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感想と評② 11/2~11/5 ご投稿分

 投稿者:三浦志郎メール  投稿日:2018年11月10日(土)07時04分10秒
編集済
  紅玉リンゴさん「死のある風景」 11/3

こちらも初めてのかたで、よろしくお願いします。初めてなので感想を書きます。
結論から言うと、これだけだと何のことかわかりません。その分、自由な想像も許されるのですが、それによれば―。
「道の終わりにある全ての未知」とは、すなわち死のことでしょう。タイトルと符合します。「書く」「書生の人生」とあるから、これは作家の姿勢のように感じ取れます。ところで「書生」という言葉のことです。これは特殊事例を除き、殆ど死語化しております。本来の意味は明治~大正期の学生のことで、青雲の志を立て上京し、郷里の有名先輩(政治家・実業家など)の家などに寄宿しつつ奉公的なことをしながら勉学する若者のことで、修辞的に広義な場合もあります。例えば、幕末の松下村塾の塾生たちのような気分をさして言う作家もおります。また現代において「それは多分に書生論だな」と言う場合には「現実から遊離した青臭い論」のように揶揄にも使われます。この言葉を見る人が見ると、この作品は、そういう時代を描いたものと解釈します。しかも広義・修辞的に使われているものと判断できます。すなわち「書生≒作家」のような。また書いてみてください。


草香さん「千成役者」 11/4

タイトル、おもしろいですよね。「千成」って隼人瓜とすごく関係深い気がします。殆ど知らないので、まあ、調べたわけです。非常に生命力・繁殖力があり、しかも見ててひょうきんというか、ユーモアを感じる成りものです。このあたり見事にタイトルにつながる気がするのです。そんな事情を象徴するように、セリフ部分が「従順、けなげ、可愛い」―そんなキ―ワ―ドが浮かんできそうです。管理人=草香さんは奥ゆかしく最後に登場。そのセリフにびっくりする。このあたりの空気感はなかなか雰囲気を感じました。「鋏」とあるから収穫でしょう。寒さには弱いのかな?もともと薩摩に伝わったものですから、西日本や南国が得意地域でしょうか。佳作半歩前で。


葉月 祐さん「それぞれの欠片」 11/4 (皆伝者につき感想のみ)

前作と比べ、背景なしの思考一発勝負です。考えのありようが問われるところ!
まず冒頭に着目します。「完全に重ならなくてもいい」次にそれを補完するような「それぞれの」という感覚。言葉は主観、ましてや詩はそれプラス抽象性がある。100%伝わるのは稀と言っていい。従って「ひと欠片」。これらが表すことは言葉を迎え入れる際の寛容、余地、ゆとりのことでしょう。これがこの詩の基本合意のように思われます。その上での、それぞれの言葉の迎え方です。こういう詩を書く時、人は「わたしは、こうして、こうして、こうして、伝えたい」と書きがちなんですが、この詩はそうではない。もちろん受け入れ方の相互性も述べられるのですが、自分はどのように言葉を受け入れ感動するか、そちらに重きを置いている。僕はよくインプット~アウトプットの話をしますが、インプットの蓄積がなければ、アウトプットなんてできやしない。ここに見るのは謙虚な向学心です。これによって、葉月さんは言葉と自分を高めてゆくかのようです。この詩は大事に保管され、思い迷った時に読み返すといいですよ。家庭の常備薬のようなものですよ。文体について触れておきます。単語、句、行、連、どれをとっても全く無駄がありません。隙がありません。全き配置です。僕が理想と考えるフォーメーションであります。受賞以来、段階が次のステージを迎えたように感じています。もとより芸事に困難、不調、スランプはつきものですが、万が一あったとしても、それを乗り越えてゆくだろうことを思っています。


綾音さん「大好きな貴方へ」11/5

初めてのかたで、よろしくお願いします。今回は評価なしの感想です。おそらくお若いかただと思います。身も蓋もないことを言ってしまうと、何事もそうであるように、恋にも技術があるとするならば、この主人公はそういうものを身につける前の“素の自分”であるようです。世間はそういう状態を純情無垢と呼ぶでしょう。好きという感情だけが前のめりにあり、それをどう表現、伝えたらいいか、付き合えばいいか、が分かっていない、その素朴さもいいんです。でも、この人は、この詩を合図に一歩踏み出すかもしれない。ただし、男は本来的に違った感情も持っていますから、この辺りご用心を(笑)。文体に触れると、終連は微妙に違う方向に行った気がしてます。これから、どんな風に接していくのか、そこを相手は聞きたいと思いますよ。詩の技法としては初期的なものですが、書く習慣によって上がっていきます。その意味で、また書いてみてください。


苺の木さん「待ち合わせ」 11/5

初めてのかたです。よろしくお願いします。今回は評価なしの感想のみを。
なかなか端正な叙景力を感じました。地形まで浮かんで来そうな、地番までわかりそうな。初見ながら、これがひとつの個性ではないかと推察するに充分なものがありそうです。2点だけありまして、まず「もう秋が/間近に来ている」―これを一般的に考えると「しかし実際にはまだ来ていない」という語感が強いのですが、後段では、すでに紅葉が始まり落ち葉もある。そういう地域があるのかもしれませんが、少し違和感は感じるのです。気にする人は気にするかもしれない。もうひとつは、これは僕の趣味に属するので、聞き流してもらいたいのですが、タイトルに「待ち合わせ」とあるから、ここをもう少しクローズアップしたい。「口約束」はやや負に響くので…、

「約束をした時間
 友人を待つ」

みたいな(まあ、フィーリングで)。そして最後…、

「私はそれを暫し見つめ
 ベンチを離れる

 友人は笑顔でやって来たのだ」

あくまで参考です。また書いてみてください。


りょうさん「悪夢を見る重さ」 11/5

こちらは前作ほどショッキングでなくよかったです。大雑把なベクトルで言うと…

(A)正・良←|→邪・悪(B)

これは、あくまで僕の推測ですが、この詩の基本姿勢として“Aを想定して、ある程度土台を作っておく、次に一挙にBに逆発想する”ようなところがあって、その過程で想を練り言葉を選び達した作品だと感じます。「撃ち抜かれ~」「大きな怪物~下品な笑い声」など具体的描写で有効な肉付けもされています。もう一度言います。あくまで推測的方法論です。終連などは上記図式の典型のようであり、この限定された異様な世界の中では非常に理にかなっている、と言わざるを得ません。大幅行空けは無くなりましたが、1行連~1行空けも、僕にとってはまだ違和感があります。ここは基本を掴む場でもあり、まず原稿用紙仕様を充分意識します。次に実践(実戦?)として、いつでも紙媒体に起こせる仕様、編集者に出せるような体裁を意識します。ここはネットながら、かつて紙媒体との有力な回路を持っておりました。そのような背景があります。また書いてみてください。


評のおわりに。


先日、横浜詩人会の集いに行ってきました。創立六十周年記念ということで、中村不二夫氏の記念講演があり、地元詩人・近藤東(あづま)、長島三芳(みよし)、篠原あやの人と作品についての分かりやすい解説でした。祝賀会では司会者が顔見知りの村山精二さんだったので(狙われたか?)、指名され、スピ―チやらされました。とほほ。 では、また。


 

感想と評① 11/2~11/5 ご投稿分

 投稿者:三浦志郎メール  投稿日:2018年11月10日(土)06時56分8秒
編集済
  矢島さん「あなたは暮れるだけ」 11/2

前作はバリバリ現代詩でしたが、今回はしっとり抒情詩です。その落差に少々戸惑う評者であります。正統的な叙景にあって、2連目はオリジナリティ―が光ります。この詩はやはり「あなた」が出てきてからが優しさが滲みます。4、5連の造形が素晴らしいです。
逆に「すきです」はベタ過ぎて惜しいですね。この詩のムードに合わせて匂わすような感覚がいいです。終連はこれでキマリですね。「です」でなく「ですか」にしたところが、この詩のデリケ―トをよく物語っているようです。タイトルが何故こうなったかは謎です。手始めの佳作一歩前ということで。


シャネンさん「予測変換」 11/3

はい、この機能、便利ですよね。この詩は額面通りでいいでしょう。日常的な場面をサラリと書いた感覚です。やはり、おもしろいのは「言葉~食べる」以降で、「僕が言いそう」が象徴するように、このあたりに作者さんの言葉へのアプローチが垣間見えてほほえましいです。まあ、日常メールなどでは便利ですが、はた迷惑、大きなお世話的部分もあって、殊に言葉を自在に操りたいと願う詩人にとっては微妙な部分もある。そういった事情でしょうか。「種のままじゃ食べられない」も拝読しましたが、詩的純度という点では、こちらは一歩を譲る感じで佳作一歩前を。


小林大鬼さん「北京的風」 11/3

仕事か観光で行かれたのでしょう。早速ですが、この詩は「北京」と「北京圓山大酒店」(ホテル名?)を取っ払ってしまうと、どこのことか全くわからなくなってしまうところがちょっとツライです。確かに土地名を書いてこそ、それには違いないのですが、たとえば3連や5連を書くのなら、もっと他に北京らしさを感じさせる詩行にしてしかるべき、という気はするんですがね。少し“くくり”を広く取って、たとえば中国的な文物でもいいと思うんですね。要は「北京」を側面からバックアップしてあげられそうな何かですね。
佳作一歩前で。


中也さん「閉塞感が拡散されているような、、、」 11/3

中也さんのひとつの柱であるところの社会風潮的作品です。要約すると、
① ネット炎上 ②LGBT ③自己責任 ④minority ですが、③と④はちょっと概念が違う気もするんですが、幸い、①~④とも「ヘイトクライム」の対象として括れるので、まずまず問題ないでしょう。従ってタイトルにヘイトクライム的なニュアンスを含んでもよかった気はします。「もっとおおらか」「お互い様」―ホント、その通りですよ。
たとえば災害時の日本人の秩序感覚とか助け合いの精神が外国人に賞賛されますが、本来的に日本人が持っていた融和の精神が、急激なメディアの発達についていけてない、戸惑っている。こういう問題がなかなかクリア―にならないのは、そんな日本人の気質に根ざしているようにも思えます。ところで、この詩は控えめに疑問を提示してくれた点がいいです。それでいて、他者をちょっと立ち止まらせる何かはあるのです。中也さんの見識と良心と程の良さを感じました。声高に主張されちゃうと「やれやれ」―僕はうんざりしたかもしれません。終連は多分に誇張や修辞があると思いますが、ちょっと飛躍かな?外国人はもっと自己を押し出してくるだろうから、もっと大変だと思うんですがネ。テーマの性格上、評価は…まあ控えておきましょう。


埼玉のさっちゃんさん「蒼い気持ち」 11/3

このタイトルから連想されるものは―陳腐だけど―青春の頃?僕は好みの間口が狭くて、野球には全く興味がないんですが、若さを賭けるに足る対象であることは充分理解できます。前半部にあるような情熱がないとモノにならない対象。非常に難しい対象です。これはあくまで事例提示で、この詩の主旨は「そこまで出来るのか」以降、自分に引き寄せた思いのほうです。その意味で、ここで1行空けたほうがいいかもしれない。まあ、そういうのは案外、ちょっとしたきっかけで生まれる場合があるし、振り返ると「気が付いたらやってた」みたいな例も多いのです。今までのさっちゃんさんのコメント等を総合すると、
過去を振り返った時点を現在形に起こして書いたか、誰か他者のエピソ―ドを取材したのかもしれません。佳作一歩前で。




かすみ じゅんさん「雨の色 風の色」 11/3

はい、徐々に言葉が緻密になってきました。あとは言葉~詩行のフォーメーションだと思います。かすみさんの場合、マス空けが多いので、そこをどうにかしたい。体言止め、と、かすみさんの場合、助詞抜きが多いので、そこはいいとして、本来繋がる句を空けるのは、かえって不自然です。ちょっと三浦流に全文行きます。あくまで参考ということで…。

打たれ被り
濡れる滲む
どれもこれも
あれもそれも

濡れていないのは
広げられた傘の下
暖かな屋根の下

沢急ぎ流れ往く
音流し
滝急ぎ滑り落つ
音流し

風は強く
身体をぐるり取り巻くように
吹いて吹き付けて
するり抜けて抜け去って

濃い霧は掻き乱されて
山間の宙を漂いさ迷う
雨粒
木の葉
騒がせながら

大粒
雨垂れ
軒下の
玉砂利に重く落ち跳ねる

こうやって見てみると、タイトルであるところの「色」がないのは残念ですね。
もちろん、全文書いてタイトルを違う方向に持っていくというのもアリなんですが、いずれ、これらの色にも挑戦してみたい。確かに「雨=無色」「風=不可視」で難しいです。けれど、僕ら詩人は“見えないものを見る”種族です。なに、今日明日の話ではありませんよ。長い目で、です。そう書いているうちに、僕の中で風の色の腹案が芽生えました。しかし、それを言っちゃあ身も蓋もないのでやめときましょう。佳作一歩前で。


りょうさん「食眼」 11/3

初めてのかたです。よろしくお願いします。今回は初めてなので感想のみ書きます。
この表記法(行空け)は違いますね。2作目から変えているので、ここまでで。
さて、ショッキングな造語タイトルに導かれたショッキングな作品です。ダークファンタジ―とでも申しましょうか。露悪的ですが、詩行の運び自体はなかなかいいと思いました。そして、これは案外、究極のラブソングであるとも思っています。やや強引さも感じさせますが、それに見合った自分のリスクもある程度、覚悟しているかのようです。それらを終わり2行に感じたのです。


つづく。
 

Kazu.様

 投稿者:あさぎメール  投稿日:2018年11月 9日(金)21時10分36秒
  評をありがとうございます。際については、死に際という意味なら”今際”としたかもしれません。今回は、境目というイメージが強かったので”際”としました。また、もたついた箇所は、悩んだ箇所です。登場させた人物に感情移入できなかったという結果だと思います。もっと粘るべきでした。
”夢だからいいか”では済ませられませんね。
 

21g

 投稿者:  投稿日:2018年11月 9日(金)16時06分52秒
  君の屍体はガラスのようだ
冷たくて綺麗で
触れたら壊れそうなのに
どうしても手を伸ばしたくなる

当たり前にとなりにいた君は
今では箱のなかにいて
何度も見た君の笑顔は
もう写真のなかにしかいない

君の魂はまだそこにいるだろうか
僕を救ってくれた
たった21gの君の心を
身体はまだ手放してないだろうか
君の胸のあたりが
ほんの少しだけ光ったような気がした


煙が立ち込める中で
細い光の糸が
空に向かって伸びる
自然とそれを目で追う
糸は時折寂しそうに煌めきながら
まっすぐと進んでいく
遠くなっていく光を見ながら
僕はひとこと呟いた

またいつか

音もなく糸は切れて
光りも失われた
その瞬間
身体がふわっと軽くなった

どうやら君は魂と一緒に
僕の不安や憂鬱までも
持っていってしまったらしい


 

うつくしい朝

 投稿者:伊月あかね  投稿日:2018年11月 9日(金)15時25分14秒
  まつげに揺蕩う夢うつつ
痒くなって目をこすると朝がきていた
夜の残像が朝日だというなら
それにふさわしい眠りに浸っていた
遠くで烏骨鶏の鳴き声を聞いたのち
蛇口をひねって、まだ夢を追いかける顔を洗う
おはようございます
冬の朝は寒いのです
お湯を沸かし
コーヒーを淹れる
鬱陶しくありながらも眠気というものに逆らえない

綺麗なシャボン玉が
ふわふわとわたしを横切ったと思えば
右耳の傍でぱちっと弾けた
小さな虹色を作り出し
瞬間的にきえてゆく
そうして、うつくしい朝が始まる

庭の霜がとけてゆく頃には
わたしは完全な現実と向き合って
それでいて眠っていたいと思うのだろう
わたしのうつくしい朝は
こういった嫋やかな時間の中にあるということ
わたしのうつくしい朝は
孤独でありながらも幸せだということ
 

祈り

 投稿者:たりや あいひ  投稿日:2018年11月 9日(金)13時57分26秒
  ああ
そこにおわしますのならば
このちいぽけな孑孒の言葉に
その大きな耳を
どうか傾けてくださいまし

私はたれの不幸も願いません
嫌いな者のひとつやふたつございますが
それはまぬかれえぬこととして
お許しくださいまし
その厭う者どもの不幸でさえ
私はしかし願うつもりもありません

私にはひとつの悪意もございません
たくさんの嘘はついてまいりましたが
けれどもしかし自身を守るためでありました
たれひとりとして傷つけたことは
わざとしたことはないと誓いましょう

私のこぶしは痛みを知りません
人のこぶしを痛ませたことはありますが
私の手のひらはその時でさえ開かれたままに
握られたこぶしが開かれるのを
いくらでも待っておりました
これからも私のこぶしは痛まないことを
ここに約束いたしましょう

ああどうか
そこにおわしますのならば
この小さく震える孑孒の姿を
ちらとでも見ていただきたいのです

透明な空気を吸ってきました
飲んできた水も透明です
しかしどうして私の瞳は
これほどにも……

暖かい食べ物を食べてきました
服も住み家も暖こうございます
しかしどうして私の心に吹く風は
これほどにも……

ああ!
そこにおわしますならば!
どうかどうかこの孑孒の祈りを!

多くを望みはいたしません
金も名も力もいりません
たれを恨みもいたしません
たれに勝とうとも思いません

ひとつだけ
たったひとつだけ
ああ
苦しむ孑孒の祈りが
届くのならば!

どうか……!
 

詩人になった君へ

 投稿者:紅玉リンゴメール  投稿日:2018年11月 9日(金)13時44分11秒
  「昔は自分のことしか考えなかった
 でも今は皆のことを大切に思っている」
君は控えめにそう語った
それを聞いた時
学生の頃を書いたのを見た想いがした

なんて行き届いている君の眼
今にしかない眼ではなく
昔から今 未来から見た過去が
はっきりと映し出されたのが分かったよ
ただ眼のやりどころに困ったこと
人の悩み 苦しみ 悲しみに寄り添って
全てを乗り越えた君は大人になって
こうして皆にとって
かけがえのない詩人になったね
 

不思議なうた

 投稿者:西朗  投稿日:2018年11月 9日(金)11時29分13秒
編集済
  それは風の静かな季節だった
誰もが知らぬままに罪なく街路の隅で
この星がまるで誰かの一つの小さな想い

歌いかけはじめたかのようだった

誰でもが知っているような歌ではなく
目立たぬ町の中にそれは不思議な色彩を
さりげなく描いていくようだった

名もない夜に家を捜していた
猫を突如にうっとりとさせながらも
野外にやつれた生命の哀しみと媚びてくるような
埃の中に、唯静かに光をはためかすかのように

まるで気だるげに地中へと潜り込んでいくようにも見えた
傾いたままの古い看板を慰めているように
飛ぶ風をゆっくりと追いかけながら
不思議なうたは鳴りだしていたのだった

微笑みはじめた
私のちいさな想いたちと共にやがては
きっと誰かの笑顔さえ祝福するために
まるで寄り添い合う予感のようなものの中からは
何処か知ることがない未来へと
漣のように静かにしずかに
それは鳴っているようだったのだ






 

kazu.様

 投稿者:小林大鬼  投稿日:2018年11月 9日(金)02時19分14秒
  「ハロウィン」に感想ありがとうございます。ハロウィンはこんな行事だったのでしょうか。考えてしまいます。  

ああ、、世界1 (藪のなかから)

 投稿者:ロバ  投稿日:2018年11月 9日(金)02時11分9秒
 

371万人 それは2年前
途方もない世界の1位になった数
新宿駅1日の乗り降りする人間の数
我が故郷の4倍余り


新宿駅はコンクリートと金属の蟻の巣穴
巣穴から人間が
吸い出されるように
吸い込まれたりされながら
鰯の大群より多い


371万人の1人になって
無風のなかで息を忘れ
真空状態をうろうろ歩く
擦れ違う人の記憶は互いに早く失う 


新宿で降りた人びとは
方向を知っているモノ知りに見え
間違わずに歩いていく偉人に思えた 


ここは地下か1階なのか分からないところに
小さい店があり店員さんが
「落としましたよー」と聞こえる声
「ありがとう!」と礼をする男の声


ああ・・人間の土が鳴る
カッカと響く無機質な靴音から
僅か、ほんの僅かな空間に
幻みたいに赤い花がポーっと咲くんだ

 

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