<思いやりのあるコミュニティ宣言>
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染みの在処

 投稿者:妻咲邦香  投稿日:2021年 5月 5日(水)16時51分21秒
  一人旅を覚えたあの日
握り締めた切符の温もり
まだ掌に残っている
初めての出会い
在る筈だった身体の一部のように
再会を喜び、同じ血を通わせた

何処へ行くのも一緒だった
何を見ても、何を食べても
スタンプの赤いインクが親指を汚して
思わず拭った
まるで子供のように

生まれたばかりの心は風を知らない
何処かで誰かが見ている同じ景色
雲の形が教えてくれた
世界はもっと遠いと思っていた
美しいものは最初から汚れていた

鍵のかかった部屋の何処か
あの日の夢が今も眠っている
もう通わなくなった血が寝息を立てて
終わった夢を見ている
淡い恋が教えてくれた旅の方法
親指が消えない染みの在処を探し始める
いつか乾いた血の跡を子供のように拭き取って
地球はもっと赤いと信じていた

その日、切符を財布にしまった私は
ホームへの階段を駆け上がっていった
急ぎ足で
たくさんの人とすれ違いながら
 

鯉のぼり

 投稿者:小林大鬼  投稿日:2021年 5月 5日(水)16時41分59秒
  公津の杜の公園は
どこまでもどこまでも
鯉のぼりの群れで旗めく

初めての芝生で
一歳過ぎの甥っ子が
草と家族で戯れる

はいはいしては
大泣きしたり笑ったり

今日も明日も子供の日
 

斎藤純二様

 投稿者:小林大鬼  投稿日:2021年 5月 4日(火)23時59分2秒
  「結城」にいろいろと感想をありがとうございます。評価は保留とありますが、読み取ってくれただけでも感謝しています。

この作品はこの4月に忘れられた詩人多田不二の故郷の結城を旅したことがきっかけです。

多田不二の子孫である人に長電話ながら、様々な貴重なエピソードや結城図書館でも個別で多田不二の事を紹介してもらいました。

多田不二がなぜ知られていないか~それは大正期から活躍した室生犀星や萩原朔太郎と無二の親友で感情派に関わりながら、青春時代を詩に捧げた後、違う道を歩んだ経緯にありました。

たまたま実家にかなり以前買った詩集をつくばに移った時に思い出して読み直した後に興味を持ったのがきっかけでした。

作品の数は少ないものの、詩の黎明期を繋ぐ詩人~それが自分にとっての多田不二です。
 

月の舞い

 投稿者:ふつつかなきねづか  投稿日:2021年 5月 4日(火)23時55分49秒
編集済
  甘い花の香りを
夜風が運ぶ

おおきな明るい月の上で
雲が舞う
羽化したばかりの
蝶のように
薄くやわらかな羽を
おそるおそる動かして

水の匂いがする
小粒の雨が
家々の屋根を
静かに
叩きはじめる

月の光に
まもられて
少し濃くなった雲が
少し力強く踊りはじめる

もっと
もっとおおきく動いてごらん
もっと自由に流れてごらん
月がささやきかける

雨足が強くなる
ひんやりとした空気が
辺りに満ちる

舞い上がり
舞い降りて
流れては消え
消えては現れ
今や雲は
悠々たる舞い手だ

隠れることの
多くなった
月は
雲のヴェールに
まもられて
ゆっくりと
まぶたを閉じる
 

陽光

 投稿者:埼玉のさっちゃんメール  投稿日:2021年 5月 4日(火)20時18分54秒
  優しい木漏れ日を
背中に浴びながら
新緑薫る
川沿いの道を散歩してみる

木々の掠れる音
葉が大きく揺れ
心地よい風が頬を撫で
新緑の匂いが鼻先をくすぐる

川のせせらぎが
日頃の忙しいさを忘れさせ
癒してくれる

そうして
のんびりと過ごしている間に
川面に
夕陽の路が引かれ
美しさを演出してくれる

何時間でも
見ていられる風景に
うっとりしていると

いつの間にか
空には
星や月が輝き
「もう、お家にお帰り」
と優しく言っているように感じる

優しい気持ちに浸りながら
帰宅しよう
 

青島江里さまへ評のお礼

 投稿者:ふつつかなきねづか  投稿日:2021年 5月 4日(火)18時49分37秒
  とても深い心で、詩をお読みくださってどうもありがとうございます。ことばによって、こんなにも正確に、心の響きが読む人に伝わることもあるのか……と、驚きました。私は演奏家ですが、ことばには音楽と同じように、いや、もしかするとそれ以上に、人から人へ、大切なものを送る力があることを知りました。感謝致します。  

詩の評、お礼です。

 投稿者:じじいじじいメール  投稿日:2021年 5月 4日(火)12時39分17秒
  斎藤様

こんにちは。
詩の評、お礼です。
コドモオトナは、確かに標語っぽくなってしまいました。反省点です。もう一作、詩の基本勉強で、
大人向け詩を書いてみました。佳作ありがとうございます。

これからも宜しくお願い致します。
 

キミへの想い

 投稿者:のか  投稿日:2021年 5月 4日(火)12時20分37秒
  暗い部屋の中
君との接点を思い出す

ある花を抱えて
水をあげた記憶をも
思い出す

君との接点は
こんなもんだっけ

僕の未来は
こうだったけ

いつか忘れてしまう
君との思い出を
かき集めてポッケにしまう

そんなこと
したくなくて

早く
捨てたいのに

君の目を見るたび思う

僕の穢れさ

君の汚なさ

どちらの方が重いのか

色を変えた君の姿は
あまりに美しく

見ていたくないほどに
艶めく

君の隣には
誰がいるのかな

僕はそれを責めていいのか
それとも自分を責めるべきなのか

この部屋から動けない足を
ずーっと笑っていられるのか

馬鹿だな

こんなことで萎れる僕は
あの曲を鼻で嘲笑することもできなくなった

あんな僕を
こんな僕を

あんな曲に
こんな曲に

慰められたくは
ないけどな

だけど

もう暴れる気力も
ないな

天井を見つめるたび思う

僕の美しさ

君の可愛さ

どちらの方が価値があるのか

そんなの君に決まってるだろう?

あんな僕に
こんな僕に

あんな目で
こんな目で

見つめないでくれ

僕の穢れさが
君の汚なさが

一緒になったら

どうなるんだろうな



僕は今

暗い部屋にいるから

明かりは持ってこないで




僕は今

たぶん泣いているから

どうか……抱き締めて






わめき泣いているから

……離さないで
 

ヒカリ

 投稿者:矢を持つ者。メール  投稿日:2021年 5月 4日(火)11時21分42秒
  君には見えるだろう
散りばめられた満天の星の瞬きが。

君には見えるだろう
木の葉の隙間から溢れる木漏れ日の煌めきが。

君には見えるだろう
水面で乱反射する陽光の眩しさが。

君には見えるだろう。
僕の瞳に映る君と言う光の結晶が。
 

彼女

 投稿者:あさぎメール  投稿日:2021年 5月 4日(火)11時19分8秒
  彼女の顔は陶器みたい

彼女は窓越しに外を見るの
左手で頬杖をついて
外が朝の青空でも
オレンジの夕空でも
きっと似合う

外を見ているはずなのに
どこでもないどこかを見ているみたい

彼女の顔からは何も読み取れない
機嫌がよいのか悪いのかわからない
けれど
それは感情の欠落とは違うと思うの

陶器の淵が欠けているのとは違うの
だって
一見欠けたように見えるところは
ギザギザしていない
滑らかな曲線を描いている
その曲線が優しくも強くも感じられる

それが彼女にとって自然なことなの
ありのままの彼女なの
だから
外がどんな空でも
きっと似合う
 

/1993