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初めまして お父さん―続・海からの言葉

 投稿者:三浦志郎メール  投稿日:2018年 2月12日(月)04時00分31秒
編集済
  連載 詩スト―リ―


何で今になってそんなこと言うの!?
わたし 夢にもそんなこと思わなかった
今まで 嘘ついてたのね
そんな秘密って…
ひどい ひどい ひどすぎる!

「父さんなんて 大ッキライ!」
「彩子!」
「彩ちゃん 何処行くの!?」
「海ィ― 先に帰ってて!」






【初めまして お父さん】 ―続・海からの言葉―



1 「ある記憶」

石田彩子にはこんな記憶がある

小学校にあがって少し経った頃
仏壇に置かれた写真
「このしゃしん だあれ?」
「……母さんのお兄さんよ 戦争で死んじゃったの」
「ふうん」
その時 母の裕子は悲しそうな目をした
亡くなったのだから当然である
ただ 今思うと
その表情には当惑気なものもあったかもしれない
子供心にも
聞いてはいけないものに触れた気がした


その後 写真はどこかにしまわれた




神奈川県三浦半島の海沿いに葉山町がある。横須賀市と逗子市の中間にあり、温暖で風光明媚
なため周辺には著名人の別荘が点在し、皇室の御用邸があることでも知られる。夏は海水浴場
として賑わう。彩子の父、成三はこの町で和風レストラン「いしだ」を経営している。以前、
横須賀の高級料亭「小松」で働き独立したのだった。ここが出来てからもう十年以上になる。
海が一望でき土地柄良い客もつき、店は繁盛していた。東京オリンピックが象徴したように
日本は高度経済成長期を迎えていた。すでに戦争の傷跡は遠い過去。

石田家には習わしがあった。家は横須賀市内の衣笠にあるが、桜の頃、歩いて十五分くらいの
ところにある衣笠山公園に必ず花見に行くのだった。彩子が物心ついてから一家は一度も欠か
したことはない。その日父は店を休む。数少ない一家の行楽である。桜は可憐できれいだし山
頂からの眺めもいい。海が見え、やや遠くに猿島が浮かんでいる。母の手作りの(あるいは父
の?)お弁当はいつもおいしかった。




少し奇妙なこと
花見から帰る時
父母が必ず展望台に立ち寄り
姿勢を正し頭を垂れ
横須賀港の方角に向かって手を合わせる
その光景は
子どもが不用意に立ち入れない何かがあった

「あやこ、たのしかった。ねえ、なんでいつもここでおいのりしてるの?」
「母さんの兄さんが桜の咲く頃に戦争で亡くなったんだ」
「横須賀の海に縁のある人だったからよ」


(ぶつだんにあったしゃしんのひと…)






2 「父」

石田彩子にはひとりの弟がいる
四歳違いの義明
父は商売のせいで土日は仕事
何処かに連れて行ってもらった記憶は少ない
姉・弟いつもじゃれるようにして遊んだ

中学生になって
彼女は何気なく思うことがあった
何の理由もなかったが
生あるものの本能だったかもしれない

(わたし 父さんと弟と微妙に似てないかも…)

そのことを冗談めかしく言うと
父は一笑に付すが
その表情には
一抹の困惑と淋しさがあった気がする
しかし そのことは日常の中で忘れられていった

父は戦争中 海軍軍人
何か 大きなフネに乗っていたらしい
彩子の知っているのはそこまでで
父は戦争について多くを語らない
代わりに 家では
冗談ばかり言って皆を笑わせようとする

元は軍人 今は料理人
その極端な違いも彼女にはよくわからなかった

「彩子はどんな人と結婚したいんだい?」
「そうねえ たとえば 父さんのような人と かな?」
抜け目なく彼女は言った
二人で笑いあった
しかし 心の片隅で
さほど冗談ではないと思う彩子だった



(つづく)


*******************************************


毎週1回、月曜日2章ごと掲載。全13章完結。


 

(無題)

 投稿者:えうげねメール  投稿日:2018年 2月11日(日)23時34分35秒
  眠りを忘れた街
人々の歓声溢れる
雑踏をひとり往く

華やかな店のネオン
仕事終わりのサラリーマンが
怒号を浴びせ合い
私は顔を背けた

若者達が路上に座り込み
笑顔を交わす
女子高生らしき少女が
ウインドウを見て
ダンスの練習をしている
自由を謳歌する彼女に
ひとひらの嫉妬心が湧く

私は足枷を着けられ
狭い独房の中
囚われの日々を過ごす
看守は何度も
見廻りに来て
床に唾を吐く


広くはない通りを
高級車がゆっくりと
通り抜ける
如何わしい香りを
漂わせた女達が
窓から少し顔を出した

不快な雑音が
幾重にも絡まり
耳を塞いでも
逃れることは出来ない

私は走り出し
離れた国道まで
息を切らせ
走った


薄暗がりで
路肩にはタクシーが停まっていた
私はこれに乗り
家に帰ろうと
心に決めた

ボンネットに腰を掛け
煙草を吹かす運転手に頼むと
快く頷いた


自宅へと向かう車中
突然悲しくなり
窓の外を見ると
大きな月が出ていた


こんな罪深き街
罪深き私に
月は変わらず
微笑みかけてくれる

目頭が熱くなるのを感じ
涙袋に溜まる
沢山の出来事に
感謝しようと
心に誓う



深夜の高速を
何処へともなく
乱暴な運転で
駆け回る運転手


私は寒気を感じ
両腕を抱えて
また窓の月を
ぼんやりと眺める


その神々しい
輝く光に照らされ
タクシーは
銀河へと

 

青島 江里 様へ

 投稿者:えうげねメール  投稿日:2018年 2月11日(日)22時36分27秒
  青島さん、はじめまして、こんばんは。この度は感想をありがとうございます。初めての投稿ということで勝手がわからないところもあって、手探りの感じでした。普段はLINEブログやアメーバブログやTwitterなどで詩を書いていますが、ちゃんと応募したことはあまりないので、貴重なご感想を聞けてとても嬉しいです。今後も精進して参りますので、よろしくお願いします。本当にありがとうございました。  

惰眠

 投稿者:こたきひろしメール  投稿日:2018年 2月11日(日)10時22分9秒
編集済
  口を呆けて死んだように眠るのはかまわない
口を閉じて眠るように死んで欲しくない

眠るように死なれたら
生き返らないまでにも何かのひょうしに眼を覚ましてしまうかもしれない


等身大の木箱のなかで花に埋もれながら
蓋に釘を打たれてしまったら
木箱は岸辺を離れる一艘の舟
冥土へと川を渡る

それを嫌だイヤだと必死にもがいたら
眠るように死んだ体は覚醒してしまいそうだ
でも死の鎖はけして切れない

熱いのか
それとも暑いのか
眼を覚ましたら違和感があった
見回したら知らない部屋で男は寝ていた

女の匂いが鼻を捉えてくる
見覚えのない寝具の上は乱れていた
そして
見覚えのない寝具の上にはもう一人が寝ていた

若い女は死んだように眠っていた
それがもしかして
死んだように眠る姿に見えて男は両目を手でこすった

活きている
寝息が聞こえた
男は構わずに乱暴に女の眠りを覚ました

誰だお前?
と聞いて、そして、ここは何処だと言った
すると女は寝たりなくて眠そうにしながら
もう忘れちゃったの
ゆうべはたくさん飲んで酔っぱらったから無理もないか
と言った「でもすることはちゃんとしたわね」

男は即座に女の言葉を飲み込んだ
そうか分かった、と言って辺りを見回した
男の着ていたものは部屋の壁に吊るされていた
それはいかにもアウトローの世界に身をおく男の物らしかった

男はよろよろと立ち上がり上着の内ボケットから長い財布を取り出すと一万円札を数枚抜き取りそのまま無造作に投げた
取っといてくれ
と言いそして、忘れてくれと付け加えた
すると女は
お金なんていらないわ。「 」会の竜二さんでしょ
と言った「お金なんていらないわ」
女は繰り返した

そんなビデオテープを回しながら彼はカップラーメンを啜っていた
啜りながら缶ビールを合間に飲んだ
でも言葉に出来ない
さびしさを噛み締めてる訳じゃない

ビデオのなかの物語。男と女の人生。
その裏側にある男優と女優の人生

男優にとってその作品は最初で最後の主演作だった事を
彼は知っていた
命をかけたに違いない演技は下手かも知れなかったが
男優は実生活で間もなく死んでいた

休日にそれを見ている他者の彼
詩だか小説だかわからないけれどこれを書いている作者の人生
笑えないけど
みんなみんなに公平にやって来る死は
その人生の全てにピリオドを打ち込む
容赦のない釘だ
と思う

いざ死ぬ時は苦しみもがきたい
安らかに眠るように死ぬよりは
その方が
ましだ
と作者は結論を付けたかった

つまらない物をまたスマホに打ち込んじゃた
けど
作者に後悔はなかった

 

Drunken ravings ~ 昨夜仲間と飲みすぎて ~

 投稿者:中也  投稿日:2018年 2月11日(日)10時19分40秒
編集済
  あの時代を知っているから
どんなに右よりの政治家も
憲法を変えるとは言わなかった

僕の大好きな
おじいさんは死ぬまで
僕がどんなに聞いても
決して
戦争の話をしなかった

日本国憲法は戦争放棄を記していることがすばらしいって小学校の先生が誇らしげに語ってくれた

人を殺すことを認めている国はない

なのに
今も世界の何処かで
戦争は続いている
内戦もテロも戦争だ

核ミサイルは人を殺すことが目的
だから容認されない

原子力発電は国民の幸せになることが目的
だから容認できる
だけど
事故が起きたら
多くの人が犠牲になる
目的が違うだけ

人間の存在は有限
だけど
思い通りにこの世界を
征服している

僕は
どんなに生活が貧しても
ポピュリズムには騙されない

自分のことしか
考えていない
戦争を知らない
歴史を知らない
宰相には
騙されない

何を言いたいかと言えば
結局
僕は
憲法改正に反対
原発再稼働に反対
それが言いたい

ーーーーーーーーーーーーー
ぼくにしては初めての挑戦です。
なんかこんな詩もあっていいのかなと思いつつ
味わいも広がりもなくてごめんなさい




 

青島江里さんへ

 投稿者:井嶋りゅう  投稿日:2018年 2月11日(日)08時38分33秒
  江里さんおはようございます。りゅうです。
感想をありがとうございました。
しずかちゃんは私が幼稚園で一番最初に友達になった子でした。
彼女との出来事を今回長々と綴ってしまいました。
あたたかいお気持ちになれたとのこと。私も嬉しいです。
また機会がありましたら、ぜひ読んでください。お願いいたします!
この度は、お忙しい中、最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
 

苺の木様

 投稿者:小林大鬼  投稿日:2018年 2月10日(土)01時06分16秒
  「立ちくらみ」読みました。村野四郎の体操詩集を思わせる構成と内容~機能的でモダニズム的な表現が本当に良かったです。  

くれ様

 投稿者:galapa  投稿日:2018年 2月 9日(金)18時27分47秒
  私の詩「銃声」を批評していただきありがとうございます。
この詩は映画のあらすじのように書くことによって、果たして詩情は生まれるのか、という自分にとっての実験のようなところがありました。ですので
<映画の物語の中にある一コマが目の前にあるような錯覚に陥りました。>とのお言葉はとても嬉しいものでした。
また、書けましたらよろしくお願いいたします。
 

三浦志郎様へ

 投稿者:夏生  投稿日:2018年 2月 9日(金)16時44分15秒
  拙作「鳴る」に甘めの佳作との評をくださいまして、ありがとうございます。

ご指摘くださいました終連の箇所、推敲が足りなかったと痛感しました。
流れのまま、ではなく、一篇の作品としてしっかり描ききれるように
精進致します。

 

2018年2月2日~2月5日の評と感想です。

 投稿者:くれ  投稿日:2018年 2月 9日(金)16時42分2秒
  2018年2月2日~2月5日の評と感想です。

1.銃声  galapaさん  2月3日投稿

 この作品は、映画の物語の中にある一コマが目の前にあるような錯覚に陥りました。評価は「佳作」と致します。
 この作品のポイントは、子供の数にあるのだろうと思います。戦争とは悲惨なものです。罪のない未来を担う多くの子供たちが、今も紛争地域では亡くなっています。
 この作品は、読み手が想像しながら拝読していく作品なのだろうと思います。だから解釈は幾つも出てまいります。ただ一つ同じなのは、銃声一発で子供が一人亡くなるという事です。
 最後の一行はその後があるような気が致しました。読ませる作品であります。

2.旅人 @すみっこさん  2月4日投稿

 短い作品ですが、良くかけています。評価は「佳作」と致します。作品の中に「風のようにすれ違うだけの旅人さ」という表現があります。「一人で乗っている事に気づいたんだ」に結び付けていくと、風に乗る事を示唆していると思います。

 その後の、この一行「僕が見えるかい?」は、とても効果的でした。この展開が読み手を惹き付けてくれました。最終連も良いですね。書き続けるという事はまた一つ詩の階段を上がる事が出来たと言うことなのかも知れません。

3.禾 ム(わたし)  ひなのさん  2月5日投稿

 ひなのさんの書かれている事は良く分かります。評価は「佳作」と致します。
私が拝読して気になったところを、今回は書かせていただきます。作品はすっと立ちどまることなく拝読できました。第一連の「心は立ち尽くしていた」この意味は、後半になると分かるのですが、心と身体が離れている事を書かれているのだと思います。第三連の「嫌だと/ひと言叫んだきりで/小刻みに震えて」の箇所なのですが、突然の「嫌だと」いう箇所が、何故嫌なのか少し分かりにくかったです。推測すると、心と身体、その身体が先に歩きだしたからなのでしょう。それと目的地とは何処なのか?という疑問が出てきます。回答は後半にあるのですが、読み手側からすると作品全てを読んで分かっていくという事になります。この流れでもいいのですが、第一連、第二連で示唆した方が良いのかも知れません。
 第五連の「理性のが強い」と書かれていますが「理性の方が強いと」脳内変換して拝読しました。この辺りから、生身の自分に即した作品になっていくのだろうと思います。
 そこだけが拝読していて気が付いた点です。最終連は秀悦ですね。ここに繋がる為に書きあげてきた作品のような気が致しました。このような作品は書き手も、読み手も難しいものがあります。書き手の思いに応えられる読み方ができているのだろうかという不安もあります。
 投稿作品が少なかったので長々と書いてしまいましたが、この作品はこの作品で読み進めていく内に、第一連の「心は立ち尽くしていた」の言葉が分かっていくという書き方も決して悪くはないと思います。作品を拝読しながら感じた事を私見として書かせていただきました。

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今回は3作の投稿でした。投稿有難うございました。良い作品を拝読することが出来ました。風邪(インフルエンザ)が猛威をふるっています。お体にご自愛下さい。
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