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感想と評① 9/7~9/10 ご投稿分

 投稿者:三浦志郎メール  投稿日:2018年 9月15日(土)18時02分1秒
編集済
  ダブル投稿のかたは日付順ではなく、2作同時に評を書いております。



氷魚さん「臆病者の歌」 9/7

前作「告白の歌」と同様、詩行のトーンやユニークさは踏襲されています。というか、これが持ち味、個性でしょう。今回は散文的、平文的スタイルを含むところが変化と言えます。引き続き、意味が取れない破天荒さはあるのですが、タイトルと呼応させ、この詩の主旨を提示している部分があるんですよ。こういうポイントを作って頂くと、僕も他の読み手さんたちも大変助かるんです。3連「強いんだぞ、と言いながら~~なんてね、冗談」の部分です。さて、冗談について。確かに冗談は冗談なんですが、全くの無からは生まれて来ない気がします。どこかにその片鱗はあるからこそ冗談として出てくる気がします。そう考えると、以前のフレーズは興味深いものがありそうです。ところで、この詩の人物的構成ですが、3人いて「主人公(作者)」「アオ」「君」ですが「アオ」の存在が途中で途切れてしまいます。どういう役割なのか、少し気になりました。


氷魚さん「こどもの歌」 9/8

もう一作です。こちらも平文スタイルの部分があって、そして今回も“主旨提示ポイント”があって、今度はその平文スタイル部分がそれを担っております。「ハロー、ハロー、神様の馬鹿野郎」このあたり軽快でうまいですね。「ベクトルがいつまでも解けなくて」そう、いっそ解けないほうがいい。ここはすごく印象に残りましたね。それにしても、作品群に見る詩行感覚は若さがなければとうてい生み出せないもの、そんな風に推察しています。タイトルについては、パターン化してきたのが少し気になっています。本作のほうを、まずは手始めに佳作一歩前から行ってみましょう。


草香さん「ウエルカム(再)」 9/7

まずはお詫びを。前回2作目だったところを初登場と勘違い致しました。申し訳ありませんでした。そういう事情もあってか、今回タイトルに「再」とされていますが、初回同様「ジャボジカバ」を描いても、これは別種の詩と把握できます。言うならば姉妹編あるいは連作と捉えてもいいでしょう。今回は前作と比べてまず「わたし」という存在が提示され、次いでジャボジカバも擬人化を以て登場してくる。このあたりが一歩踏み込み、前進であると思われます。まずは佳作一歩前で。それにしても、木に成ってるところの不気味さと果肉の美味しさ(食べたことないけど)の両者のギャップをデフォルメ気味に書いてみるのもおもしろそうですね。


小林大鬼さん「初めての墓参り」 9/8

前作「納骨」に引き続き、こちらも連作的存在になっているようです。そうですね。このくらいの分量になると伝わるものも多くなってきます。この詩に接して3つのことを想っていました。まずは「満州の話~引き揚げの話」―多くの辛苦が察せられます。次に自分にとっての祖父母とは、親とはまた違った愛着があるということ。最後にそれに関連して、僕ら世代にとって祖父母とはすでに歴史に入った存在であるわけです。してみると、大鬼さんは世代的には、一回りか、それ以上お若くおられることが推察されます。この詩はそういった副産物的ことがらを充分伝えてくれているわけです。「途切れた話」を経由して…

「あの終戦の夏の日祖父は」

このあたりはこの詩の読みどころにして最高峰。あえて詩で語らなかったところに奥ゆかしさと、かえって万感の思いが託されているようです。佳作となります。


@すみっこさん「竜胆」 9/8

花については“自慢できるほど”疎い僕なので、名は知っていても、その姿をまじまじと見るのは初めてに近いかも?鮮やかな青紫。もしかすると桔梗に近い?日持ちせず、儚い花であることがこの詩から知れるのです。これはそんな花との再会の詩。この詩の主体が「僕」=男、である点もおもしろい。ナイーヴな彼なのでしょう。終連はこの花に似合いそうなフレーズで締められて絵画的、印象的です。佳作一歩前で。

アフターアワーズ。

たった今思い出したんですが、僕の住む市の花がササリンドウでありました。


@すみっこさん「私に勇気を」 9/10

「他者との関係、そして自己」キャッチコピー的に言うと、こんな感じでしょうか。
「人によって変えない/合わせない」に続く初連によって、この詩は方向づけられた気がしています。自分の自分への信頼が少し落ちた時、あるいは自分が行き詰ったり、袋小路に陥った時、他者と自分を卑屈に比較することは不幸な気がしてます。文中「ありのままに上を向いていくんだ」からエンディングまでの上昇気運は素晴らしいものがあります。
記念に抜き書きしときます。

「昨日よりも/自分を知っているはずだから」
「この見えない糸を超えて一言の勇気を渡すんだ」 以上、フレーズ大賞。作は佳作。

この詩の書き方憶えておかれるといいと思いますね。似すぎては困るけど。フィーリングですよ、フィーリング。あと、前作に戻るけど、@すみっこさんもすでに中堅。「対象=君」
の擬人システムもそろそろ卒業してもいい頃でしょう。なに、今日、明日の話ではありませんよ。長い目で見て、です。


ロバさん「危うい穴から」 9/8

初めてのかたです。よろしくお願いします。東山魁夷の絵画を連想させるような始まりです。が、次に、貴方に突然、豆腐と胡瓜なますを食べさせる。この急変・落差は一体何だろう? 誰しもそう首をひねることでしょう。しかも3行以降違う方向に向かっています。
3連、また然り。ちょうど3つの別詩がここに会したような。タイトルの出所もどこから来たか不明です。最終「我が身のように見ていた(夜 」はこれで合っていますか?ちょっとミスタッチのような気もしたんですが。読み解くとっかかりがどこにもないので、ちょっとストレスになる作品でした。前作「森に来た人」のほうが、そういう意味では良いように思いました。また書いてみてください。


つづく。
 

ぱらら ばらら るりるらん

 投稿者:かすみ じゅんメール  投稿日:2018年 9月15日(土)15時22分26秒
  雨上がりの朝に登る
しっとりと濡れた林道

ぱららん らんらん
薄紫の小花 散らばって

ばららん らんらん
緑に黄に茶
橙 赤の葉 散らばって

続くこの道 彩って

沢の流れ 潔く
るるら るるら るりるらん

涼風運び
涼風運び
 

夢破れて

 投稿者:ゆき  投稿日:2018年 9月14日(金)17時22分29秒
編集済
  夢破れて帰る道

ため息をつきながら
自分の影を見つめた

小さくなった黒い影は
弱々しく片足を引きずっていた

家に帰るまでは泣くまいと
悔し涙を堪えたつもりでも
じんわりと口の中に入ってくる

どれだけ努力しても
実現できない夢

この挫折感を何度味わっただろう

犠牲にしたものは大きく
もう取り戻せない

これからどうしたら良いのかと
途方にくれる影が泣いていた

もうすぐ陽が暮れる
考える事は沢山あっても
暗闇に一人残されたくなくて
疲れた体を急がせた

暫くは笑えそうもない
何をやっても上手くいかない世の中を
嘆いて暮らすだろう


いつの日かまた新しい夢が出来た時に
この経験が役に立つといい

諦めてしまう事は
本当の挫折になってしまうから

今度は絶対に諦めないと
静かに消えてしまった影に呟いた



 

乾かす

 投稿者:草香メール  投稿日:2018年 9月14日(金)10時54分10秒
  ここはデイサービス
風呂上りのお年寄りが
ーごくらくごくらく
 どっこいしょ
と椅子に座る

ボランティアの私は
ゆっくり話しながら
洗い髪を
首元から乾かす
小さくなった頭を
タオルでやさしくなでながら
少なくなった細い白い髪を
温風や冷風をあて
手櫛を何回もし
ふぁっと仕上げる

手鏡に笑顔をつくっても
 近くで見た焼夷弾を
 怯えた防空壕を
 忘れようとし
 どこへ置いてきたのか
心の深くはそのまま

ー終わりましたよ
肩に手をやると
ゆっくり立ち上がり
えっちらおっちら
歩き始める
 

秋雨が降る

 投稿者:小林大鬼  投稿日:2018年 9月14日(金)00時21分26秒
編集済
  秋雨が降る
秋雨が降る

煙草を吸いに外へ

指先が淋しがる
唇が恋しがる

秋雨が降る
秋雨が降る

煙草を吹かす煙

秋の夜に雨音に
溶けてゆく煙

秋雨が降る
秋雨が降る

酒が飲みたくなる

赤提灯に誘われて
蛾のように戻る
 

だるまさんがころんだ

 投稿者:鈴鳴すずしろ  投稿日:2018年 9月14日(金)00時19分46秒
  スクランブル交差点の真ん中で
立ち止まって振り向いた
人々は淀むことなく歩き続けていて
歩行者用信号機だけが
私を急かすように明滅していた

駅のホームで
今度はゆっくり振り向いた
スーツの青年は駆け足で階段を登り
パーマのおばちゃんは大笑いの電話
反対のホームの快速電車は
止まることなく走り抜けて行った

黄金色の田んぼを
私は真正面から見つめていた
風の足跡が稲穂を揺らして
私はすかさず叫んだ

だるまさんがころんだ

風が突然ふわりと消えて
置き土産に私の麦わら帽子をほんの少し浮かせた
後には佇む稲穂の群れと
空を舞う秋赤音が残った
止まることの無い一瞬を
私は確かに捕まえたのだ

頬を北風が小さく凪いだ
慌てて振り返ると
風の足跡はいつの間にか田を飛び越えて
山の向こうへ走り去ろうとしていた
 

Kazu.さんへ。

 投稿者:井嶋りゅう  投稿日:2018年 9月13日(木)16時37分52秒
  Kazu.さん、こんにちは。

評をありがとうございました!
まんべんなく丁寧にお読みいただき大変嬉しいです!
母との会話の部分、そして、ラストに持ってきた線香の揺れ。
もう少ししぼって表現できたらよかったなあ、と思いました。
しばらく寝かせてからもう一度とりかかりたいと考えています。
その時はまたお世話になるかもしれません。どうぞよろしくお願い致します。
今回はたまたま連わけなしで書きました。Kazu.さんの評を読んで、そういえば初期の頃、連分けってなんだろう?と思ったことを思い出しました。
そして私は、初期よりだいぶ詩が長くなってしまいました。駄文でないことを願っています。。
短い詩は難しいですね。私にはまだまだだなあ、と感じます。

この度はお忙しい中お読みいただきありがとうございました。
また宜しくお願い致します。
 

kazu.様

 投稿者:小林大鬼  投稿日:2018年 9月13日(木)01時37分19秒
  「オセロ」に感想をありがとうございます。短い詩が信条ですが、今回はネットやメディアによるバッシングなどの世界を表現したくて、作品にしました。

オセロはあくまでも比喩のモチーフでオセロ自体を表していません。曖昧のなさすぎる、終わりのない戦いも、白黒を付けたがる日常を表したものです。
 

Kazu.様へ

 投稿者:三澤新太郎  投稿日:2018年 9月13日(木)00時12分35秒
  Kazu.様へ
いつもいつもご指導ありがとうございます。ご指摘通り、つい書き過ぎてしまう、というか、
〝伝わっているかどうか?〟を気にするあまり「説明的に」なってしまいます。説明的な字句を
並べなくても伝わらなければならないと思います、「寂しい」と書かなくても詩情の表現で。
それと、文章的につらつらと並べていくか?詩的な表現(体言止め?)で行くか?は毎度悩みます。
下手くそなんです、並べるのも止めるのも。最近久々に川端康成「伊豆の旅」を読んで、
その文章のあまりの簡潔さと美しさで、これはもはや散文詩なのではないか!と歓喜しました。
生涯かけての勉強ですね、ものを書くということは。
もちろん「浪花路」はリライトします。また、いま書きたい題材がありますので
投稿いたします。ありがとうございました。
 

Kazu 様

 投稿者:草香メール  投稿日:2018年 9月12日(水)23時49分23秒
  9月4日投稿の<おあいこ>の批評をありがとうございました。
わかりくい詩を、わかりやすく解説してくださり、感激しました。
特に4連のあなたを→貴方にするのに気が付きませんでした。
次回もよろしくお願い致します。
 

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