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鵯上戸

 投稿者:山茱萸  投稿日:2020年 1月14日(火)16時45分10秒
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  おそい秋
小粒の果実に毒を潜める
鵯上戸

緑を残す蔓は
木立ちに伸しあがり
朽ち葉を鷲づかみに
搦めとっている
赤く透きとおる液果は
愛くるしいしぐさで背き
風に戯れ
ゆらり
ゆらり

 冷気が辺りに降りる頃
 けたたましく囀り
 飛び交う鵯は
 鵯上戸の小さな毒を
 好んで啄む
 と言う

陽が山の稜線をなぞるころ
沿うことも
抗うことも叶わず
ぐずぐずと迷い
迷ってはもがく私を
捨てたくてまた踠く

祈りの中で
入日のような毒を
一つ含んでみる


 
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