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 投稿者:中也  投稿日:2018年 6月12日(火)19時45分36秒
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  酸素ボンベから
管が伸びて
君の唇を覆って

点滴が落ちる
等間隔に
ひとしずくづつ
細い腕の中に

そのたびに
心臓に
針が刺さる
そんな
痛みが
僕を襲う

君じゃなく
僕だったら
良かったのに

僕が話しかけても
まだ君は
夢の世界にいるようで
返事を返してもらえない

君の化粧してない
素顔の顔が
青色の計器にかざされて
君はまるで螢のよう

ここ最近
あんなに
仕事が好きだった君が
僕との時間を
大切にしたのは
もしかして
この日が来ることが
わかっていたように
思ったら

君の前で
泣かない
つもりだったのに
涙が流れる

夜空を見上げては
星々の輝きに
消えていく星々の
哀しみを想う

君は
友だちと旅行なんて
親に内緒で
嘘ついて

初めて二人で行った信州
あの夜見た螢
覚えてますか

あの時
僕たちは
まるで
宇宙に迷い込んで
幻想的な光に包まれて
宇宙(そら)に
舞い上がって

その瞬間
僕たち
永遠の絆(あい)を
感じたよね

だから
もし
君が
螢のように
僕の前から
消えてしまっても

僕は
かならず
君を探して
君のもとへ
行くから

今年も
無数の螢が
飛んで

きっと
あの時の
僕たちみたいに
螢を見ている人がいることでしょう
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信州辰野ほたる祭り
「ほたる童謡公園」長野県上伊那郡辰野町
観測時期
6月上旬から6月下旬

※  この作品はあくまでもフィクションであり、詩中の君と僕に個人的な意味はありません
 
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