投稿者
 メール
  題名
  内容 入力補助画像・ファイル<IMG>タグが利用可能です。(詳細)
    
 URL
[ ケータイで使う ] [ BBSティッカー ] [ 書込み通知 ] [ 検索 ]


三浦志郎様

 投稿者:蜜柑野八朔メール  投稿日:2019年 2月14日(木)21時10分51秒
  ご講評ありがとうございます。
三連から終わりにかけて。精進致します。
ありがとうございました。
 

三浦志郎さま

 投稿者:レノン  投稿日:2019年 2月14日(木)20時24分49秒
  三浦さま
「心変わり」に評をありがとうございます。直しなしの佳作も大変嬉しいのですが、好きな詩とのお言葉が最高に嬉しいです!城ヶ崎の吊り橋…書きながら、色々な吊り橋画像を参考にしているときに私も見つけました。イメージを膨らますのにお世話になった一つです(笑)
タイトルについてのアドバイスありがとうございます。
“心変わりした方とされた方の明暗”をされた方目線で書きたくてタイトルからスタートした詩でした。その不安定な心の揺れと崩壊を吊り橋に託しました。そのような場合も出来上がってからもう一度タイトルについて考えることも意識していきます。
またご指導をよろしくお願い致します。
 

ひび割れた苹果

 投稿者:伊月あかね  投稿日:2019年 2月14日(木)19時26分38秒
  種のように 硬い 青い気持ちだから
愛そうと実らせようとすることも億劫になる

苹果は心に似ているから
赤い音を鳴らして種を吐き出す
それは言葉であって
瞬間的に蒸発していくもの
涙を流せば それもまた蒸発していく
雲になって雨となり
わたしの肩を突き刺していく

腐る心に水をあげて
枝分かれした気持ちを一束にまとめて
光の速度できみに恋をしたとき
頭の先から雷を受けたみたいに
瞳の中が青く無数の一線が走った

重力に倣い林檎が落ちた時と
わたしの心が落ちた時と
その刹那にひび割れる苹果は
同じくしてこぼれる種を愛と呼ぶんだ
 

三浦志郎様へ

 投稿者:沢口リリキメール  投稿日:2019年 2月14日(木)18時44分8秒
編集済
  三浦さん、
この度も「初恋」「朝が来る前に」二作への感想をありがとうございます。
皆伝ながら投稿を続けてしまい恐縮です。

僕はこのサイズの物語を「ポケット・ストーリー」と軽薄な名前をつけました。まあ、簡易な読み物として位置づけていますが、なるべく詩の方へ寄せたい思いがあります。試行錯誤中なんですが。

よく小説の紹介に「詩情溢れる」なんて言葉を見つけます。しかし小説は何があっても小説であり、今回投稿した「初恋」などは、足立由紀子の私に対する心情、南梨花の一時帰国など物語を膨らませていくことは可能ですが、それは既に小説の領域であり、そこに詩は存在しません。悩ましい問題です。

三浦さんが詩ストーリーを確立した実績には足元にも及びませんが、僕も新たな詩の形成を志す者です。

また、詩は詩で。小説は小説で。不器用なのでどちらかを選択しなければならないといった、裁量に合わない、無用の悩みを抱えて日々足掻いております。

長くなりましたが、ご多忙中にもかかわらず丁寧な感想をありがとうございました。

 

groovin’

 投稿者:ともりん  投稿日:2019年 2月14日(木)18時21分34秒
  あなたのgrooveで
時は進む
私の知らない世界
誰かと踊る背中
立ち入り禁止だよ
呟いてる

どこまでもpeace望んでも
自分に嘘はつけないね
争いのない星なんてありゃしないのに

あなたと出会い
歪んだspace
きっと神様がくれた罪
でもいいの
私だってこのままじゃない
少しだけ復讐させてね
happyな結末が
舞い降りるように

私は誰と踊ろうか
まだまだ恋のbeginner
この手を取るのはどんな人
あなたを越えるのはどんな人

私のgroove
大切にしよう
ゆっくりと穏やかに
でも負けない日々を
自分の中に見つけて

まだ見ぬアナタと
踊り明かせる
そんな日にfocusして
 

春は誰にでも

 投稿者:ともりん  投稿日:2019年 2月14日(木)18時04分18秒
  この道
真っ白な道
でも春へと
きっと続く道

冬なんて大嫌い
あなたはそう言うけど
私は幸せ
何気ない会話が嬉しい
もっと嬉しいのは
愚痴を聞くこと
でも私は力になれなくて
そんな歯がゆさ
あなたは知ってる?

(2月だというのに何も渡せない臆病者)

私たちの間に春が咲くことはないでしょう

けれど、あなたといるだけで
冬はあたたかい

あなたといるだけで
あなたといるだけで

私はあたたかい

(あなたは違うだろうけど)

冬の澄んだ空気を
まとった青空に
密やかな恋に
心のときめきに
そっと感謝した

やがて春になる道と
置いてきぼりの私が交わる
この場所で―――
 

感想と評② 2/8~2/11 ご投稿分

 投稿者:三浦志郎メール  投稿日:2019年 2月14日(木)17時22分25秒
編集済
  青い女さん「化粧」 2/9 初

すでにこのかたは何度も書かれていて、モチーフは多方面にわたり、その切なさを含んだ詩の基調には注目したいです。さて、今作。やや当然ながら(?)僕は化粧をしたことがなく、その女性心理もよくわからないのですが、男の立場で言わせてもらうと、僕は化粧をしたほうが望ましいと思うものであります。従ってこの詩の趣旨とやや違いますが、なるべく添うようにしたいと思います。前置きが長くなりました。
言葉を選びそれらを句や行に仕立ててゆき、ある一定の詩的雰囲気を醸し出す力がすでに自然に備わっているような気がしました。ただ、この詩の場合で、やや辛辣になりますが、たとえば「私という人間が/見えない顔」「この顔は/本当の私ではない」を読んで、誰かが「じゃあ、なぜ化粧するの?しなくていいんじゃない?」と言ったとします。それに答えられるだけの何かを作者さんがお持ちでないと、この詩は弱いんではないか?という心配はあるのです。それともう一点。終連の「彼女」です。このような三人称代名詞は意外と具体的な者を代理するはずです。たとえば「私の友人の裕子さん」とまず提示して、それ以降「彼女は」とするのが最も主流で流れも理解されるものです。今回のように脈絡を持たず、終わり近くに独立的に出てくると、読み手は「いきなり誰?」ってことになるし、詩の説得力も薄められそうです。たとえば―

あの日
ふと入ったカフェテラス
窓際に
人待ち顔の女性
彼女は~~(あくまで参考例)

何でもいいんです。少しでもいいんです。要は「彼女」と来る前に少し紹介してやってください。
詩を詩らしく書く力はあると思っております。また書いてみてください。


なおきちさん「正解は?」 2/9 初

ここの評の場において、評者各位がよく「映像がほしい」「具体的な何かを」「何かエピソードがほしい」など書いておられます。全くその通りで、この詩にも言えることかと感じております。情報が少ない中で、タイトルのように「正解は?」と問われると答えに詰まってしまうわけです。周知のように事象には「原因→過程→結果」等ありますが、この詩は(疑問的な)結果のみが書かれているかのようです。上記のようないかめしいセオリーを書く必要はありませんが、「私」をしてこのように考えさせた、疑問を抱かしめた相手(あなた)について触れることが肝要かと思います。次回のために心に留め置かれればよいと思っております。


小林大鬼さん「日本万歳」 2/10

風景スケッチではない点、つまりある種の変化志向。…と、おそらく評者含め読み手も深く考える必要性がある点。以上の理由により佳作と判定致します。冒頭シーンが見られるのは正月の皇室一般参賀でしょうか?天皇一家はともかく、あの旗の群れを見ると僕も微妙・複雑な気持ちになります。たとえば選挙集会などでアメリカ人が星条旗を振っていたとします。その光景はむしろ清々しく意志を感じ「かっこいいなあ」とさえ思えるのです。
ところが日本では何故こうはいかないのか?この詩はその周辺から出発し、少し批判的に書かれています。もちろん日本人にも愛国心はあるでしょう。その現代的発現として、まあ、身近で言ってしまえば、オリンピックやワールドカップで自国を応援するアレでしょう。「生まれた国を愛する」というのは本来良いこと、当たり前のことで、もっと純粋、自然的、原始的、土俗的な意識だったと思います。ところが日本ではそれに付帯してくる政治的思惑+過去のトラウマ=挟雑物が多すぎる。おそらく大鬼さんもそのあたりを描きたかったのだろうと思っています。敢えて評文的なことを外したのは、この詩を契機として、ちょっと立ち止まって考えてみたいと思ったからです。遠回しに言えば、この詩が“立ち止まり考える”に充分値するものであることを語りたかったのです。評者が歴史に触れる際、その延長線上に、常にこの課題があることを思っています。


蜜柑野八朔さん「残り香を追うように書き留める唄」 2/10 初

ペンネームがとてもユニークですね。
恋愛詩としては際立って激しく、時に異端的であり極限的ですらあるような、そんな心情を感じました。異彩を放っていると言っていいでしょう。2、3連が主要部分になりますが、前者は全てを投げ打っての愛情でしょう。後者は…ここがちょっと難しい。深遠な哲学にでも接するような。ここで言う「悪」とは本来の意味とは違う地点で使っているような気がするのですが、それがよくわからないのが残念ではあります。ただ、倒錯的な傾き感を受け取ることはできそうです。3連の複雑さを抱きながら終連に向かうと、割と普通な着地感だったので、良かったと言うか、もうちょっと煙に巻いてくれてもよかった気もするんですが。ああ、でもタイトルを尊重すると、これでいいんですね。


レノンさん「心変わり」 2/10

これは結果論的には(別れを含む?)恋愛詩として読めそうです。その味付けが実におもしろい(=興味深い)のです。吊り橋を渡る、という隠喩、その意外性。「レノンさん、夢を見た?」のような幻想譚。それでいて情景がありありと浮かぶのです。どうしてだろう?おそらく文体が練り上げられた結果だと思います。デティ―ルがしっかりしている。実況中継的スリリングあり、それでいて切なくてロマンもある。もう、いろいろなファクタ―が過不足なく含まれております。丁寧に書かれて直しなし。これでキマリの佳作です。
好きな詩ですね。(タイトルはもそっと吊り橋寄り、風景寄り、ロマン寄りでもいいかも?)

アフタ―アワ―ズ。
吊り橋で思い出しました。ずっと昔に伊豆の城ケ崎という場所に行ったことがあって、海の風景が見事なところでしたが、長い吊り橋があってすごく怖かったです。ちょうどこの詩のようでした。


草香さん「ミノアカ」 2/10

やや異色で新境地という印象を持ちました。そして、この詩の描く情景も少し特殊なようです。まず舞台は日本かハワイかはやや不明。「病棟」とあるから、入院している主人公をお見舞いを兼ねて、昔の趣味の―フラダンスの―仲間たちが中庭かどこかで、フラダンスとハワイアンを披露する?いや「辛くても 悲しくても/忘れてならないミノアカ」とあるから、あるいは昔はプロでならしたのかもしれない。そんな感じ?掲示された2曲、見聞きしてみました。前者は「ハワイでは知られていない」とありましたので、日本オリジナル?冒頭、日本かハワイか不明にしたのは、この曲のコメントによります。後者は僕も聴いた事がありました。終連は―あれから二十年。歳をとれば、あるいはブランクもあれば腕も衰えるというもの。そんな中にあって、事の本質―ミノアカ―だけは姿を変えながらも、いまだこの身と共にある。それが二十年という歳月の意味でしょう。この詩に含まれた歳月やほろ苦さを僕はめでることができます。佳作です。

アフタ―アワーズ

映像を見ましたが、日本でも若い人からお年寄りまで、女性の趣味としてはすごくいいと思いました。踊りと音楽とファッションと。おそらく気持ちが癒されるでしょう。諍いとかなくなりますよ。たしかフラの雑誌として年4回か隔月で、かなりしっかりしたものが出ていたのも思い出しました。


鈴鳴すずしろさん「ジェンガ」 2/11

タイトル語が分からなかったので調べました。

“ブロックタワー順番に抜いてって積み上げてハイ!崩したあなたが負けよ!ゲーム”

―とでも申しましょうか(やたらフレーズが長いな)。話題は一転。ス―ツをビシッと着込んだ若手ビジネスマン。こういうキャラが此処のコ―ナ―で登場するのは意外と珍しいかもしれないです。ともあれ、いよいよ“お疲れさまタイム”です。この男の一挙手一投足を逐一テレビカメラが追っていくと、けっこうドラマの一場面になりそうでカッコイイ、スタイリッシュです。冒頭「張り付いた笑顔を剥がす」は実感を伴ってリアルにして象徴的です。ハイ、仕事表情・営業スマイルは誰しも持つものです。スイッチは今、ONからOFFへ。「髪の先が鼻に着いたので上がって良し」これもおもしろいです。自分なりの生活習慣的目安なのでしょう。最大の疑問は何故この本文とジェンガが結び付いたか?です。
終わり2行にそれを匂わすものが登場しますが、思うに「今まで(仕事中)はブロックを崩さずに来たけど、もう崩してもいいや」―そんなフィーリングだったでしょうか?
いずれにしても鈴鳴さんのこと、水面下でちゃんと繋がりをキープしているに違いありません。ところで書いてる今気づいたのですが、この詩には主格(わたし・あなた・かれ・かのじょ)が何ひとつないのです。ちょっと綱渡り感を感じましたが、この詩の持つシャ―プさは、このことに関係しているかもしれません。“詩というジェンガを崩さずゴール”の佳作です。


評のおわりに。

バレンタインデーのことは意地でも書かない!(笑)さて、二月もはや半ば。自分で買った「ブラックサンダ―」を食べながら評を書き終え、近づく春を想う。
では、また。

* ブラックサンダ―…コンビニ等で売っている非常に安価なチョコレ―ト。
  評者の大好物。最近、バリエーションが増えてGOOD。

 

感想と評① 2/8~2/11 ご投稿分

 投稿者:三浦志郎メール  投稿日:2019年 2月14日(木)17時18分58秒
編集済
  今回区間で初投稿のみなさま、きたかぜゆうさん、ノアさん、青い女さん、なおきちさん、
蜜柑野八朔さん、こんにちは。初回は感想のみで評価はそれ以降となります。よろしければ、また書いてみてください。


ケイさん「ショウガイ永久苦悩」 2/8

この詩は一字一句なぞるように読んでいっても、解釈の通らないところはひとつもないんです。ところが全体を俯瞰的に見てみると「難しい詩」という印象があるのです。順に見てゆくと、初連「出来損ないの失敗作」と自己を規定するのは余程のことです。続く2連。ここは一般論としてあり得ることです。解せないのは、3、4連です。しかもここが主要部。こうなった契機・原因をこの詩の範囲内で見出すとすれば「クレームの嵐と解雇通知」でしょう。「君の考えはとんでもない思い違い、心得違いだ!」―と世間の大人なら言うでしょう。それで片づけるのは簡単なことです。ところが、ここは詩作品の発表と批評の場です。評者は目くじらを立てるよりも、どうしてこの作品が生まれたか?そちらをまず考えます。(個人差があり、印象でものを言ってはいけませんが)たとえば、挨拶をしない、出来ない、苦手な高校生。あるいは最近ニュースなどで流れる(小売業や飲食業での)バイトの常識外の行動動画。社会のある層に傾向としてあるのではないか?もちろん、これには専門医が認定する病のケースもあるでしょうから、慎重に論じられねばなりませんが。そういう心理状態・風潮・背景をケイさんは仮想的に自己に、あるいはフィクション的個人に仮託して描き、伝えたかったのではないかと推察したいのです。殆どの部分で推察の域をでないので、こちらの評価は外して考えたいと思います。


埼玉のさっちゃん「パートナー」 2/8

誠に恐縮ですが、まず指摘です。2連目冒頭「今は山程あるやるべき事が沢山あり」。
これはダブル叙述。明らかにおかしいです。「今は山程やるべき事があり」で事足ります。
直しましょう。
さて…はい、今までにない深みが出ました。おそらくこの詩が隠喩によって主動されているからだと思います。これを糸口として、こういう手法を適宜採用されるとよいと思います。ここでのパートナーとは趣味や仕事やプロジェクトのことよりも、むしろ「人生のパートナー」に近いものを僕は感じました。たとえば結婚相手とか。傾向として女性が待つ場合が多いような気がするんですが、ここでは男のほうが待っている。ここがややおもしろいのです。穿った見方をすれば、あるいは男がプロポーズをして「返事を聞かせて欲しい」的な“待ち”なのかもしれない。男といえば、今回「僕」を主人公にして書いているのも目新しいと感じました。女性詩人が「僕」で書く場合は―違っていたら大変失礼ながら―けっこう照れがあるんではないか、と見てます。二人三脚、その気持ちのデティ―ルも丁寧に書かれていて好感です。“何かに何処かに向けての端緒としての”佳作であります。


沢口リリキさん「初恋~詩的散文への試み 其の一~」 2/8 皆伝者投稿につき感想。

ああ、僕も高二の頃は印象深く今でもたまにピックアップして思い出しますね。これはちょっとほろ苦い初恋物語。まずあらすじがしっかりしているし、それを飾る情景描写が美しく気品があり、散文詩であっても、これはリリキさんのもの。梨花さんの雰囲気、自己の心の在り方は特筆されます。当然ながら、ここには梨花さんはいません。その不在が逆に読み手に彼女のイメージを植え付ける余地があります。このサイズでの話のまとめ方も堂に入ったものです。ところで、僕はこの「足立由紀子」がいい味出してると思うんですよ。
「アメリカってあのアメリカ?」「あなたったら、おかしなことを言うのね」彼女はクスクスと笑い、…。

このあたり、どこかアメリカのクラスメイトのようなフィーリングがあって楽しい。健康的なフランクさがあって実にいいんです。逆に、この明るさは「私」の落胆ぶりをコントラストとして活かしているかもしれません。もし友人が「私」を励ますとするならば、こんな具合でしょうか?

「なあ、これはやむを得ない巡り合わせなんだ。君の力不足でも何でもないじゃないか。
さあ、気を取り直して。またいい子を見つけようぜ」

(ちょっと軽すぎか? 汗)


沢口リリキさん「朝が来る前に~詩的散文への試み 其の二~」 2/8

「其の一」とはうまく棲み分けがなされていて、人物も境遇もトーンも換えて秀逸です。
「一」は本人真剣でも大局からすると、甘いと言えば甘い世界なんですが、こちらはそうではない。生活が、人生が、命がかかっている。おのずと真剣な悲壮感も出てくるでしょう。そして、この悲壮感がズシリとした読み応えを詩に付加しています。仕事による昼夜逆転。身も心も疲れているんですね。それに追い打ちをかけるような彼女の状態。しかし、男はめげてない。なんとか事態を打開したい。現状を自嘲しながらも心情的にも実際的にも手を打っている。彼女を守る為には何でもする。彼は自覚的に言います「先ず俺が変わるのだ」そこにダンディズムを感じたりするわけです。この作品の骨太を思うわけです。
二作品趣向を換えていますが、ある共通点を見出します。どちらも一人の女性を想い書かれている点、どちらも間接的手法よって造形されている点。それにより主人公のナマな心情が押し出されています。普段とは違う物語性が明らかになったと感じています。



かすみ じゅんさん「雪玉模様」 2/8

かすみさん、やや久し振りでした。この詩の読みどころを考えた場合、3連「あっち? こっち?」から、8連「歪な流れ痕」までが、まず考えられるでしょう。3連は単純そのものの表現なのですが、案外これらが雪の多方向に乱れ飛ぶさまを活写していて、効果が高い気がするのです。以降、動きを克明にスケッチして、丁寧な詩行を得ています。次に続く「白い山~」で視点を変える、大きく取る。このタイミングがいいですね。フィナ―レにはふさわしい。ひとつおもしろい、というか奇妙に思ったのは、本文は「玉雪」でタイトルは「雪玉」になっていることです。ちょっと調べると前者は「自然に降って来る雪でやや丸い形状のもの」みたいです。いっぽう、後者は手や器具で人為的に作った傾向が強いようです。例えば雪合戦の時とか、何か造形する時など。タイトルのほうは「水玉模様」に掛けたような気もします。
僕が住んでいるところは、さほど雪が降る地域ではないので、詳しくなく自信もありませんが、ちょっとチェックしてみても損はないと思います。それと冒頭の「プレハブ」ですが、何か事情でもあったのか、たとえば、仮設住宅とか?倉庫とか?この単語が以降の詩行に全く影響を及ぼしていないところをみると、ことさら、こうする必要はない気もします。それとも雪の粒が面白い動きをするのが、プレハブと関係があるのかどうか。いわゆる“ふつうの”家、あるいは特定しないでも構わないとも言えそうです。佳作半歩前で。


きたかぜゆうさん「すみよいふるさと」 2/8 初

これはもう、タイトルを読んだだけでも心懐かしくなってしまいますね。ここに現れる数々のアイテムも作者さんの考えたタイトルの抒情的磁場にあると思えば、全てが麗しく思えてくるほどです。そして、それらには全て状態を示す形容句が冠させています。
こやしは僕が幼い頃でも、あったかどうかきわどいところです。おもしろいのは「郵便ポスト」でした。普通は赤と決まっているので、書かでものことなんですが、敢えて「赤」と書く。しかも「郵便ポストの赤いのは」と倒置気味に書く。これがいいんですね。「赤い郵便ポスト」では決まり切っておもしろくもなんともないんです。さて、郵便ポストと帰宅(=自宅)の関係はどうなっているのだろう?などと詮索するのは、この詩においては不粋というものでしょう。タイトルを反芻するように思いつつ、最後の2行に想いを馳せれば、読み手各人におのずとイメージが立ち上ってくる事でしょう。この詩はそういう詩です。


三澤新太郎さん「心丈夫」 2/8

京都は全くの不案内なので、調べたり写真を見たりしながら、この詩を味わいました。
南座は東京で言う歌舞伎座に近いでしょうか。建物は大阪城か伏見城の天守閣の最上層部をイメージ致しました。挨拶がてらの散歩でしょうか。しかし、その挨拶する場所、相手が凄すぎです。畏れ入りました。親方の挨拶「心丈夫」いい言葉ですね。古風で芸を感じさせる趣があります。去年改装しても良き伝統は残されているようです。地図で見ると先斗町は近い。ここは夕暮れから夜にかけてが魅力のように感じます。評価は措いておきましょう。これからもマイペースで心丈夫にお書きください。


ノアさん「Eu odeio a mim」 2/9 初

これ、タイトルはポルトガル語で「私は私が嫌い」でいいんでしょうか。
評者は心理学者ではないので何とも言えないのですが、おそらくこの人は人一倍自意識が強いのだと感じます。「自分が嫌い」も自意識の裏返しのようなものでしょうが、この詩はそこから出発して、しだいに自己分析を多方面に広げていきます。自分のエゴを充分知悉していて、それを他者に感づいてほしくない。身構えてしまう。ひとつ言えることは、他者とは自分が期待しているほどには振り向いてくれないけれど、その代わり、自分が嫌っているほど、心配しているほどには嫌いには思っていないということもあるものですよ。
最初、性別を意識しないで読んでいたのですが、中ほどで女性と分かります。このあたりの事情が興味深いのと、最後のオチ的な「おやすみ」があるので、つぶやくように、サラサラしたタッチで書かれた雰囲気もありそうです。表記が散文的なので、今回、初めてということもあり、行分け・連分けしたバージョンもお勧めしましょう。詩的雰囲気が増すと思います。


つづく。

 

当たり前の裏側

 投稿者:レノン  投稿日:2019年 2月14日(木)08時12分10秒
編集済
  朝からの健康診断
改装済みの専用フロア
明るい照明 きれいなソファ
笑顔のスタッフが次々と世話を焼く

少し引っかかるので専門医の診察をと言われ
ひとり降りていったのは古い外来フロア
暗い廊下の長椅子で待たされる淀んだ時間

パサついた髪を纏めもせずに
つらそうに壁にもたれかかる女性
生気のない顔で視線すら動かない老人
その車椅子を押す家族が纏う疲労感
ストレッチャーで運ばれていくのは
ピクリともせず眠る青白い顔の若者と
苦悶の表情で横たわる中年男性
一緒に運ばれていく彼らの上着や鞄が
ほんの数時間前まで
いつも通りの生活をしていたことを物語る

暗い廊下に
病と老いと死の匂いが充満する
息苦しくてなって思わず目を伏せた
自分とは関係ないと思っていたことが
そう遠くないところにある
ぴったりと
背中合わせに存在しているのだと思い知らされる
寒くて震えが止まらないのは
この薄い検査着のせいだろうか

診察室に呼ばれ あちこち診られた後
医師の口が動くのを
スローモーションのように凝視する
「心配いりませんよ」
その言葉に ようやく時間が動き出す

明るいフロアに戻り
既に健診を終えて私を待つ夫を見つける
ここは あたたかい
縮こまった体がゆっくりとほぐれていく

あの検査は痛かったね
どこでご飯をたべようか
そんな話をしながら病院を後にする

自分の足で歩く道
すれ違う人の声 車の音
街路樹を揺らす風の匂い
見上げれば眩しい高い空
朝とは違って見える日常を
その“当たり前”の空気を
胸いっぱいに吸い込んだ
 

雪の西千葉

 投稿者:小林大鬼  投稿日:2019年 2月13日(水)22時45分11秒
編集済
  駅前の老舗の安宿に泊まり
遅くまで話で盛り上がり
翌朝窓には一面嘘のような雪化粧

小雪降りしきる中を
子供達がはしゃぎ回り
雪玉や雪だるまを素手で作り
親達に見せに来る

昼前には雪は止み
道まで積もらなかった

あの頃は何もなかった
四十数年ぶりに母校を見に来た仲間は
薬学部が既に移転してがっかりしていた

いつ頃来ただろうか
赤い幟旗続く駅前の稲荷しか覚えがない

久々に詣でた鳥居や稲荷から
ぽたぽたと水が滴り落ちる
 

/1446