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春の光に

 投稿者:耀子メール  投稿日:2019年 2月13日(水)05時19分1秒
  春めいた光が
窓ガラスの汚れを
浮き立たせている
春を迎える私の心を
少しだけ曇らせる

春めいた光が
窓ガラスを素通りして
家具の上の埃を
あからさまにしている
ああこんなに
埃に囲まれているのか

春めいたという
初々しい光に満ちた季節の中だから
見える汚れがある
それを見つけた
私の心は揺れる

本当は
いま気が付いた訳ではなのに
初めて知ったように
私の心は振舞っている

去年の秋に植えた
150個のチューリップの球根は
プランターや庭の土の中で

春めいて来た空気を感じ取っている

顔を出して
春の空気を吸いたいんだ
直接吸いたいんだ
球根の声が聞こえる
でも もう少しの我慢だよ
土から顔を出す日は

150個の球根はその数だけの
育ち方をしている
それぞれ違うけれど
それぞれの場所で
花の咲く日を待てばいい

私が
外から差し込む光に
ガラスの汚れを見つけた瞬間だって
差し込んだ光が
家具の上の埃をあからさまにするのを
見つけた瞬間(とき)だって

チューリップの球根は
ただ
土の中で幸せだっただろう
いつ顔を出して
春の光に
挨拶しようか
できるのか
その日はそこまで来ているんだね と

 

君はまだ死んでいない

 投稿者:たゆたえども  投稿日:2019年 2月12日(火)22時13分41秒
  君はこの世界から消えてしまった
二度と会うことも 話すことも
笑顔を見ることもできないな...
君は死んでしまった 死んでしまったよ

なんで なんで
青春すらも掴み損ねて
まだスタートラインにすら立てていないのに
明日の命を奪われるなんて疑いもせずに

それが君の寿命だよと言われ
その指差す先を見ようと 君が振り返った瞬間
ろうそくが消えたみたいに
あの日 君はいなくなった

心を整理しようと 少しだけその扉を開いてみる
なぜだろう 君がいた時以上に君を感じる
やっぱり僕は まだ
君を死なせることはできない
君を死なせやしないよ
君は確かに僕の側にいて
僕を未来へ導いてくれる
君が私にくれた世界を その景色を私が生きよう

扉の向こうには君がくれた絵がいくつも飾られていた
君が僕にくれたもの
それを僕はいろんな角度から眺めて
ああでもない こうでもない
たくさんの感想を書き留めて
それをいつか君に贈ろう

君が僕の感想を読んだ時こそ
君は初めて死んだことになるんだよ
 

なぞる

 投稿者:あさぎメール  投稿日:2019年 2月12日(火)21時34分49秒
  指であなたの輪郭をなぞる
ねえ、
あなたは、
この輪郭通りの人なのかしら
これは本物なのかしら
それとも
中は空気しかないすかすかなのかしら
それとも
溢れ出てしまうものを必死に抑え込んでいるのかしら

どっちでもいいのよ
空気しかなくても
抑え込んでいても
ただ、
偽りがあるなら
私がぶち壊してあげる
でも、
どうするかはあなたの自由
私はあなたの母でも神でもないもの

私はあなたが気になってしまう
ただの、
人間

あなたをなぞりたいの
あとはほんと、
どうでもいいのよ
 

溝鼠 ~ manhole children ~

 投稿者:中也  投稿日:2019年 2月12日(火)20時26分55秒
編集済
  社会がいつの間にか変わった
誰も助けてくれないから
理由もわからないまま
いつしか親からも捨てられた

死にたくないから
少しばかりの悪さをし
仲間を束ね
縄張りを張って生きている

俺たちは社会の邪魔者
マンホールの中で
寒さをしのいで生きている

たまに死んだ方が楽だと
思うときがあるけど
だけど俺たち
生まれて10年ぐらいしか
生きてねえんだ

マンホールの中に
仲間が4000ぐらい
いるんだ

俺たちは社会の邪魔者
俺たちは社会の屑
嫌われ者

だけど
俺たち
生きなきゃいけない
俺たちだって未来がある

いつか
このマンホールから
抜け出して
外の世界で成功して見せる

いつかきっと
世間をあっと驚かすんだ
溝鼠のような俺たちが

あれから20年
世間の嫌われ者が
社会に貢献する活動家になった

ーーーーーーーーーーーーーー
ソ連が崩壊しロシアになった
ロシアからの経済援助はない
モンゴルの首都ウランバートル
急激な都市化
両親から捨てられた子ども
マンホールの下で暖をしのいで生きている
20年経った今、この子どもたちの中から、大学に進学し、社会貢献する活動を行う人が現れた
 

 投稿者:夏生  投稿日:2019年 2月12日(火)17時26分15秒
  雷は苦手
いつこちらに落ちてくるか
わからないから

目の前が大きく点滅したかと思えば
轟音が地面に響き渡り、音の鉄拳を
降り下ろしてくる
私は震えあがって家路へ急いだ

「あっ、お空がおなかこわしてる!」
可愛らしい言葉に振り返ると
カエル模様のカッパを着た子が黄色い傘を
くるくる回しながら笑っていた

空が点滅すると、あっ、あっ、と声をあげる
おかあさんは胸に赤ちゃんを抱きながら
穏やかに微笑んでいた

轟音響く、空は点滅を繰り返す
大粒の雨が降ってきた

「お空がおなかこわしてる!」
「痛くて泣いてるのかな?」
可愛らしい心配の声は
私を追い越して行った

早く晴れるといいね



 

斎藤純二さん

 投稿者:たゆたえども  投稿日:2019年 2月12日(火)16時26分55秒
  初めまして。たゆたえどもです。これからどうぞよろしくお願い致します。
「王の背中」に評をありがとうございました。おっしゃる通り「王は」が必要ありませんでした。直しておきます。
この作品は「一度 夢を見た」というフレーズを使いたいと思ったのがきっかけです。響きがとても好きです。
テーマとして、どうしようも無かったという虚無感のようなものを表現したいと思っていたので、評を拝見して、それが少しはできたのかなと思いました。
丁寧に読んでくださってありがとうございます。
 

どうでもよくなってしまった人へ

 投稿者:矢島  投稿日:2019年 2月12日(火)13時40分43秒
  できることが
増えていったから
自分の意思で
産まれたんだ
自分の意思で
生きていくんだ
死んでゆくのだ
と、勘違いしていました

探し続けて
怯え 焦り
見つからなかった
生きる意味なんて
必要なかった
生きてるから生きてる
それだけのはずなのに

だれか
死んでゆきます
いつか…
忘れられません
恋でもしてるみたいに
滑稽ですけど

…朽ちる
私の結果は
見れなくなる
無駄じゃないのに
無駄になる
ぐるぐるして
吐きそうになりました

  もうなにも
  する気がおきない
  なんて

死ぬことから
逃げ疲れては
生きることにも
向き合えない
ような
どうでもよくなってしまった人へ

  この詩(うた)は
  そんな人へ


 

当たり前

 投稿者:糸葉優メール  投稿日:2019年 2月12日(火)11時28分13秒
  おはようっていうと
おはようを返してくれる
おかえりっていうと
ただいまって返してくれる

当たり前です
家族なんだから

君に笑ってほしい
でも君にひどいことをいう

当たり前です
君を感じたいから

君が寝息を立てる
僕はそれを聞く
君が怖いという
僕は君の背中をさする

当たり前です
君が好きだから

僕は君を好きです
君は僕を好きですか

この好きを伝えるのって
難しい

当たり前です
本気ですから
 

詩を書いています

 投稿者:切り子  投稿日:2019年 2月12日(火)09時57分19秒
編集済
  「なんだと
 もう一度言ってみろ!」
立ちあがったその人は
とっさに後ろを向いた母の髪を掴み
盆の窪を幾度も拳で突いた
束ねた髪のU字ピンが
パラパラと土間に散り
襟元は見る間に血で染まった
押し黙った母は拭いもせず
夜になっても
汚れた着物のままだった

原因がなんであったか
その後どうなったか
子どもには知る由もない
絶え間ない喧騒に泡立つ日々は
幾重にも重なって襞に刻まれ
大人になっても
夢の中まで追いかけてきた

まなじりを吊り上げ
支配することに終始する
その人に
ひれ伏すばかり
田畑を転げまわって働いて
五人の子供を育て
打っ倒れた母をも
許すことができなかった

しがみつく記憶を
跡形もなく捨てたいと
願い続けていた
はず・・・

未だ奥深く潜んでいるなんて
理不尽で
不可解な
わたしの「生きる」

今日も こびりついた澱を
一枚ずつ剥ぎとるように
詩を書いています
 

斉藤純二 様

 投稿者:草香メール  投稿日:2019年 2月12日(火)08時03分54秒
  おはようございます。2/7 投稿の拙作<骨の説教>の評をありがとうごがいました。
斉藤様に初めて佳作をいただき、大変嬉しく思います。骨には勝てないことがわかりました。
労わりながら、詩作に励みます。次回もよろしくお願い致します。
 

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