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5/22~5/23ご投稿分 評と感想になります。

 投稿者:葉月 祐メール  投稿日:2020年 5月29日(金)20時51分37秒
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  ◇5/23 「ギターの悲しいすすり泣き」 式波博也さん

ギターのすすり泣きって、どんな音なんだろう。エレキギターなのかアコースティックギターなのか、それによっても、そこにある悲しみの響きや色は、きっと大きく変わりますね。わたしはアコースティックギターの、乾いた弦が擦れて鳴り響く様子を想像しました。キュイッ、という、苦しそうでいて、不思議と鼓膜や心を揺さぶるような…。

式波さんの今までの御作を拝読しましたが、普段から連分けなどの構成を意識して書かれている方と感じました。そしてこの詩は、全体的に七五調になっていて、音読するとリズミカル。おそらくこれも意識された部分だと思いますが、その為に削られた言葉があるようにも思えて、少しもったいないと感じました。
各連に一回ずつ登場する、タイトルでもあり核にもなっているこの一行、それぞれの悲しみにも色や大きさ、深さ、長さがあるはずで、すすり泣きがどのように聴こえてきたかも違いがあると思うので、その違いをほんのりと肉付けしてみてほしいんです。

「ギターの悲しいすすり泣き」というタイトル、フレーズですが、「悲しい」と「すすり泣き(悲しくて、鼻をすするように泣く)」が重なっている感じがあるので「ギターのすすり泣き」でも、雰囲気は十分伝わってくるかな?
そして、式波さんが詩中に用いる「....」ですが、この詩ではとても効果的だと感じました。これはわたしの感覚での提案ですが、三連目、こんな風に切り離してみてはどうでしょうか?

 いつもどこかで聞いている
 ギターの悲しいすすり泣き
 陽の射す所で泣いていた
 孤独な心に打ち寄せる

 そっと
 やさしく
 打ち寄せる....

とても繊細な終わり方なので、一行を分割して、「優しく」だけ平仮名にしてみました。
すすり泣きって、スンスン…というような、泣き叫ぶのとは違う悲しみ方なので、心に響いてくるとすれば、終連のように「そっと優しく」寄り添うような、そんな音になると思うんです。
過去の投稿作から、式波さんは書ける方と感じましたので、是非書き続けてくださいね。
式波さんの目線で見た物事や、身近にあるものがどう描かれてゆくのか、楽しみにしています!


学生の頃、アコースティックギターを買った事がありました。でも指が短い為にコードを押さえられず、苦しそうな鳴き声にさせてしまいました。。。弾きこなせないまま引っ越しの時にサヨナラしたのですが、あの日錆び付いた一本の弦を弾いた音…あれも「すすり泣き」ったのかなと、読後に思い出しています。


◇5/23 「同じ道」 @すみっこさん

この詩をプリントして、部屋に貼っておきたいな。
そして迷った時はこれを読みたいな。
多分評や感想からズレてしまう話なんですが、そういう気持ちになりました。なんと言うのか、すごく勇気づけられて。なのでまずは「ありがとう、ありがとう!」と、伝えさせてくださいね。

誰かがさ迷う迷路は、実はいつもと「同じ道」の中。サクサクと走ってゆける時も、そこにあるのは「同じ道」。どこにも進めずに立ち止まるそこも、本当は「同じ道」の上。。。その日その瞬間の心の在り方で、ひとつの道が姿を変えているんだよという事、語りかけるように教えてくれていますね。

良いなと思うのは二連から五連の流れです。たとえたどり着くゴールを間違えたとしても、それは無駄にはならないよと伝えてくれているところ、その時手放さざるを得ないものもきっと出てくるから、足もとを見てしっかり歩まなければいけないよと、読み手に、そしておそらくは書き手であるすみっこさん自身にも、言い聞かせてくれているところ。
ここ、二連二行目の「僕の盲目のせいで」と、五連「足もとを見て/見逃しちゃいけないんだ」の二ヶ所は、違う言葉で表した方が良いかな?

そしてすみっこさんは決意を胸に、前へゆこうという想いを言葉に込めています。すると、読み返して三度目あたりから、最終連、最後の締めの一行が気になってきました。
同じ道=自身の生きる道、この先の未来へ続く今、として読んできたのですが、もしその線であるとすれば、
「もう同じ道を歩かないから」ではなく、
「もう迷ったりしないから」なのかな?と思います。

とは言え、とは言え、冒頭でも書きましたが、わたしは本当に勇気をもらったのです。そして、すみっこさんの詩の大きさ深さが、広がり続けているのを感じます。
今回は佳作半歩前です。が、もう一度お伝えしたいひと言を最後に贈らせてください。
「ありがとう!」です!


◇5/23 「双極性」 ミリウェイズさん

ここへ行きたいなと思う世界が、13行の中にギッシリ詰まっています。なにか、これだけで絵本が作れるのではないかと思うほどに。この詩が絵本になったとしたら、ちいさなお子さんから大人まで、みんながこの世界に浸るのではないかしら、と思う、一行の濃さ、青のグラデーションを感じられます。

一行目はわたし、似たような空をこの目で見た事があって、だからこそ二行目の「あの空に沈んで行きたくなる」も共感でした。写真を何度撮っても、怖くなるほど「青くて黒い」ような色でした。けれども綺麗なんです。群青色ともちょっと違う、真夏だけの色なのかもしれませんね。それこそ深海を想像する青の濃さでした。
二連目の展開、まず読んでから目を閉じて、是非想像してみてほしいです。この海に浸ってほしいです。空という大海へ「高く高く潜っていく」、トビウオのきらめきよりも眩しい光景がそこにはきっとあって、それは切り撮る事も描く事もできない場所。たどり着いた事はもちろん無いですが、ミリウェイズさんの言葉はわたしをそこへ連れて行ってくれました。
二連目後半からは明るさや青みが薄れてゆく様子もわかります。最後の一行もいいですよね。海も街も見えないその場所、宇宙に何があるのか?星と答える人もいれば、暗闇と答える人もいるでしょう。読み手が答えを自由に想像できるラストまで、足もとの海と頭上の海、その更に上にある海とを、じっくり、堪能させてもらいました。
こちら、佳作です。



作中五行目のフレーズを読み、こんな場所あるのかな?と思って調べてみたんですが、海外はコート・ダジュール地方にエズという「海と空のあいだに浮かぶ村」なる場所があるそうで、そこを見てから再び御作を読み返してみると、ミリウェイズさんが思い描いた色は、きっともっと深かったのだろうと感じました。海にほとんど行った事が無いので、憧れが更に強くなりました。


◇5/23 「おねえちゃん」 じじいじじいさん

初登場された時から、ほんわかするお名前のお方だなあと思いながら御作を拝読していました。作品の「?」の件も大丈夫ですよ、どうぞよろしくお願いします。

先のミリウェイズさんの御作もそうでしたが、じじいじじいさんの御作も、絵本にできそうだなあと思います。
全文ひらがなの中に「ドレス」「キレイ」と、カタカナが入る事で、スルスルと読めていくし、じじいじじいさんも七五調を取り入れた詩を書かれていますが、それが気にならないんです。
年の離れた姉妹なのかな?妹さんの心の変化につられて、わたしも一緒に泣きそうになりながら読んでます(笑)。
はじめはいつもとは違う姿に見惚れて、でもその感動を飲み込むように「もう一緒にいられないんだ」という気持ちが大きくなるんですよね。。。わたしの場合は姉ではなく、親戚の「おねえちゃん」でしたが…。

これはひとつの案なのですが、じじいじじいさんの詩、連分けしてみませんか?

一連:およめにいっちゃう~わたしもきたい
二連:でもでもね~なっちゃった
三連:おねえちゃんに~いっぱいないた
四連:ごめんねって~おねえちゃん

たとえばこんな風に。ひと息で読める詩ですが、一連と二連のところは、分ける事で「嬉しい→さみしい」がくっきりするかな?と思います。そのままでも伝わりますが、嬉しいからさみしいに変わるひと呼吸があると思うので、これはあくまで一例として、お読みいただければ幸いです。

みんなとも離れたくないけれど…。晴れの日の当日、花嫁さんはいろんな想いを抱えているんですよね。じんわり、でした。


◇5/23 「あめ」 じじいじじいさん

もう一作ご投稿いただいてますね、本当にありがとうございます。

お留守番をしている子供の視点で描かれた雨の日。
この詩も子供の心情の変化がしっかりと書き込まれており、ひらがなのオノマトペがなんとも可愛らしく。。。小さな子に読み聞かせてあげたいです。
中盤「あれれれれ」で楽しさが怖さに転調してゆくところは自然で無理が無く、読後、優しい気持ちになりました。というか、誰かに優しくしたいなと思いました。あたたかい気持ちにしてくれる詩を書けるのは、本当に素敵な事ですね。

子供が雨の日にお留守番をしている詩なので、ラスト、

 ひとりのおへや
 さびしいな
 おとうさん
 おかあさん
 はやくかえって
 こないかな

じじいじじいさんの持つリズムに合わせて、四行付け足してみました。お留守番が寂しくなってきたところですから、きっと子供は親の帰りが待ち遠しくなるんじゃないかな?と思うので…ご参考になれば嬉しいです。

こちらに甘めの佳作を。ひらがな詩、今後は連分けしていく事もほんのり意識してもいいですね。楽しみです!


◇5/23 「同じ景色」 九丸(ひさまる)さん

性別や違う感性を持つ二人の言葉によって構成された御作、どこかミュージカルや演劇のような。
その観客になった気分で、九丸さんワールドを楽しませてもらいました!

ずっと重ならないままかな?と思いながら読んでゆくと、五連目以降、二人の想いは近付き、重なっていきます。この感じ、わたしは好きなんです。この詩の頂点はラストかもしれないと感じるのは、やっぱり二人が同じ言葉を口にしているから!
ここは、一行にしてみませんか?二人の心がピッタリひとつに重なったんだよという意味を込めて。
七連「きみが在るから/あなたが在るから」までの流れを最後の「世界は構築されている(?2)」に繋げるとしたら、ちょっぴりカタイ感じもするんです。お互いの存在が理由になったとすれば、何かもうひと言欲しいと感じたところです。
初連、「僕」は世界に狂気を感じ、故に憂鬱だと語っています。一方で、「わたし」は幸せに満たされている。それでは「僕」の視点はどのようにして「わたし」に重なっていったのか?また、お互いが同じ景色を見ている事を知って、世界はどう変わったのか?この辺がラストのフレーズと深く繋がっていくのではないかと思っています。

同じ景色や方向を、同じ視線で見ていられる事は、気付きにくいけれども、何物にも代えがたい幸せ、喜びであると感じています。それは何度も訪れないからこそ尊いのでしょう。
今回は佳作一歩前で。
最後に、作中最も印象深かったフレーズを抜粋させてください。

 「きみが在るから」
 「あなたが在るから」


◇◇◇◇あとがき◇◇◇◇

◇Kazu.さんへ。◇

入院、手術、まだ大変な日々が続くかと思いますが、
ずっとずーっっっと待っております。
そして一日も早い回復を毎日お祈りしています。どうか、お大事に。。。


この度もご投稿くださり、ありがとうございました。
今回もたくさんの刺激をいただきました。皆さんにうまく返せているでしょうか??
誰かの紡いだ言葉に、何度も背中を押されてきました。
詩の持つ力とは、きっとそういうものだと思うのです。
世の中は随分と便利になって、言葉や心のやり取りも電線、電波に乗ってすぐに届くようになりましたね。
こんな時だからこそ、手紙の良さを感じます。かたちの無いものが届けられるような気がして。

確か以前雨音さんが評で書かれていましたが、投稿される作品も、時々原稿用紙に書いてみると、いろんな発見があると思います。わたしは字の汚さに泣けてくるのですが(泣)手書きでないと出せないものが、この世にはあります。私も自作を紙に書いてみる事、オススメします。

またのご投稿を、お待ちしております。良い週末をお過ごしください!

 
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