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評、7/31~8/2、ご投稿分、その1。

 投稿者:島 秀生メール  投稿日:2018年 8月10日(金)23時59分5秒
編集済
  残り6作は、日曜になります。


耀子さん「一服の幸せ」

いいですねえー、人と人の、生活が見える詩です。
お隣さん、家庭菜園、がんばってるんですね。てか、デカッ! 100坪ってハンパないです。今年の夏は特に暑いので、作業は早朝に集中のはず。作業を終え、シャワーを浴びたあとの、ほっと一息の一服の、安堵感と清涼感が伝わってきます。野菜が高騰している昨今、なんてありがたいお隣さんなことでしょう。

第5連初行、主語不在のうちに、「早朝作業」が来ると、デフォルトの主語である「作者」の早朝作業かと、読み違えてしまう人が少なからず出そうです。そこでこれを回避するために、最初の5行の、並び方を変えましょう。

隣家の主
早朝作業の後の
お風呂上り
煙草タイムは
いつも玄関の外

この方がいいと思います。気になるのはそこだけです。
第4連の

私は 食べるよ 食べる
野菜を 食べる

の連呼もおもしろいですし、第5連終行の、

顔があって にやり

も、ユーモラスでいいですね。作者のお人柄や感情が伝わってくるようです。
文体が堅いのはいずれ自然に解消されてくるだろうと私は思っています。今はそこは考えなくて良いです。書きたいものを、このようにきちんと伝えて下されば、それで良い。
さきほどの第5連の立ち上がりだけご検討下さいね。それ条件に、やや甘・名作を。人と人の生活の触れ合いが感じられて、楽しい作品でした。


あさぎさん「テープ」

初連の「うさぎ柄」も、2連の「死を封じておいしそう」も、3連の「“邪魔だコイツ”」もおもしろかった。
読んでて、すごくくすぐってくれました。グッドでした。
問題は、終連でしょうね。この話をどう締めるかって、とこですが、こういう締め方はどうですか? 全文いきます。


傷口に貼ったうさぎ柄の絆創膏
痛いままだけど
ちょっぴり安心

お刺身のパック
側面に貼られたセロテープ
死を封じておいしそう

プレゼント包装紙
留めるテープ
募る焦燥感”邪魔だコイツ”

それぞれのテープには
それぞれの役目

でも貼り間違えたテープは
何になる?
それはなんだか私かな


ちょっと、あさぎさんの語調に合いませんが、言いたいのはこういうことです。
これをあさぎさんの言葉に変えてみて下さいね。
その検討を条件に、秀作を。


山下一歩さん「熱帯夜」

うーん、男の悩み、いつまで続くって感じで、この詩はちょっと踏み込んでくれてます。そこには過去の想い出にある女性も交錯しているやもしれません。ちょいと大人な詩になりましたね。でも決して厭らしさだけに陥らず、遠回しに語りながらも、その実は深く、なんだか人生を遠望しているところすらあるのです。いっぱいのあれやこれやがあるのに、スマートに描かれましたね。比喩するものも入念でした。いいと思う。難しい素材をこなしてくれましたね、名作を。
今回は趣きを異にする夜二題でしたね。


山下一歩さん「夜」

初連、オシャレですね。ステキです。そしてこのオシャレな設定に導かれて、5連までが進みます。
気になるのは2連ですね。せっかく夜のとばりを比喩した「カーテン」ですから、第2連で、本当のカーテン側に話が傾き過ぎるのは禁物です。もしかすると、発想がそもそも破れたカーテンから発想されているせいなのか、つい2連でカーテンが、実際のものに近づき過ぎるのですが、それはやめてあくまで比喩のものとして、もうちょっと突き放すようにしましょう。そういう視点で、ちょっと2連に手を入れてみました。初連から行きます。

飼い慣らされた夜が
慣れた手つきで
黒いカーテンを閉めている

使い古された(安物の)生地のせいで
カーテンの所々には穴が空き
そこから
チカッと星が瞬く

これくらいにして置いたほうがいいと思います。

5連では

真っ暗闇では
人が不安がるだろうと
無愛想な夜が
おつな演出をしているのだ

と月や星がある由縁を説くウイットがあり、中盤を引き締めてくれてますし、
終連では、夜はさらに展開して、眠りの夜へと深まります。
うん、いいですね。
内容的に、決してハートフルな作品ってわけではないので、やや弱いんですが、メルヘンチックで印象的な比喩が並んだ作品で、ステキでした。2連を一考して頂くことを条件に、名作を。


すみっこさん「夏の夜」

帰り道、どこかに水田があるのでしょうね。夜、まっくらで平らな土の一面があり、時々きらっと水が光ります。そこから、姿が見えない蛙の声が響いてきます。蛙は、総数では減っていますが、いるところにはかたまっているので、何匹もの輪唱が響いてくるのでしょう。
うちの近隣はもうすっかり水田がなくなってしまって、もう蛙の声が聞こえないのですが、帰路の電車の途中、県境の駅ですが、ドアが開くと蛙の声が一斉に聞こえてくる停車駅があります。懐かしくて、耳を澄ましてしまいます。
なにせ小学生の頃は通学路でフツウに蛙いましたからね。帰り道に同級生が蛙を素手で掴んでたりしてました。道草=蛙と遊んでる みたいな世界でした。懐かしい記憶が蘇ります。詩中、作者にとって、蛙の声が身近な生きものの声だと再認識させられる場面ですね。
もしかしたら作者はちょっと疲れてるかもしれません。疲れてる心には、とりわけ響いてくるかもしれません。蛙はありのままに命の声を聞かせてくれます。作者のみならず、蛙の声って、とても人の心を安らかにしてくれる気がします。

一所懸命書いてくれてますし、ハートもたっぷりですね。秀作を。

2点あります。
まず一番は、私が今、1行目で述べたような蛙がいるロケーションの叙景を、序盤に加えるべきということです。

あと第5連。前半にとてもキレイなフレーズがあるので、これを生かして、第5連はキレイに仕上げてしまいたいなあという気が私はしています

何処までも何処までも
歌となって
風に乗り
涼しげに私を送る
生きている 全てのいのちに
送り届けている

作者としては強調したい面があるので、これでは足りないかもしれませんが、詩全体を見た時に、ちょっとここでキレイなうっとりする連を、一つ作って欲しいなあというのが私の希望です。

以上2点をご検討頂いたら、この詩はもう一段ランクアップできる詩になると思います。特に終盤のハートフルなところはホントにステキなので、そこへ持って行くまでのアプローチを、もうちょい丁寧にやっていきましょう。


小林大鬼さん「昼の蝙蝠」

3行詩崩れの詩ではなく、いつもせめてこれくらいのものを出してきて下さい。
これでやっと、現代詩の評の土俵に乗るといった感じです。
うちはヘタなのはいくらヘタでもかまわないんですが、現代詩の体裁ないし構造を有してないものを投稿するのは、ご遠慮願いたいです。MY DEARは3行詩は受け付けておりません。守備範囲外になります。「3行詩の前に、重複の1行をつけて、4行に見せているもの」、「ホントは3行なのに、半分ずつきって6行に見せているもの」も不可です。小林さんにはもう一度申し上げておきます。
(私の評担当日ではありませんが、他の評者の担当日に、いまだにそうしたものを出しておられるのが、散見されます。おやめ下さいますよう。特に地域名が入った即興ものです。)


さて、この詩ですが、観察力はいいものがありますし、終連の思考も興味深いです。あと加えるべきは、起承転結を意識されることと、気持ちに寄り添うということでしょう。


「出口」

白い杖を頼りに車内に入って来た男は
見えているかのように隣りに座る

白い杖を小さく折り畳み
座席の後ろに押し込む

そして指輪をした手を膝に置き
地蔵のようにじっと耳を澄ましている

駅をいくつ過ぎただろう
何かに気付くと
白い杖を伸ばして急に立ち上がり

人々の間を風切るように扉から出ていった

私には到底見通すことができないもう一つの異世界
光と闇の渦巻く海を
記憶を頼りに 男は出口を探し当ててゆく


私ならこうするかな?
単に異世界ということでなく、その人は目が見える私でさえ見通せないものを、見事に見通すことができるのです。そこに敬意を込めたい。
ご参考まで。

でも、いいセン行ってました。この詩は同じ土俵で小林さんと話ができました。秀作あと半歩を。

 

ひこうき雲

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2018年 8月10日(金)19時13分17秒
編集済
  自分の可能性を信じていないわけじゃない
心の中でソワソワするざわつきに
気が付いて
自分も相手も大事にする方法を
探したいと初めて思った

どこか朧げに感じた
自分の伸び代がまだあるのかもと
見上げた夕焼けを囲む雲の中に
ひとすじのひこうき雲が上に向かって伸びていたから

そうだ
まだ自分にも
少なからず可能性があるならば
信じていきたい

あのひこうき雲は
風に吹かれてただの雲になった
けれど見えた瞬間
忘れないよ
僕の心と僅かに重なったのを

その時たしかに惹かれて揺れ動いたんだ

そう
今度は僕が
ひとすじの輝くひこうき雲になる
 

時の照度

 投稿者:三浦志郎メール  投稿日:2018年 8月10日(金)17時08分53秒
編集済
  名も告げずに

(空気をこんなにも
 洗い
 磨き
 美に仕立て)

誰だろう?
さり気なく去ったのは…


私は
世界の移ろいを探しにゆく
すでに生まれ
時に姿を変えて兆していた

たとえば
季節が時計仕掛けになって
日々動かす照度(ルクス)
昨日とは落差がある

それは空
雨からほどかれ
夜を逃れた早朝の―
静かな狙撃者のように
秋が呼吸し始める

行く方角に七色
今日一日が
祝福か
失墜か
虹占いの時刻

たとえば
朝の戸口を授けたもの
恩恵にあずかったもの
互いの邂逅に
どんな挨拶を込めたのか

時ならぬ人称の謎が
私を前に進ませる
目覚めてまもない風景を
網膜いっぱいに受け入れる

行く手にあるのは
形容しがたい明日ばかり


天気を動かしてゆくもの


 

三浦志郎様

 投稿者:夏生  投稿日:2018年 8月10日(金)14時05分41秒
  拙作「地下水」に佳作との評をくださり、ありがとうございます!

地下水の上部の水の呼称は考えておりませんでした。地下水のことばかり気がいってしまって
片手落ちだったと。まだまだです。

上部は水ではなく堅い地面、心の面という感じがぼんやりとイメージにはあって。
その部分も描けたらと。これからの創作の課題です。

細部までお読みくださり、ありがとうございます!
 

今年も夏が過ぎてゆく

 投稿者:かすみ じゅんメール  投稿日:2018年 8月10日(金)10時27分6秒
  夏 休み 夏 祭り
夏 燥ぎ 夏 騒ぎ

今年も夏が過ぎてゆく

降り注ぐ 眩しい日射し
噎せ返るような暑さ
揺らめく陽炎
熱い風

浮き出ては 肌を
伝い 流れ落ちる汗の玉 それでも
この目に映るものは 輝きを増して

景色を彩る
鮮やかに 夏を彩る

今年も夏が過ぎてゆく 少しずつ

止める事も出来ないまま
留まることも 出来ないままに
 

山手一回り

 投稿者:小林大鬼  投稿日:2018年 8月10日(金)01時24分17秒
  アメ横の帰りに上野から秋葉原に乗ったつもりが
大崎で終点また山手に乗り替えて
上野までまた戻り秋葉原に

何の事はない
秋葉原に気付かず
ぐるっと山の手一回り

緑の列車に雪崩れて涼む人々
隅田川の花火帰りの浴衣姿の恋人達
疲れた大人と眠る子等

様々な人の想いと夢乗せて
ぐるぐると夏の車窓と回っていた
 

伝言

 投稿者:山下 一歩  投稿日:2018年 8月 9日(木)15時13分7秒
  毎日忙しく届けられる
空からの伝言

水色のベールを抜けて
発信される特別な言葉たち

心を開放して
受容の気持ちで待っている

空の一部になれた時
それは
囁くように聴こえて来る

自然に同化した時
それは
呟きとして聴こえて来る

風の甘事
木々の憧れ
葉っぱの嘆き
雲の繰言
水色の美声
雨の愚痴

見上げれば
今も
至る所から送られて来る
コードレスの伝言

研ぎ澄ませた
心の耳で
それを掬い取ろう
 

太陽が笑っている

 投稿者:ゆき  投稿日:2018年 8月 9日(木)15時06分34秒
編集済
  炎でゆっくりと焼かれるような
昼間の熱さから逃げる事が出来ずに

脂汗が滲み不快な思いで
身体中の水分が抜け出て
干からびていく僕を

太陽が笑っている

いつから太陽がこんなに近くなったのか

地球が太陽に近づいたのか
その反対なのか


外の空気が少し冷たくなって
日付けが変わる頃には
現実と夢の間の

寝返りばかりのはっきりしない頭で

くらくらする真夏の
激しい光線の下で
今日は僕が太陽を笑ってやる番だと呟いている
 

夜光虫

 投稿者:三澤新太郎  投稿日:2018年 8月 9日(木)13時40分45秒
  猛暑がつづく…

皮膚に突き刺さる紫外線は
黒い悪魔の紋様を肌にじわじわ拡大させて
やがて死の世界へと誘う

紫外線が肉体の外側を
じりじり蝕むのなら
視線は精神をじわじわ蝕み
じっくりとなぶり殺しにする

故郷を捨てた
故郷に捨てられた

病を発症し故郷では働けなくなり
生家を売却して
父と母の位牌だけを手に
静かな海を南下した
音もたてずに太陽が水平線に沈み
潮騒も聞こえてこない洋上で
心に突き刺さったままの
鋭く痛い視線を
抜くことができずにいた

故郷で仲間に裏切られ
同僚たちから厳しい非難にさらされ
実家を売った負け犬と蔑まれ
町からは除け者にされた
全方向から向けられた
それらひとつひとつの視線が
千枚通しのように心臓に突き刺さったままだ

抜いたらドバーっと噴き出るだろう
死にたいのなら思い切って抜けばいい!
見ているのは無音の海だけだよ…
すぐに血潮を飲み込み浄化してくれるだろう

夜光虫がキラキラ後ろへ遠ざかるよ
波の泡から生まれて そして死んで
海の藻屑になってまた生まれてくる
姿そのものは目に見えぬ生命の灯火だよ

怒りも悔しさも
憤りも悲しみも
絶望も なんかみんな
もういいかな? 生きてるし
どうせ二度と帰らぬ
二度と帰れぬ故郷

刺さったままの千枚通しは
そのままにしておけよ
次の苦難に出会ったときのための
心の楔だよ

星が海に降り注ぎ
船はいつの間にか
天の川を南下していた




 

会社帰り

 投稿者:@すみっこ  投稿日:2018年 8月 8日(水)18時00分38秒
編集済
  いつも壁に囲まれて
視線は斜め下へ
常に電話とパソコンに囲まれ
なんて窮屈な所にいつもいるのだろう

会社帰りのまっすぐな道
ずっと先にいる
信号待ちの人が豆粒のように見える

遠くを見るとは
縛られているものから
解放されていく事なのだろうか
そこで生まれた自由は
ぶつかる事なく何処までも進んでいく

悠々と歩いてゆく
これが本当の私なんだな
 

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