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402号室で夏の終わりにあった

 投稿者:伊月あかね  投稿日:2018年 9月 9日(日)23時25分8秒
編集済
  私は生きていた。

ずっと昔に溺れたことがある
それ以来、溺れたまま地に足をつけることなく淀むそこを蹴っていた
内臓に水が押し込んできたのは6月に初蝉を耳にしたころだった

生きていたいと抗う力など誰がくれたのか。

冷めた身体と内臓にたっぷりと水が流れ込んできた
水面を泳ぐ太陽を手繰り寄せる
無意味、無駄、無慈悲、全てが多弁だと私は我を叱った

今日は暑い、

夏の残酷さを語るにふさわしい一言から始まる
そんな詩を書いた
筆を手に取り、へし折って、投げ捨てた

私に心があったなら愛する者の詩を書いただろう
社会性も秩序もエグいようにくり抜いてやった詩が鴉の瞳を黒く光らせている。

駅前の雑多に雨で濡れたレインコートが足跡で汚れていく
残酷な太陽が牙を剥く
交差点では止まぬサイレン サイレンさらにサイレン
連日のニュースではナイフが主役の赤い事件

海は美しかった。

深い青と黒が混ざった海には存在し得ない不条理
息を止め続けた私には夜が怖かった
朝が来る。そんな希望があまりにも生々しく
私は明日も生きていくんだと
呼吸をはじめる

もう、蝉は姿を消していて
私は402号室で夏の終わりにあった。
 

評、8/28~8/30、ご投稿分、残り。

 投稿者:島 秀生メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)23時16分51秒
編集済
  ごめんなさい。遅くなりました。


夏生さん「言葉も時間も消えて」

夏生さんはベテランなのに、なんでまたこんな書き方をしたんでしょう? 一瞬、ニセモノの夏生さんが現れたのかと疑いましたが、IPアドレスが同じなので、ご本人のようです。まずもって、表記の仕方が却下なので、先に言っておきます。
MY DEARでは、投稿の際は、正式な原稿の書き方(そのまま印刷媒体になっても大丈夫な書き方)で記載して頂くことを推奨しています。夏生さんの評の時ではありませんが、この掲示板上においては、過去何回も申し上げていることなので、ベテランの夏生さんが、え、なんで今更?と、ちょっとビックリです。
夏生さんのこの書き方のままで印刷に回すと、印刷においても1行おきに印刷にされることになりますよ。400字詰め原稿用紙、20行書けるところ、1行おきに10行しか書いてない時の間延び感や、読みにくさ、わかりますか? 夏生さんがここに書いてる表記って、そういうことですよ。
パソコン上やWEB上でしか成り立たないような書き方をしちゃダメです。ちゃんと印刷媒体になることを前提にした、正式な原稿の書き方で、ここに書いて下さい。以後、二度とないように。もうすぐ独り立ちしようかという、ベテランさんのやるこっちゃないです。

作品ですが、初連で言葉の消失が、現実社会からの離脱方向を示しているので、2連で「忙しなさを羨む」と、また逆戻りしてしまう。少なくとも「羨む」は違うと思う。
本当は「命の営みを」と言いたいけれど、4行目に「命」が出ているので、2行目は「命」は略して、「鳥の忙しなさに/営みを」くらいにしてはいかがでしょう?
3連目、「芝」は、とかくゴルフ場をイメージされてしまいがちなので、違う場合はちょっとそれなりのロケーションの説明を伴って使う必要がありそうです。そういう意味では、「野の草」くらいの方が使いやすいかも。また1行目の「頂き」に反するものとして「平原」のイメージを持ってきてもいいかもです。
終連、全体的には抽象系で描こうとされてる感じなので、抒情的な「ゆったり」という言葉は、この詩に合わないと思う。言葉が消え、肉体が消え、時間も消える。そういう流れで、最後は時間が消えることだけを言えばいいと思います。
なんとなくわかってきた。夏生さん的には不得手なタイプの詩になりそうだったので、苦しまぎれの1行飛ばしだったかもしれない。でも、それで解決することでもないので、もうちょっと練らなきゃいけない詩ですね。まずは思いつくだけいっぱい書いてから、縮めていった方がいいです。イメージを充分羽ばたかせる前に書いているので、後半失速ぎみです。秀作あと一歩を。


草香さん「嵌まる」

草香さんは、もうだいぶ書かれているので、評にしましょう。
黒の楽茶碗、いいですね。一つは所有して、両てのひらで、転がしたい感じです。一人でニヤッと。古くなくていいから、「いい仕事」してる一品を持ちたいものです。まあ、買わないでいることが、一番安上がりなんですけどね。でも欲しいと決めていたものなら、良いんではないでしょうか。オークション、延長まで行ったのなら、きっとそんなに悪いものではないはずです。
そもそもフツウの一般家庭では、そんなに置くとこありませんし、気の利いたものをちょびっと持つ、そんな感じでいいんではないでしょうか。
私はオークションは、必要なものが新品がなくて中古品しかなくて、やむなく参加したら競り合う相手もなくて、いきなり落札してしまった、というのが2回あったきり(どんなんやねん!)なので、この詩は、競り合う感じの臨場感を味あわせてもらって、とても楽しかったです。エンディングの「午前零時」は、時間が過ぎ去るのも忘れて熱中していた、という意の終連なのでしょう。
オークションに嵌まる人というのは、その競り合う感じに魅了されて、無駄にいろいろ買っちゃう人をいうので、最初から欲しいと決めていたものを買うのであれば、きっと「嵌まってる」うちには入らないと思いますよ。うん、だいじょうぶ、です。
この詩は、小品ではありますが、臨場感が書けていたという点で、まず一歩OKなんじゃないでしょうか。連わけも、よく心得ておられる方です。秀作あと一歩半からスタートとしましょう。


鈴鳴すずしろさん「青を望む」

この期間、お当番の島です。初めての方ですので、感想のみになります。
「ワールドは緻密に描く」これに尽きます。

まず初連、「赤銅」「西へと沈んでいく」がありますから、場として夕暮れイメージです。
してみると、2行目の「雲と太陽が境界を失う」がわかりません。映像を描けません。「海と太陽の境界」であれば、意味がわかるのですが、ちょっとここ謎です。

第2連、1~2行目では、後ろの道は見えていること。対して、3行目以降は前に進む道が見えなくて探していることが、対比でわかるといいですね。もう少し、両者がくっきりなった方がいいです。
でもこの蜥蜴の描写は、印象的で良いです。ここの「動」は映えてます。

3連の、時計塔、街の建物、天文台、船。廃墟として描かれる、それらの並列が良いですね。イマジネーションが湧きます。
終連、2行目の「砂嵐を吐く」は、無線機のザー音なのでしょう。だとすれば3行目「メーデー」は、4行目「私の願い」が放つ電信音のはず。このままではわからないので、「私」側の発信であることを明確にした方がいいです。

以上ですね。「砂上の漂流者」おもしろいです。シリーズ連作にしてもいいくらい。


小林大鬼さん「天空の湯」

2連3行目、眼下に「山並みと町並み」ということで書いておられるけど、両者は角度、同じなんでしょうか? 角度が違うなら、角度が違うように書いた方が、それもまた立体的になっていいですよ。ここ「下」と「上」ということで二分しようとしてるけど、別に三分だってかまわないわけです。
2連終行の「思い思いに闇夜と話す」は、味わいのある、いい詩行ですね。
終連2行目、挙げ足を取る気はないんですが、「思い出を浮かべる」は、そこを過ぎ去ってから振り返るものですが、これは前後が、まさに筑波山にいる最中の心情なので、この場にはちょっとふさわしくないかな、と思います。その時、リアルタイムのもので埋めてみて下さい。
ストーリー性があって、直感ではない感慨を共有できる作品になってきました。読者にとっても、この方が断然楽しい。この調子でまた書いて下さい。秀作あと一歩を。

 

釘(くぎ)

 投稿者:葉月 祐メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)22時10分49秒
  気付かぬ内に
飲み込んでいた

何かが 喉に刺さっている


何度か軽く咳をする
お願いだ
取れろ
早く取れてくれ
それでも拭えぬ異物感に
苛立ちは増して
さっきより強めに咳き込むと
それは一気にこみ上げた

――チャリンッ

刺さっていた何かを
ようやく吐き出した

  足下に落ちたのは
  釘に変化した
  言葉だった
  数えると
  全部で五本

  うっすらと 赤かった


釘を じっと
見つめていると
か細い声が聴こえてくる

「元々形ある物では無いから…」

ゆっくりと透けながら
釘が 言葉に戻ってゆく
赤みは抜け落ち
輪郭も失って

  まばたきひとつすると
  釘はすっかり
  消えていた

喉を引っ掻いたような 痛みを残して


そう
気付かぬ内に
わたしは飲み込んでいた
心を痛めつけた誰かの言葉に
刺し返してやりたいと思う事で
鋭く尖っていった 自分の言葉を


五回分の我慢に耐えていた
喉元に 手をあてがう

明日こそは
釘になる言葉が
一本でも少なくなるように

そう 祈って


**********
三浦さん、お久しぶりです。
アドバイスをいただけたらと思い、また、
皆さんの作品にウズウズして、投稿させてもらいました。
どうぞ、よろしくお願いします!
(葉月)
 

 投稿者:メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)20時51分46秒
  年を重ねて
他人に従い
時間に縛られ
自我を忘れ
感覚が鈍くなっていく

大人になり切れなかった大人は
夢という現実をみている
 

火葬

 投稿者:鈴鳴すずしろ  投稿日:2018年 9月 9日(日)20時21分56秒
編集済
  街を歩いていると
けたたましい音を立てて
数台の消防車が走り抜けて行った

何かと思いマスクを外すと
うっすらと熱を帯びた風が
酒に焼けた鼻と喉をチクりと刺した

逃げるように踵を返し
来た道を早足で戻る
今日で三軒目の居酒屋を探して

あの炎が私を呑み込んだなら
私の灰は何を語るだろうか
橙の灯りに照らされた
ハイボールの氷に
知りもしない東京の大火を見る

下らない妄想を
アルコールに混ぜ込んで
喉の奥の焼却炉に流し入れた

私は錆び付いた火葬場のように
今日も苦い煙を吐き出し続けている
 

正しさは寂しい

 投稿者:メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)19時59分33秒
  正しさとは情報処理の先。

大人の容姿をしてても

注文通りの料理が来ないと
怒り
予定時間が多少過ぎると
怒り
自分の言った通りにならないと
怒り

怖い顔して私が正しいよねと周囲に共感を求める

同意はするが、なんか違う
同意はするが、なんか寂しい
同意はするが、外は雨






 

島 秀生様

 投稿者:耀子メール  投稿日:2018年 9月 9日(日)18時36分36秒
  今晩は
『まだ行ったことない世界』 に名作を、『詩って』に秀作をいただけて,本当に嬉しいです。有難うございました。普段は熱心な仏教徒ではありませんが、やはりお盆になると、気持ちもそのようになって行きます。
夫の事、友人の事、思い出すと悲しい気持になります。成田山には、初詣に新婚時代から行っていました。それが、体調を崩して行けなくなっても、成田山にお参りする事が希望でした。やっとの思いで参拝し、鰻を食べたのです。成田は鰻で有名です。
『詩って』の5連の会話体は、ご指摘のように、あまり良くなかったと思います。そこでその部分はすべて削除し、
   デッキの椅子に深く腰を下ろし
   月と鈴虫の世界に静かに浸った私は
   手作りの梅酒にほろ酔いながら
   急に詩について語り合いたくなった
   しかし 詩について語り合う友はなかなかいない
として見ました。すっきりしたように思います。私は蘇東坡が好きです。
私の世界は狭く、何だかお気に入りのデッキの上だけのような感じですが、これからも宜しくお願い致します。

 

島秀生 様

 投稿者:あさぎメール  投稿日:2018年 9月 9日(日)16時24分50秒
  評をありがとうございます。”深く思う・考える”を実行するにはそれこそ作品と自身との間に角度が必要なのかなと思いました。
ちょいとやってみます。
これからもよろしくお願いします。
 

雨が降る前に

 投稿者:ゆき  投稿日:2018年 9月 9日(日)10時48分54秒
編集済
  いつもよりお喋りな君は
長い髪を風になびかせて
僕の少し前を歩いていた

風の中に雨の匂いを感じながら
二人の思い出を修復している

言葉はまるで
蜘蛛の糸のように絡みついて

ゆっくりと
心を締め付けていく

耳元で優しく囁かれると
愛されていると思い込んで

しっくりしない事も
気づかない振りをしてしまう

君の心が知りたくて

今にも崩れそうな空の下
雨が降り始めるまでの短い間に

振り向いてくれるのを
素知らぬ顔で待っている
 

島 秀生 様

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2018年 9月 9日(日)07時38分9秒
  この度も投稿作を読んで頂きまして、ありがとうございます。

雲を見る事が多く、評価を頂けるまでに書けましたのも評者皆さまからのアドバイス、感想頂けたからこそであります。表現が粗削りでストレートになりがち(普段話す時もなりがちで汗気をつけねばとは思っているのですが)ですが、人よりも時間がかかるタイプでして、これからも表現の推敲を考えていきたいと思います。自分としては二連目が印象に残り、同じような雲を見る度に思い出すのでステキとの言葉は嬉しいです。終連の月にも伝えたい感じ伝わって良かったです。名作まで頂きありがとうございます。
 

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