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釘(くぎ)

 投稿者:葉月 祐メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)22時10分49秒
  気付かぬ内に
飲み込んでいた

何かが 喉に刺さっている


何度か軽く咳をする
お願いだ
取れろ
早く取れてくれ
それでも拭えぬ異物感に
苛立ちは増して
さっきより強めに咳き込むと
それは一気にこみ上げた

――チャリンッ

刺さっていた何かを
ようやく吐き出した

  足下に落ちたのは
  釘に変化した
  言葉だった
  数えると
  全部で五本

  うっすらと 赤かった


釘を じっと
見つめていると
か細い声が聴こえてくる

「元々形ある物では無いから…」

ゆっくりと透けながら
釘が 言葉に戻ってゆく
赤みは抜け落ち
輪郭も失って

  まばたきひとつすると
  釘はすっかり
  消えていた

喉を引っ掻いたような 痛みを残して


そう
気付かぬ内に
わたしは飲み込んでいた
心を痛めつけた誰かの言葉に
刺し返してやりたいと思う事で
鋭く尖っていった 自分の言葉を


五回分の我慢に耐えていた
喉元に 手をあてがう

明日こそは
釘になる言葉が
一本でも少なくなるように

そう 祈って


**********
三浦さん、お久しぶりです。
アドバイスをいただけたらと思い、また、
皆さんの作品にウズウズして、投稿させてもらいました。
どうぞ、よろしくお願いします!
(葉月)
 

 投稿者:メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)20時51分46秒
  年を重ねて
他人に従い
時間に縛られ
自我を忘れ
感覚が鈍くなっていく

大人になり切れなかった大人は
夢という現実をみている
 

火葬

 投稿者:鈴鳴すずしろ  投稿日:2018年 9月 9日(日)20時21分56秒
編集済
  街を歩いていると
けたたましい音を立てて
数台の消防車が走り抜けて行った

何かと思いマスクを外すと
うっすらと熱を帯びた風が
酒に焼けた鼻と喉をチクりと刺した

逃げるように踵を返し
来た道を早足で戻る
今日で三軒目の居酒屋を探して

あの炎が私を呑み込んだなら
私の灰は何を語るだろうか
橙の灯りに照らされた
ハイボールの氷に
知りもしない東京の大火を見る

下らない妄想を
アルコールに混ぜ込んで
喉の奥の焼却炉に流し入れた

私は錆び付いた火葬場のように
今日も苦い煙を吐き出し続けている
 

正しさは寂しい

 投稿者:メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)19時59分33秒
  正しさとは情報処理の先。

大人の容姿をしてても

注文通りの料理が来ないと
怒り
予定時間が多少過ぎると
怒り
自分の言った通りにならないと
怒り

怖い顔して私が正しいよねと周囲に共感を求める

同意はするが、なんか違う
同意はするが、なんか寂しい
同意はするが、外は雨






 

島 秀生様

 投稿者:耀子メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)18時36分36秒
  今晩は
『まだ行ったことない世界』 に名作を、『詩って』に秀作をいただけて,本当に嬉しいです。有難うございました。普段は熱心な仏教徒ではありませんが、やはりお盆になると、気持ちもそのようになって行きます。
夫の事、友人の事、思い出すと悲しい気持になります。成田山には、初詣に新婚時代から行っていました。それが、体調を崩して行けなくなっても、成田山にお参りする事が希望でした。やっとの思いで参拝し、鰻を食べたのです。成田は鰻で有名です。
『詩って』の5連の会話体は、ご指摘のように、あまり良くなかったと思います。そこでその部分はすべて削除し、
   デッキの椅子に深く腰を下ろし
   月と鈴虫の世界に静かに浸った私は
   手作りの梅酒にほろ酔いながら
   急に詩について語り合いたくなった
   しかし 詩について語り合う友はなかなかいない
として見ました。すっきりしたように思います。私は蘇東坡が好きです。
私の世界は狭く、何だかお気に入りのデッキの上だけのような感じですが、これからも宜しくお願い致します。

 

島秀生 様

 投稿者:あさぎメール  投稿日:2018年 9月 9日(日)16時24分50秒
  評をありがとうございます。”深く思う・考える”を実行するにはそれこそ作品と自身との間に角度が必要なのかなと思いました。
ちょいとやってみます。
これからもよろしくお願いします。
 

雨が降る前に

 投稿者:ゆき  投稿日:2018年 9月 9日(日)10時48分54秒
編集済
  いつもよりお喋りな君は
長い髪を風になびかせて
僕の少し前を歩いていた

風の中に雨の匂いを感じながら
二人の思い出を修復している

言葉はまるで
蜘蛛の糸のように絡みついて

ゆっくりと
心を締め付けていく

耳元で優しく囁かれると
愛されていると思い込んで

しっくりしない事も
気づかない振りをしてしまう

君の心が知りたくて

今にも崩れそうな空の下
雨が降り始めるまでの短い間に

振り向いてくれるのを
素知らぬ顔で待っている
 

島 秀生 様

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2018年 9月 9日(日)07時38分9秒
  この度も投稿作を読んで頂きまして、ありがとうございます。

雲を見る事が多く、評価を頂けるまでに書けましたのも評者皆さまからのアドバイス、感想頂けたからこそであります。表現が粗削りでストレートになりがち(普段話す時もなりがちで汗気をつけねばとは思っているのですが)ですが、人よりも時間がかかるタイプでして、これからも表現の推敲を考えていきたいと思います。自分としては二連目が印象に残り、同じような雲を見る度に思い出すのでステキとの言葉は嬉しいです。終連の月にも伝えたい感じ伝わって良かったです。名作まで頂きありがとうございます。
 

評、8/28~8/30、ご投稿分、その1。

 投稿者:島 秀生メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)05時37分20秒
編集済
  おや、メルトさん、お帰りなさい!!


*残り4作は、夜になります。

東野しづかさん「国道の虹」

この期間、お当番の島です。初めての方ですので、感想のみになります。
「トリミング」という画像処理の言葉があるので、若干迷いますが、内容からして、この国道の虹は、本当に出てる虹だと思います(仮想だとしても、そういう設定で書いているはず)。街のいろいろな建物に、虹はかかり、3連は自らが虹に登って、街全体を俯瞰します。

初連はまず、虹のたもとの位置にある家電量販店。序盤ということもあり、くっきりした方がいいと思うのです。初行ですが、その意味で「国道の虹が」の方がいいかと思う。
2連ですが、虹が跨いでいる、国道沿いにあるいろいろな建物なのでしょう。家電量販店に代わって、いろいろな店が登場するという、初連との連携を取ったほうがいいでしょうね。なので、「パーティグッズの」を削除で、「真顔の建物が虹を被る」としたほうが、つまり初連とよく似た並びにしたほうが、初連との連携においても、流れの上においても、良いと思います。
また、「パーティグッズの」は、読み手に、デコレーションした偽物の虹との誤解を生む元なので、やめた方がいいです。

起承転結でいうなら、第3連が「展」部で、ここで虹に登るというダイナミックな幻想が出てきます。虹の頂上部まで登って、自分の街全体を俯瞰します。ここクライマックスですね。「6両編成の深海魚」の表現、おもしろいです。
で、エンディングは、「この街・愛」ですよね。ステキだと思います。「切り離しがたい」は、2連の「トリミング」に係っていて、切り離したりなんかできないよと、言っているんだと思います。
3連、4連(終連)は問題ないので、1、2連の指摘だけ、一考してみて下さい。


東野しづかさん「ダイバー」

スマホの利用が高まったのは、電車の中で他の人と視線を合わせたくないから、というのが一因にあるのではないかと、かねがね思っている私です。「街のカフェで視線で向き合って耐え切れず」、という状況は、よーーくわかる気がします。
比喩とはいえ、カップをハンドルに見立てるには、スタバのマグカップのような、飲み口の広いマグが想像されます。
なかなかテクニシャンですね。自由度の高い比喩を使われます。大きな持ち手はハンドルを握る手。カップの中を覗き込み、波立たないコーヒーが、黒い路面の水溜りで、風景を逆さに映しているという。
「車で突っ込んだ」「とても飲めそうにない」の詩行には、現実社会に違和感を持つ作者の意思が感じられ、コーヒーロードの比喩が決して荒唐無稽なものではなく、その意思と繋がっていることがわかります。
あと、この比喩の流れで行くなら、タイトルは「ダイバー」でなく、「ドライバー」でしょうね。
以上、なかなか興味深い方ですね。初回ですので、感想のみになりますが、期待しています。また書いて下さい。


耀子さん「まだ行ったことのない世界」

ヤラレましたね。
初連の軽やかさで、夏のご馳走、鰻に食欲をそそられていると、思いもかけない哀しい思い出に出くわしました。読者が足もとを掬われる一作でした。
終末の病床で、肉を食べたいと言って、肉を食べさせてあげたら(ほんの少しだけど)、安心したように、翌日亡くなったという知人男性の話を思い出しました。哀しい思い出だけど、鰻も、その方たちにとっては亡くなるまでに食べておきたかったもののはず。一緒に鰻を食べに行ったのは、いい事をしたのだと、せめて思っておきましょう。
4連の、鰻を食べながら涙を流すシーンは、泣かせますね。2連と3連、とりわけ2連の「私はその夫を見守るのに精いっぱいだった」の状況が察せられる詩行と相俟って、とても感動的です。

4連のクライマックスのあと、5連は感情を押し殺したように、淡々と語る語り口がよく。
終連は、言葉少なですが、死後の世界に再会を期している作者の心情が伝わります。また、タイトルが意味するところも、ここでその意味が解かれます。

ディティールは1ヵ所だけ。4連アタマ、そのままでもOKですが、

 夫も そしてその友人も

の方がベターかな? できれば冒頭の「その」をはずしたい。そこだけです。他は不備なくパーフェクトです。

もちろん、名作を。これは前回の代表作を凌ぐ代表作かもしれないですね。前回の詩は、ディティールにはまだ遊び(ハンドルの遊びのような意の、遊び)がありましたが、こちらはスキなくパーフェクトなので、こちらの方が上と言っていいでしょうね。代表作(自己ベスト)、いきなりの更新です。


@すみっこさん「雲を追って」

雲の描き方が濃密で、ステキですね。そして雲をじっと見つめて立っているかのように、雲と雲の間に挟まれて、自身が吐露するモノローグがあります。

初連。1行目の雲が書けてるから、2行目の「心の境界線」の直喩も生きてきています。
2連目、雲と雲とを、空の高低で語る立体表現がステキです。
3~5連のモノローグのように語る心情の吐露は、ストレートではありますがコンパクトにまとめられてるから、これはこれで良いと思う。「やっぱり勇気が必要なんだ」の詩行は、心を打ちます。
6連。初連に呼応し、且つ3~5連の趣旨に呼応する、両者が融合する6連。この詩の内実的なクライマックスでした。
終連は、新たな一歩を示唆するかのような、月の出現でした。この雲に隠れながら現われてくる光は、いかにもこの詩が描く生き様にふさわしい出現の仕方だと思いました。

そして2連に続き、雲がディープに描かれている7連が興味深い。
夕焼けの赤は、おそらく雲においてはピンクに滲む。それは東に向かう雲だから、雲の後部側(西側)のピンクとなって、作者から見える。
これがもし西に向かう雲だったら、遠ざかる雲の先頭側がピンクになるので、作者からは見えない位置になる。この雲は東に向かう雲でなければならない。実に理に叶っています。

雲と対話するかのような作品でした。実に印象深い。名作を。


あさぎさん「お揃い」

モチーフはステキだったと思います。
女の子二人、幼い姉妹なんでしょうね。同じものを2つ買い与えないと、喧嘩する年頃です。
アイテムはクレヨン。描くのは「水」。舞台は揃っています。そこをどう描くかですよね。あさぎさんの力量が問われるとこです。

 お揃いのクレヨン
 描いたのは
 水

 海色の水
 雨色の水

 あの子は海を
 この子は雨を

 使った色もお揃いだけど
 お揃いじゃなかったんだよ
 二人の気持ち

こうかなあ? 2人の対照を見せるためにも、この作品に連わけは必要ですよ。
それと原文最後の「気分/と/気持ち」は、わかりにくいですね。
大事なことは作者の視点。何を言いたかったのかが、終連で問われます。
3つ目の「お揃い」の語のあとに、お揃いじゃないものに気づいた。そこまではいいんですが、どんでん返しで終わり、 じゃ、ないですよね?
違うものを見つけて、そこに作者の、どのようなまなざしが注がれたかが、大事なんです。
そして、それがあるかないかは、表現上の「角度」になって表れてきます。原文と、私の修正案を比べて、「角度」のアリ・ナシに気づいて下さい。

「観察」、「気づき」、までは、あさぎさんらしい、いい感性を見せてくれるんだけど、その先の「深く思う・考える」がもうちょっと欲しい。
終連がいつも甘いのは、そのへんだと思う。最後のとこは、フィーリングだけで終わっちゃダメなんです。「深く思う・考える」を、もうちょっとしましょう。
そこんとこの一考を条件に、秀作を。


耀子さん「詩って」

序盤の叙景はもうちょっと勉強要ですね。
HPの新作メンバーには、序盤の叙景を美しくスムースに書く人がたくさんいますから、
参考にいつも読んでおくといいですよ。
ちょっと耀子さんのリズムをきちんと掴みかねていますが、
この方が幾分良かないですか? この方が3連にスルッと行くと思います。

 立秋を過ぎたばかりの
 夕空は
 まだまだ青く
 うっすらとした白い雲と
 ひっそりとした白い月が浮かんでいたが

 時間と共に少しずつ
 空の青は沈んでゆき
 月が光を増してきた

今後の話ですが、もしかして、いつも同じ時間に夕暮れを楽しまれているのでしたら、
具体的に、この季節では何時でどれくらいの空って感じで、同時刻での季節変化を描いていかれる方法も(今後書いていかれる複数の詩に跨いでの話です)、おもしろいかも、ですよ。

4連の「手作りの梅酒」、いいですねえ。この場に似合いますし、これは終連にも出てきて、この詩のムードの一翼を担っています。

9連の「一樽」ですが、「一樽(いっそん)」とルビを振っておきましょう。読まれ方として、ここは(いっそん)でないといけない場面なので。

今回のクライマックスは、『赤壁懐古』に想いを馳せましたか。知らない人にもなじみやすく噛み砕いで入れてくれていて、こうした話の挿入の仕方は上手ですね。その時代と長江の景色が浮かんできて、7~9連、なかなか良かったですが、もう少しだけ踏み込みたかったですね。もうちょい踏み込んだ方が深みが増したかと思います。
また、このあとの第10連、終連と、エンディングへの持っていきかたも上手でした。
こうしてみると後半が格調高かっただけに、問題は5連ということになりましたね。結果的には5連の「 」部分の話し言葉の方がちょっと浮くことになりました。(気持ちはわかりますが)もう少しコンパクトに、3行くらいに圧縮してみてはいかがでしょうか。

詩作のこと自体をテーマに書くのは、楽屋オチ的になるので、実は私はあまり好きじゃないんですよ。でもこれは、デッキチェアの夕暮れ、梅酒、『赤壁懐古』と、多彩に楽しめる中で書いてくれましたので、楽屋オチで終わらずに、一般読者にも読める作品になったと思います。秀作を。

以上、相手が耀子さんなので、ちょっと細かいとこまで、要求させてもらいました。


 

気がついたら

 投稿者:こたきひろしメール  投稿日:2018年 9月 9日(日)01時26分49秒
  気がついたら
彼はヒトの赤ちゃんになっていた
もし
何も気づけなかったら深海のサカナだったかも
わからない

彼はその時目を覚ました
オムツが汚れてしまったから
彼は火がついたように泣き出した
それは鳴き出したと表現してしかるべきかもしれない

女は台所で夕飯の支度をしていた
男は居間で一日の疲れを癒しながらビールを飲んでいた

いきなり火がついたように泣き出した赤ちゃんに
男はうるさいを顔に出したかそのまま動かなかった

女は瓦斯の火をとめて彼のそばに駆け寄ってきた
うんちの匂いでオムツを彼の下半身から外し排泄物と一緒に丸めた

彼は
その日のその時等身大の箱のなかに入れられて
斎場内の火炎の中で焼かれた

遅かれ早かれ
ヒトに産まれたら
行き着く先は一緒だからね
 

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