年 8月10日(木)23時08分39秒
編集済
  地図に載っていない集落を訪ねて
峠へと続く
小川と並びあった里道を歩いてゆく

乱暴に生い茂る樹々は
大地を突き刺すような
真夏の陽射しの侵入を許さないのだろう
路は泥濘み
虻の羽音が何処までも鼓膜に触れる

痩せ細った丸太の木橋を渡り
せせらぎの音が絶えた頃
両脇の樹々の間から
蔦や雑草の蔓延った木造の建家が
一棟
また一棟と 姿を現した

その佇まいは
東京の病室で体に管を巻かれた
祖母を思い出すもので
郷愁とはほど遠く
全身の疲労に後悔は重く伸し掛かった

私の祖母はこの集落で青春を育んだ
限界集落という言葉が生まれる前の話だ

少し前まで
私は祖母の家の側に住んでいた
正しくは
体の弱い両親に代わって
私が祖母の家の近くに住むようになった

私は正直、祖母が鬱陶しかった
早朝
仕事の支度をしている時に
味の薄い朝ご飯を持ってきたり
帰宅後も
着替えている途中に玄関のチャイムが鳴り
ビニール袋に天ぷらを持って現れ
休日は
彼女と遊んでいる時にも
携帯に電話が掛かってくる

私はやがて
祖母を遠ざけ、拒絶した
仕事は残業を増やし
脂っこい天ぷらはビニール袋ごと
ゴミ箱に捨て
携帯は着信拒否にした

近所の病院に運ばれたと
ヘルパーから仕事中に電話があった時
私は初めて
祖母に対する振る舞いを悔やんだ
と同時に
心の何処かで
安堵している自分を感じ
私は
人でなし
だと
自分の為に 涙を零した

祖母が入院してからは
穏やかな日々が続いた
私は時間があれば祖母の病室に行き
祖母と色々な話をした
妹が流産した時は
一緒に 涙を流した

それでも前を向こうと
祖母が語ってくれた話の多くは
若き日を過ごした集落での話だ

厳しい自然のもとで
豊かに少女時代を過ごした祖母は
学帽を格好つけて被っている祖父と出会い
十代後半で集落から
東京へやってきたという

そんな祖母は

体に管を通すようになり
話すことも難しくなった

私は祖母に会いに
もう地図には載っていない集落を訪ねた
背丈まで伸びた草木を掻き分けて
崩れそうな一棟の建家に辿り着くと
横道があり
誘われるように歩いてゆくと
開けた雑木林を見つけた
そこが校舎のあった場所だと気づくと
私は祖母に向かって叫ぶ

待っていたよ

樹々の隙間から
鳥が囀り
私は無垢に微笑む
かつての少女と出会った
 

井嶋りゅう様

 投稿者:タルコンティ  投稿日:2017年 8月10日(木)23時07分27秒
  井嶋りゅう先生
 残暑お見舞い申し上げます。
 お忙しいなか拙作を読んでいただき有難うございます。
 偶然ですけど、私も体の大きめな雑種を想定して書いてみたものです。
 老いは生き物である以上避けられないですが、人以外は直接言語が通じない哀れさを感じます。
 先生の愛犬も遠いところで元気に走り回っていますよ、きっと!
 終連の御指摘は耳が痛いです(笑)。
 なかなかうまくまとまらず、手堅く着地しようと思ったのですが、おっしゃるとおりですね。
 参考にさせていただき、少し時間をおいてから推敲してみようと思います。
 勉強になりました。
 これからも宜しくお願い致します。


 

三浦志郎様

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2017年 8月10日(木)23時00分51秒
  こんばんは。
お礼が遅くなりました。投稿作品にご批評下さりありがとうございました。
そうです、うちはハムスターを飼っております。
苦手な方もいらっしゃると思います、すみません。
三浦様の仰る通り詩の作品になる内容ではなかったですよね。
ハムスターは約2年程の寿命と聞いていて、もう1年と半年位になります。
なので、あと半年?と思うとさみしいので、何か詩みたいな形をのこしておきたいなと思っていて観察しましたら、このような
作品ができたという事です。
トイレは間違いでなく、本当です。サラサラのお砂が入っていて毎晩替えたてのお砂に寝るんです。
性格もあると思いますが、多少は気にしてないのかもです。
まさか、書かれている事など何も知らずに今日も生きているハム太郎です。
 

井嶋りゅう様

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2017年 8月10日(木)22時33分59秒
  こんばんは。
投稿作品にご批評下さりありがとうございます!
たくさんの指摘に1度読んだだけでは、スムーズに飲み込めなくて(寝不足のせいなのか、元々か)お礼が遅くなりました。
言葉の表現はちょっと変えるだけで変わるのですね、追っているですっきりしました。
英単語は、1語だけで、意味が伝わって良いなというのと、響きが好きで、そういう感覚に囚われて入れたのかもしれません。
すみません、詩全体の構成とかには合わなかったのですね。
素敵の言葉ですが、私ははっきりいって、単純な方です。構成は難しいですね。もっと推敲が必要でした、単純で複雑なのは素敵だなと、
思ったまま、それだけで入れてしまいました。なので、僕のことです。君の事は最初と最後だけで他は何も出てないのです。
もっと、書きたいと思った事を推敲を重ねて重ねて、書いて投稿できるようにしたいと思います。
貴重なお時間をご批評下さりありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
 

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