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寄り立つよるべに幸せのカケラ

 投稿者:かすみ じゅんメール  投稿日:2020年11月22日(日)13時01分14秒
  通報 編集済
  澄み拡がり
明るさに満ちた
十一月の空を渡る 逸れ雲は
長閑なパントマイム
気まぐれに浮かべ漂う

森を辿る
なだらかな曲がり路で
褪せた黒の毛皮を纏うスリムな旅猫
愛らしい撫で声 ひとつだけ残し
気品を湛えた足どりで
側溝の傍をしなやかに歩み
白やつれの増えた草むらの中へ
ひっそりと姿を消して

まだ小さな赤蜻蛉が
足元の細い枯れ枝のうえ
零れ紅葉のように ゆらり降りとまり
やわらかな陽光を浴びながら
透き通る翅 静かに休める


 冷たいはずの秋の風は
 温かな指先に触れるような優しさで
 しゅるら、ちゅるらと舞い游ぎ

 ひなびたアスファルトを横切る
 落ち葉はふわりと軽く
 からからと捲られながら
 少しだけ 愉しげに転がった


ふっと現れ
純朴を演じる脇役たちの
ささやかなドラマ
疲れた胸に沁みこんで
繰り返される 日々に積もった蟠り
じわり解され すうっと宙へ
高く離れて薄まり消える


ありふれた時はいつも
無口なままに
ひた向きに未来を目指し
絶えまない瞬間を縁どりながら
まるく繋がる 世界に結んで

穏やかに開ける景色は
ゆっくりと
新たな季節へ注ぎ そっと
明日に延びゆくキャンバスを塗り替えながら
遠く、果てなき物語
織りなすように廻っていく



 
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