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ご機嫌斜め ー大人になった僕ー

 投稿者:ケイメール  投稿日:2019年 1月15日(火)18時34分49秒
  ご機嫌斜めというのは
一体どれくらいななめなんだろう?
昔のぼくは子どもなりに答えを出した
では今の僕はどんな答えを出すだろう?

ご機嫌はわかる
斜めもわかる
ではご機嫌斜めとは?

斜めになっているもの
遊園地のジェットコースターに
アラブのキャピタルゲート
そして助手席に座る息子も
頬杖ついてうたた寝している
だけど
ご機嫌斜めは
あまり良い気分じゃ無い時に使うので
これらは当てはまらない

ご機嫌なもの
ジャッキーチェンのファンである職場のおばさんに
近所の居酒屋で飲み会をする上司と僕たち
特に酒豪の上司は
ビールを片手に豪快に笑っている
そんな中
同僚の女がその上司に気に入られて
面白く無いなんて思いながら
前のめりになって
猫背でビールをチビチビと飲む

これが
ご機嫌斜めなのだろう、か?
なんだか違う気もする
ご機嫌と斜めという文字列が
頭の中でアルコールと一緒に
目間苦しく巡回する

真向かいに座る無口な上司が
僕と同じ姿勢を取り
赤ら顔で僕を見つめる
舌打ち溜息の後
相変わらず赤ら顔のまま
空のコップを突きつけ首を傾げた

あっ
まさしくこれが
ご機嫌斜めなんだろうな

横のテーブルでは
こちらの様子を瞬時に察した酒豪の上司が
上機嫌でビールを追加していた
 

暮れる感情

 投稿者:伊月あかね  投稿日:2019年 1月15日(火)14時00分8秒
  瑠璃の海から弾かれた
オペラモーヴ色のサンゴの折れた破片
稲妻形の先っぽに触れると
わたしの痛覚が
なんとなく働いた

なめらかな波に泡が舞う
裸足だから砂の感覚が全身を駆け巡って
くすぐったい

地平線を指先で撫でている
うまくいかないやって笑うきみと
浅く暮れ始めた夕日の一太刀に
目を細めるわたしと
ふたりの境界線は
裸足であるか
スニーカーを隔ててあるかの違いだけ

ネイルが汚れるからって
最初は拒んでいたけど
結局きみは新しいスニーカーがお気に入りだからってね

瑠璃色が滲む海
藍色が霞む空
靴紐がほどけているよって
真顔で指差してみたら
空/海を感じて
混じることのないブルーは
今の
わたしと
きみと
そんな感じがした
 

「それ」

 投稿者:切り子  投稿日:2019年 1月15日(火)07時57分45秒
編集済
  その日も
風は吹きすさび
ざわめく水面
翻弄され 川藻のよう

物心ついたころから
聳えて 立ちはだかる
「それ」に括られていた

抗うことばを持たず
敗北を繰りかえすばかり
立ち位置すら見えない
はがゆい自分を
捨てることも
拾うこともできず
いつも苦悩していた

暦の内側で
「それ」の意味も
拘りのわけも
手繰り寄せた記憶に
振り向かない時計を縦糸
ゆるり吹く風を横糸に
織りこんで
掬いとる澱

澄んでいくらしい
この手のひらの
赤い水


※島 様 4連の一部修正させて頂きました。10時34分


 

ポリシーアンドプライドオブランドセルポプラの誓いsns元年

 投稿者:三澤新太郎  投稿日:2019年 1月15日(火)07時21分28秒
  瓦礫の下敷きになりながらツィートしています。痛い痛いとさっきから泣いていた妹が何も言わなくなりました
きっと死んだのでしょう・・・こうしたツイッターが東京日比谷のど真ん中から発信されていたりする。気仙沼の崖の上の集会場に逃げ込んだ人たち、たまたまの巡り合わせでここへ集まったボランティアの青年たちが集会場の奥にゼネレーターと携行缶入りのガソリンを見つけパソコンとWiFi機器を充電できた。その瞬間暗雲漂う太平洋上にモーゼが道を開いたかのように騎馬戦車の軍団が次々に崖を登ってきた。雲を割って一筋の光が集会場に照らされた。命を救うツールでもあり、命を軽々しく扱うこともできるSNS、コンビニのキャッシュディスペンサーをぶっ壊して金を強奪してでも生きようとする命、運送トラックから食料を奪ってでも家族の命を救おうとする。集会場の入り口で発砲スチロールの箱の中に砂を転がして静かな潮騒を聴く女の子。その箱を蹴り上げた年寄り「やめれ!やめれ!」「そんなことしたってお腹は膨らまん、海への憎しみだけが膨らむ」
 

たてじわ

 投稿者:青い女メール  投稿日:2019年 1月15日(火)05時36分41秒
  あなたの
その眉間のしわは
なんなの
いつも自由に生きて
陽気で
わたしを笑わせてばかり
憂鬱や苦悩とは
無縁のようなあなたに
刻まれたしわは
なんなの

わたしの指で
その深いしわを
やさしく
のばしてあげようか

いつでも
のばしてあげられるように
ずっとそばで
みつめていてあげようか
 

詩ってやつは

 投稿者:青い女メール  投稿日:2019年 1月15日(火)05時30分11秒
  詩ってやつは
ロマンチックだけど
独り善がりで
かっこつけてて
ナルシストで
ポエムだなんて呼ばれて
若者がこっそりノートに書いて
隠したりする
気恥ずかしいやつだと
思ってました
ときおり出くわすと
はっとさせられますけど
わたしとは
縁のないやつだと
思ってました

これまで
17音の世界で
正岡さんや小林さん
金子さんや津川さんと
仲良く遊んでおりました

このまえ
わたしの
はじめての
苦しみを
和らげてくれたのは
まさかまさかの
詩ってやつでした

これからは
詩ってやつと
仲良くやって
いけそうです
 

讃美歌で送られた叔父

 投稿者:耀子メール  投稿日:2019年 1月15日(火)04時37分11秒
  キリスト教徒だった
叔父の告別式は
半生を捧げた会社の
新たに建てられた
大きなホールだった

肩書のあるまま人生を閉じた叔父は
社葬で送られたのだろう
沢山の花に囲まれ
沢山の参列者に見守られ
叔父の遺影は笑っていた

神父の説教があり
讃美歌を全員で歌った
皆が良く知っている讃美歌だ
子供のころ通っていた
日曜学校を思い出し
胸がキューンとなり
涙が出た
讃美歌はなぜ
こんなに心に響くのか

夫の郷里の葬儀では
ご詠歌が朗詠される
私も何度か葬儀に参列し
ご詠歌朗詠の場に臨んだが
意味を捉えて朗詠してはいない
それでも 参列者全員で
その節の流れに沿っての朗詠は
不思議に心を安らかにする

葬儀の形態も様々になった現代
どんな送られ方をするにしても
生きている今この時が
安らかであることを祈っている私は
本当の意味では
いずれの宗教にも属していない

 

骨壺から溢れるほどに

 投稿者:耀子メール  投稿日:2019年 1月15日(火)04時22分10秒
  九十二歳で亡くなった叔父のお骨は
大きな骨壺から溢れるほど
沢山であった

幾つも大きなお骨があった
入れ歯が一本も無かった顎の骨は
しっかりとその形を留めていた
係りの人が 遺族に説明しながら
骨壺の中の一番上に静かに入れた
まるで生前の姿を確認するように

叔父の生前を偲びながら
先ほどまであった肉体が
幾つかの白い塊と白い灰となって
今 目の前にある
という感慨が胸を過ぎった

棺の中に入れられたまま
いかほどの強烈な火力で焼かれたのか
まだ熱いそのお骨

これまで幾たびも経験した
仏式の葬儀では
二人一組で一つのお骨を挟み
骨壺に入れたが
この度は
参列者一人一人が骨壺に入れた
これがキリスト教式なのかと
私も一人で入れた

叔父の九十二年の生涯を振り返るとき
戦争に向き合った十代
日本の敗戦など思いもしなかったかも知れない
いや たとえ疑問に思う戦争であっても
それを口に出すことは無かったに違いない
そして敗戦
日本の復興の時代を迎えた二十代

市川の練兵場跡の入植地で
隣人だったのが
その後 時代の波に乗って成功者となった
製パン業の創設者
その縁でその片腕となって六十六年
今ここに
肩書のある人生を閉じた

色々な人生があるが
その時代の男性としては
苦労を背負いながらも
遣り甲斐のある半生だったと思う

仏教徒だった叔父が
数年前にキリスト教に改宗していた
と聞いて驚いた
しかし
仏教にしても キリスト教にしても
来世への祈りが
現世での安らぎとなるのだろう

叔父はその安らぎの中に
静かに天に召されていった



 

何も無い

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2019年 1月15日(火)00時40分1秒
  何も浮かんでこない
ひっそりと小さな夕焼けの世界に
地平線へと引き込まれそう

この時の中で
私は大空を見上げても
何も考えない
どんどん歩いてゆく
細かく言えば
長く見つめてはいけない
私にはやらねばならぬ事が多いからだ

私を今必要としている人が
家で待っているのだ

受け身の私ではない
あれもこれも捕まえて離さずに
私を作っていくのだ
私が作った私とあなたに作られている私

さぁて両方を大事にして
上手く出来るといいんだけどな

だから今の私には
何も無い
何も浮かんでこないよ

それでも隙間に入ろうとしてくる
一体何が目的なのさ
 

かまきり

 投稿者:草香メール  投稿日:2019年 1月14日(月)13時14分22秒
編集済
  土瓶の蓋に
細い褐色
目をこらす と
かまきり
眠っているのか
脚を折りたたんだまま
じっと動かない

夕暮れに
畑から採った野菜に
紛れ込んだのか

師走も半ば
小さないのちは
生き延びるつもりか
覚悟しているのか
果てるのを

叢からの
素泊まりのお客さま
昨夜は固いベッドで
ごゆっくり眠れましたか

手にのせ
植え込みに置く
一対の羽があっても
もう 飛ぶこともできない
さようならも言わず
みどりの中へ
まっすぐに
消えた
 

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