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一歩

 投稿者:レノン  投稿日:2019年 5月17日(金)20時05分6秒
  髪を切りました
別れてからずっと
そのままだった髪

短い髪が似合うねと
サラサラと指で触れ
優しく笑ってくれた人

嬉しくて
毎月きちんと切り揃えた髪
そんな小さな変化にも
いつも気づいてくれた人

一人になって
もうどれくらい経ったでしょう
断ち切れない想いの分だけ
私の髪は伸びました
パサパサになった毛先は
枯れ果てた涙のタンクみたいです

シャキン シャキン
長かったね もう十分だよ
鋏の声が優しくて
枯れたのとは違う涙が
零れそうになりました

ハラリ ハラリ
床に散らばっていくのは
いつまでも消えなかった
長い指の感触と
幾度も巻き戻しては
一人抱きしめた思い出たち

新しい私には
サラサラの髪だけが残りました

やっぱり短い方が似合うね
そう言ってくれたのは
鏡の中で笑う私
もう
あなたじゃなくていいのです

本当の 本当に さようなら
大好きだった人
私は髪を
切りました
 

手首

 投稿者:ひらさか  投稿日:2019年 5月17日(金)19時32分11秒
  洗面器の排水溝に渦を作る赤へ
やってしまったなと
感情の入っていない後悔が降り注ぐ

刃物は置かないようにしていたのに
癇癪で叩き割ったプラスチックは
なかなか鋭利なもので
元のボールペンが何色だったかは
もう覚えていない

包帯は目立つから絆創膏
ガーゼ部分に赤が滲む

薬の効いてきた朧気な意識が
刃物の代わりに赤ペンで線を引くという
誤魔化し方もあった気がすると
記憶をまさぐるも意味を掴む前に霧散した

ああそうだ
試してみたけど
自分には意味がなかったんだ
血が見たいんじゃない
痛みが欲しい

自分が今生きている事を実感したくて
爆発しそうな不安をぶつける先がなくて
自分を留めておくための方法だと思い込んで
叫び散らして暴れるのを抑えるために
半狂乱で突き刺し引っ掻きえぐった
結果の代償は傷と痣と垂れる赤

痛いし痕が残るし何より惨めになる
普通になりたかった
こんなことしなくても生きていられるようになりたかった
今を生きるだけで死にそうで
でも死ねない癖に
ああ だから だから

鎌首をもたげた自己嫌悪と
音にならない悲鳴と痛みを
こぼれ落ちないよう抱き締めながら
毛布にくるまり意識を奈落へ突き落とす

朝が明日が未来が、怖い
 

涙との関係

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2019年 5月17日(金)08時56分29秒
編集済
  人前で泣いたりする
それは恥ずかしい事ですか

泣いてもいいよ
脳内で
命令されたら
もう止められるわけがない

泣きたい時の
涙に
何の悪気もない
中から外へと流されたいだけ

大事な水分を
こうして自ら使うなんて
凄い事じゃないかしら
ヒトの不思議な力が隠されているようで

本当はそんなに弱い生き物でもない
だからって強くもないけれど
泣いて泣いたら
また明日も頑張っていける

人知れず
泣いたっていいし
時には我が身を
震わせて泣いてもいいんだ

泣くものかと強がらずに
生きる為に少しでも涙を使いましょう

伝えたい
伝わらなくても構わないから
私が思う事と
相手は違う事を思っていても

私の生きたいように伝えてみよう
そこに涙が伴ってもいい

だって涙は私の味方ですから
私の世界を
何度滲ませただろう
大切な事に気付いた時も一緒だった
 

存在

 投稿者:草香メール  投稿日:2019年 5月16日(木)23時02分19秒
編集済
  飢えて
十センチの身を
落ち葉の深くから
うねらせ這い出てきた
拙者はムカデ

やっと見つけた 肉
近づけば 敵
すぐに 打ちのめされる
根っからのしぶとさで
のた打ち回っても
身が切れても
抗う

痛めつけられ
幾重にも包まれ
袋に投げ込まれる
が 翻る
こんなことで
死ぬものか

古代から
生き延びてきた我ら
この世で風を切るニンゲンを
脅かせねばならぬ

 

Night 2

 投稿者:もくメール  投稿日:2019年 5月16日(木)18時23分44秒
  朝から夜のちょっとまで
いつまで待っても楽しくない
だから サイクリングに行かせて
着替える服を気にしている
そんな場合じゃないから
この日常よ急ぎ出して
靴音のように焦り出して

一生分の夜を費やしてヘトヘト
きっと大切な誰にだって
会えないのは前提としているから
身動きのとれる間だけでも
あの風力発電所まで行かせてほしいよ

テクテク退屈の極致まで
何回死ねても歩きたくない
神輿 プログラミングされても
親友のレンタル始まっても
遊ばされたいわけないから
この砂漠で寝ていようよ
ハムスターなって踏まれたって

億人年ヘッドホンしてウキウキ
それが課せられた使命だって
気がつくのは必然の結果だから
睡眠のとれる時はよっぽど
君の音色を正直にできなかった時
本当に会えるんだと期待しちゃう時
 

夜の外出

 投稿者:k2  投稿日:2019年 5月16日(木)00時16分28秒
  20時台の電車
くたびれ漂うまばらな活気
多分僕だけ
これから買い物

ショッピングモール
フードコートの高校生
ノーネクタイに皺のシャツ

彼らに見えている景色
今の僕に見えている景色

帰りは歩いた
このあんぱんまん
人づてに渡そう

いつ買ったの?って聞かれたら
あ~昔買った、って
妹が言える様に
 

旅行

 投稿者:エストリン  投稿日:2019年 5月15日(水)10時43分24秒
  旅行?
ごめんね…一人旅
東京…行ってしまったわ
LINEを送って…
安心させてたつもり
令和のGWの一人旅
あなたは風邪をひいて…ダウン
そりゃ…GW不満よねぇ
京都ぉ?
初夏に浴衣で歩きたいって…
私は趣味で浴衣持ってるし…
あなた…あらあら、着物や紹介したら
一式お買い上げ…
計画たてるの私じゃん
頼りになるって…任せられても…
スマホで…調べなさいよ…
なに…その態度
調べてるのに…あなた、ゆったりのんびり
ぼく…そんなの出来ない…わかんないからって
はい?
バスで行くけど
帰りのバス…乗り過ごしたらっての…
怖いこと…行く前から言うなぁ!
 

あなたにありがとう

 投稿者:エストリン  投稿日:2019年 5月15日(水)10時38分57秒
  ありがとうの言葉を風にのせて贈るよ
あなたにささやく
風よ
あなたに優しくささやいて
ありがとうございますと
いつもありがとう
言葉にしなくては伝わらないのに
感謝してるのに
私は言えない
哀しい
寂しくて
だけど
あなたがいてくれるから
大丈夫で
なのに
言えなくて
風よ
私の代わりにあなたにささやいて
いつもありがとうございますと

 

For me

 投稿者:あさぎメール  投稿日:2019年 5月14日(火)20時28分34秒
  どうしてかな、
私は私を抱き締める
指先があばら骨に触れる

鍵盤
みたい
昔習っていたピアノを
思い出す

自然と指があばらを叩いている

硬いなあ
でも何度も繰り返したら
ひび割れてしまいそう
こんなことなら
もっと牛乳を飲んでおけばよかった

友達が言っていたけど
あばらは
心臓と肺を守っているらしい
私はそういうのはいらなかったかな
その代わり
音が欲しかったかも

もし、音が出るなら
どんな曲がいいかな
有名なやつ
でも難しいのは
できないかな

どうしようかな
どうしてかな
頬がむず痒いよ

ああ、そうだ
涙、
流していたんだ


(だから)
(そうだな)
鎮魂歌が
いいな

鎮魂歌
私を鎮めて
慰めてくれる
羽毛布団のように
陽だまりのように
誰かの腕の中のように

悲しくて
寂しくて
どうしようもなくて
私は私を抱き締めたんだ
慰めて、欲しかったんだ
 

台風被害のこの家で

 投稿者:ロバ  投稿日:2019年 5月14日(火)02時49分12秒
  大きな改築をせざるを得なくなった
頭が揺れる
押し込めた記憶が動く

生きてきた思いを捨て
区切り断って
記憶だけ残された日々を
毎日絶ちながら
まだ
幼子の紅の絹帯上げが揺れた


新たな家になると
壁にドキドキする虫たちが這いずり回らないだろう
大きなアシダカグモを
蝿叩きで叩く集中力が弱るだろう

雨の夜 闇の長い廊下を
何ものかのかが シタシタと
死者たちだろうの
精霊の足音も聞こえないだろう


新しい家になると
寂しさのあまり
どこかへ
こっそり
生きる者が闇へ繋がる道
闇の扉を
闇への
ときめきの扉を考えている
 

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