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うら若き天使よ

 投稿者:のん  投稿日:2021年 1月 8日(金)22時30分47秒
  我々は
偉大なる知恵と経験を得た

しかし

それと同時に
純真な心と無垢な魂を失った

うら若き天使よ

夢と希望を 溢れんばかりに
抱きかかえた天使よ

やがて
お前も
自分が自由に空を飛べたことを
忘れていくのだろう

誰にも 知らされることなく
自ら 気づく間もないままに…

そして
矛盾の中に身を投じることでしか
生きて行けぬと悟った時

自らの運命を
ただ 呪うだけなのだろうか…

しかし
この果てしない空の青さと
流れゆく雲の 限りない白さを前に

すべての理屈や思想が
もはや 意味を持たぬように

あの日

お前が見せた笑顔だけが
揺るぎない真実として
私の胸に刻み込まれ

すべての時を超え
私の中で 生き続ける
永遠の名の下
いつまでも 輝き続ける…
 

雨音様 評のお礼

 投稿者:のん  投稿日:2021年 1月 8日(金)21時51分40秒
  雨音様、詩の評価をありがとうございます。ふと揺れる窓辺のカーテンを見て書いてみました。ご指摘のように、繰り返しを避けた方が良い印象になりますね。是非参考にしたいです。  

雨音様 詩の評へのお礼

 投稿者:エイジ  投稿日:2021年 1月 8日(金)20時46分16秒
  雨音様、詩の評をありがとうございました。
この詩は、Carlos Lyra, Paul Winterのアルバム「The Sound of Ipanema」というタイトルから取って、「イパネマの音」としました。
有名なジョアン・ジルベルトとジョビンの「イパネマの娘」を連想して頂いても相応しいと思います。
「そっと/葉を触ってみる」の箇所の「触ってみる」という表現が不十分だったと思います。
ここは「擦る」か「揺らす」のいずれかがふさわしいかなと思います。
その時(葉を擦る時、または揺らす時)、小さな植物の世界の話ですが、風がかすかにおこるようなきがしませんでしょうか。
「作品はこういう内容、とても良いと思います。
なんだか冬のひだまりを思わせました。」
お褒め頂きありがとうございます。僕はきっと詳細が不十分とか、もっと長くしてほしいような旨のことを指摘されるのではと思っていたので、その点はほっと致しました。ありがとうございます。

 

御礼

 投稿者:タルコンティ  投稿日:2021年 1月 8日(金)20時23分32秒
  雨音様
ご多忙のところ評を有難うございます。
丁寧にご教示くださり私でもよくわかりました。
自分でもしっくりこなかった箇所をずばりご指摘いただきました。
確かに体言止めが多いとリズムがぎくしゃくすると思います。
散文を単に行分けしただけでは詩にする意味を問われますし詩は難しいです。
1連目は仰るとおり特にぎくしゃくしています。
言いたかったのは我々と同様に星にも故郷があるに違いないということです。
「宇宙~灯台」は星の言い換えです。
この部分は特に表現が上手くいっていないというか駄目ですね。
ご指導を参考にさせていただき精進致します。
また機会がありましたら何卒宜しくお願い致します。
コロナが大変な流行となってしまいました。
くれぐれもご自愛ください。
 

評ですね。12月25日~28日 ご投稿分

 投稿者:雨音  投稿日:2021年 1月 8日(金)17時36分56秒
  「落ち葉の輪舞」蓮見 丈さん
蓮見さん、こんにちは。風が強いと雲が飛ばされて空がきれいですね。
昨日、本当にちょうど落ち葉のロンドのような景色をみたところでした。
楽しい作品になりましたね。
悪だくみ、の言葉にくすりとなりました。
設定やアイデアはとっても良いと思いますし、お上手だと思いました。
ひとつ気になったのは、少し散漫になってしまったかなという点です。
ここは落ち葉と木枯らしに絞って、ママさんたちを加えて、
その中でまとめていくのがすっきりしそうですね。
ご一考ください。

「酔った頭で他力本願」九丸さん
九丸さん、こんにちは。ほら、空は青くなってます。風すごい。
タイトルに思わず「なんだって??」と突っ込みをいれてしまいました。
設定はいいと思います。夜が絡みついてくる、とはじまったので
おもわずわくわくしました。が、厳しいので、わたし、一連から
直しますよ。酔いをさまして。

夜が絡みついてくる
マフラーにはまだ早い首筋に
硬質な風が噛みついてくる
今 歩けているのは
飲んだ酒の勢いにまかせてなのか
買ったばかりのワックスドジャケット
その微かなオイル臭のせいなのか
なんにせよ
酔っているのは確かだ

ここ、4か所直しました。どこか探してください。
そしてどうしてそう直したのか、考えてみてください。
さらに、全体を通して、これを参考に直してみてください。
それができたら佳作あげたいですが、
できたのは見れないので、佳作2歩手前です。
次回作でどんな風にこの宿題が生かされているのか
楽しみにしています。(めちゃくちゃ、プレッシャーかけてる)

「お菓子の家」キリコさん
キリコさん、お待たせしました。こんにちは。
お菓子の家、なかなかの作品だと思います。
これをベースにして、そのサイドストーリーが
上手く絡んでくるとさらに良くなっていくと思います。
ぜひやってみてくださいね。

「イパネマの音」エイジさん
エイジさん、こんにちは。底冷えのする寒い日です。
ごめんなさい。私、実はイパネマの意味がよくわからなくって
検索したところリオにあるイパネマ海岸のことかな?
それとも、イパネマの娘というボサノヴァのことかな?と
思ったのですが、どうやらギターなのかな?と
ボサノヴァ用のギターなのかな?
タイトルとの関係が明らかではないのですが
作品の内容はとても素敵です。
ただ、3連目の「そのときに おこる風のように」が
葉っぱを触ってみたときに、どうして風が?と少しだけ
わからなかったのが残念でした。
作品はこういう内容、とても良いと思います。
なんだか冬のひだまりを思わせました。

「黒猫」山雀詩人さん
山雀さん、こんにちは。日が陰ってきました。
はじめまして、だと思いますので、乾燥だけにとどめますが
とても良く書けていると思います。
不思議な世界に迷い込んだような現実のような
そんな時間を結ぶのは彼女からの電話、というのがまたいいですね。
少しだけ提案を。
まず、夢二の絵のくだりですが
黄色い和服の若い女性、という表現を少し変えてみませんか?
この着物ですが、黄八丈、だと思います。もしくは銘仙、どちらか
黄八丈を着た抜けるような肌の女性、とかどうかな
この女性は大切なんですよね、この作品の中でとても。
黒猫も大事だけど、この美人さんあっての黒猫だからね。
そこだけちょっと考えてみてくださいね。

「レースのカーテン」のんさん
のんさん、こんばんは。そろそろこんばんはの時間になりました。
素直でかわいらしい作品ですね。
そよ風って心地よくて、大切な存在ですよね。
さて、少し参考にしてほしいのですが、
この作品の中で、君と僕がたくさんでてきます。
いくつか減らせると思います。たとえば

窓を開け放つと
爽やかなそよ風が
僕の部屋へと入り込み

優しい空気で
僕を包んでくれた

ここですが、僕の部屋、とありますから、2つ目の僕は別の言葉に
置き換えてみましょう。例えば、頬を、とか、身体を、とか。
こんな風に少しづつ直し見てください。
気づきがあるはずです。

「冬空」みたこさん
みたこさん、こんばんは。今年もどうぞよろしくね。
年末、クリスマスって誰かを思い出しますよね。
心に残っている人を。
佳作です。
この最後の一連ですが、最後に現在形の一文を加えてみると
すてきかもしれません。参考までに。
そしていまでも好きです
とかね。
無くてもあっても構いません。
それと一連目、1行が少し長すぎるかなとおもうところあり、
少し行替えしてみては?と思いました。
どうぞよろしくお願いします。

「星と語れば」タルコンティさん
タルコンティさん、あらま、そんなにたちますか?
私、つい最近のことのような気がするんだけど、
時間が流れるのは早いですね。
作品拝見します。
とっても良い作品ですね。好きです。
「ありがとう」がこもっていると思います。
少しだけ調整してもらえるといいなと思う点を2つほど。
ひとつめ、体言止めを減らす。
少し多いと思います。
強調したい1か所か2か所だけに残して、
他は思い切ってやめてみてもいいかな。
どこを、と選べないので、少し考えてみてください。
体言止めを減らすことで、言葉の流れとつながりがスムーズになります。
ふたつめ、細かいことなんだけど、一連目の灯台にも、僕にも
のところです。これは、星の故郷がどちらにもあるということかしら?
もしそうだとしてもそうじゃないとしても少し補足があっていいかなと
思います。宇宙を照らす孤独の灯台が差すものにもよるので
一概に言えないのですが、ここ少し整理したいですね。
タルコンティさん、またきてね。

「冴え澄む冬日は戻らずに翔る」かすみじゅんさん
かすみさん、こんばんは。今年もどうぞよろしくね。
タイトルだけで作品になりそうですね。
さてさっそく拝見します。
美しい作品ですね。
ずいぶん、考えて、きっとたくさん推敲されたのではないかしら。
佳作です。
とても美しくて直すところがないのですが
たったひとつだけ参考までに。
あと少しだけ、ほんのちょっとでいいから、温度が入るといいですね。
人肌の。
かすみさんならこれだけでわかるかな。
今年も期待していますよ。

「雨の日の君」あんずさん
あんずさん、こんばんは。
お、いいね。素敵な作品ですね。
お年玉代わりに、佳作一歩手前を。
本当によくできていて、佳作でいいかなと思ったのですが、
最後のまとめをもうひとつ工夫してくれたらよかったかな
見とれてた僕が通り過ぎるときにどんな表情だったのか、
とか、通り過ぎるときどっちを向いてたとか、
なんだかそういうことが会ったらよかったかなと思います。
今年もたくさん書いてくださいね。

「好きでやってるわけじゃないけど」まるまるさん
まるまるさん、こんばんは。夜になっちゃいました。
良い作品ですね。
本当に。佳作です。ぐっときました。
ひとつだけ、最後の行ですが、体言止めじゃなくて
取り越し苦労ばかり
とか、そういうほうが余韻がでていいかんじがします。
これ絶妙な作りになっていて、はらはらさせるんですよ。
途中
「わたしなら、怒るよ!食べ物無駄にするなって」とか
想いながら読んだんですよ(笑)
まるまるさんの気持ちはすごくよくわかって、
こういうの本当にあるよなって
いおうかな、いうまいかな、葛藤しますよね。
そして、そのあと、ほっとさせられて。
こどもってそういう生き物なのかな。
親ってこどもがくれるものは3倍に受け取ることができます。
だから3倍迷惑かけられても心配かけられても
平気なのかもしれないね。

「コロナ禍のクリスマス」小林太鬼さん
小林さん、こんばんは。今年もよろしくお願いします。
ネパールだから、クリスマス関係ないかななんて
おもっちゃうけど、どうかな。
今年は静かなクリスマス、でしたね。
私も忘年会全部中止でした。っていうか、3月から
そういった集まり一切なしですね。
友人ともほとんどあっていません。
人間らしい暮らしが早くできるようになりたいですよね。
さて、前置き長くなりました。
作品ですが、ちょっとネパール語、ながかったね。
最初だけネパール語使って、
日本語でいいんじゃないかな。かっこつけて。
そうしたほうがわかりやすいとおもいます。
ご一考ください。
寂しいクリスマスなのかなっておもったのですが
チャイのおかげで温かい時間だったんですね。
伝わってきました。

::::::

遅くなりましたがあけましておめでとうございます。
みなさま、昨年の今頃は、この一年間のことが想像できたでしょうか?
私は全くこんな日が来るとは思っていませんでした。
とても困難な時代ですが、そんな中で見つける喜びはことのほか
美しく幸せなものと感じます。
大切にしたいものを見直す機会を与えられたんだと思います。
どうぞみなさま、良い一年に。
そしてたくさん書きましょう!
 

言わない

 投稿者:樺里ゆう  投稿日:2021年 1月 8日(金)16時27分32秒
  姉は 処女を捨てたことを
その日には 言いませんでした

私も 一人でよく泣いたことを
誰にも 話しませんでした

姉が私に打ち明けたのは
何年も経ってから

私が話すようになったのも
泣いた日々が過ぎ去ってから

私も あなたも
本当に辛いときは 黙ってたんだな

自分で乗り越えて
過去にして はじめて
ひとは 他人に自分を見せる

隠さないで なんて言わない

ただ
口にされなかった言葉
そこに宿る真実に

思いを馳せる
ひとでありたい
 

腹立つグループホーム

 投稿者:エストリン  投稿日:2021年 1月 8日(金)12時52分52秒
  コロナのせいで
院内喫茶店さえ
休みになった

グループホームの仲間は
不自由な生活を強いられている

世話人の言葉が
グループホームは
アパートではないので

バス電車だめ
外食だめ
映画だめ
買い物は近くのスーパーのみ
不要不急の外出は避けろ

私がグループホームにいた頃も
世話人は言った

グループホームはアパートではないので

その言葉に腹がたった

世話人の見回りの時間に
いつもいない私

いつも不在ということに

友達とか人と外で会っていたわけだが

そもそも
グループホームに
家族以外
招き入れられないので

外で会うしかない

アパート扱いするようになり
私は
なんだかんだ
追い出されてしまったわけだが

コロナのせいで
映画だめ

今流行りのあれが
そもそも
見に行けないわけですよ

腹がたちますって

グループホームにいたら
見に行けないので
私は出てよかったわけです

理不尽ですよ
グループホームはアパートではない

グループホームはアパートではない

グループホームはアパートではない

一体グループホームは
何なんですかね

こればっかりは
今でも
冷静ではいられないみたいで
なんだかなぁ
腹立つ

 

三浦志郎様

 投稿者:ピロットメール  投稿日:2021年 1月 8日(金)12時24分6秒
  ピロットです。
本年も宜しくお願い致します。
先生のおっしゃる通り、地名の逗子とし誤字のまま送信してしまいました。
新年早々、おっちょこちょいの性格がでてしまい、お恥ずかしい限りです。(先が思いやられます)厨子に訂正し、御批評いただけたらと存じます。
緊急事態宣言発令され、厳しい寒さも続いております。
くれぐれもご自愛ください。
 

別れの輪唱

 投稿者:蓮見 丈メール  投稿日:2021年 1月 8日(金)05時25分36秒
編集済
  認知症を患って十年になる母を
ショートステイのつもりで
高齢者専門病院に預けたのが
去年の一月半ば

その後コロナが社会問題化し
自宅に戻るタイミングを失ったまま
ロングステイを続けていた母が
軽い脳梗塞を起こしたのが二月の末

私には兄一人と弟二人があり
ロス在住の一番目の弟も
まだ面会のできたこの時は
アメリカから駆け付け
子供全員が間近で
母の様態を見守った

脳梗塞はとりあえず
凌げはしたものの
これを機に脳ばかりか
五臓六腑の
機能の低下も始まり
退院は最早
タイミングの問題ではなくなった

そうこうしているうちに
コロナが更に深刻化し
家族の面会さえが禁止となり
母の様態は看護婦さんや先生の
大丈夫とか落ち着いているとかの
大雑把な言葉でしか知れなくなった

そんな状況に業を煮やした
ロスの弟から
リモート面会を病院に対し
打診するよう促され
院内感染対策で殺気立っている
病院のピリピリムードに怖気づいた私は
ロスの弟と図らずも
先取りのリモート喧嘩を展開した

恐る恐るの打診の結果
私の杞憂を他所に
あっさりと実現した
LINEのビデオ通話を使った
リモート面会のお蔭で
久々に母の入魂の寝顔を
自分の目で確認することが
できたのであった

それからは入魂の寝顔と
半分魂の抜け掛けた笑顔とを
スマホの画面越しに
ランダムに拝む日々が
新たな日常となって
しばしの間続いた
そうして二か月程が過ぎた頃に
ついにその日の日捲りの暦が
切って落とされてしまったのであった

病院からの急報に
真っ先に駆け付けたのは
在京の二番目の弟で
次いで同じく在京の私
そして私の電話に応答した
携帯の画面越しのロスの一番目の弟
他県に在住の兄の電話は
不通であった

酸素マスを白濁させながら
繰り返される母の激しい呼吸
生命維持のための
肉体の自律的な反応なので
この時の母にはすでに意識はなく
苦痛も全く感じてはいない
という先生の話

それでも耳は聞こえている筈と
父ちゃんの処へ行くとまた大変だから
逝くのはゆっくりでいいよとか
母さんとか
私と携帯の画面越しのロスの弟は
黙って見ていられずに思わず
言わでものことを口走ってしまった

母の激しい息づかいに釣られて
こちらの感情も昂ってしまったが
母の息づかいが静まるに連れ
こちらの感情も平静さを取り戻し
経済や天体の運行を含む諸事情を鑑み
ロスの弟には末後の描写は
ビデオレターで送るということで
とりあえず電話を一旦
切らせてもらうことにした

その後母の呼吸は次第に間遠になり
大きく吸い込んで止まったか
と思えば小さく吹き返し
を何度か繰り返し
私が病院に駆けつけてから
およそ七時間後に
とうとう完全に呼吸を停止した

そこでナースコールを押すと
カルテを持った看護婦さんを従え
当直の先生が現れ
まず母の鼻孔に手のひらをかざし
次いで脈をとり
最後に瞳孔が節穴になっていることを
確認して
臨終を宣言した

しかし退室際に看護婦さんは
近くまで来ていれば
お兄さんもまだ間に合うかもよ
体温が残っているうちは
お母さんの細胞はまだ生きているんだから
と小声で言い置いて行った

その言葉を聞いた私は躊躇わずにハッとした
臨終に間に合わなかった父の時の私は
人目も憚らず泣き崩れていたのに
僅か五年後の今の私は一粒の涙さえ
零してもいなければ滲ませてすらいない

この違いはきっと死との
対面のし方から来ているに違いない
父の時は一方的に出来合いの死を
押し付けられた感じであったが
今回は 意識の死 機能の死 細胞の死
更に細かく言えば
呼吸停止 心停止 脳停止と
母の全ての死と順を追って対面している

というよりも死は突然訪れるものではなく
この後も 形状の死 記憶の死と
形を変えながら
徐々に醸成されて行くものと
長い観想に最後まで付き合って呉れた
時の差配が叡智の扉に恩寵の覗き穴を穿ち
こっそりと気付かせて呉れたからだ

要するに死は人生の終端に設けられた
最後の言葉の受け渡し場所にしか過ぎず
私たちが死ぬまで
母の生は終わらないのであった

だから今もなお電車かタクシーの車中で
やきもきしている兄にも
母との別れを惜しむ時間は
まだまだ十二分にある

母の死に目は兄が生きている限り
二番目の弟が撮ったビデオからでも
遺影からでも
これから先も好きなように
いくらでも兄の脳裏に
焼き増しができるのであった
 

寒風である理由

 投稿者:九丸(ひさまる)  投稿日:2021年 1月 7日(木)19時41分14秒
  寒風が走る
粉雪舞い上げ走る
打つ人々の心情などお構いなしに
ただ走る
刹那の静寂は寒風の息切れ
それでも人々にもたらすものは
暖かな春への希望
先に訪れる希望が
さらなる喜びで満たされるよう
本当は知っているはずの深奥を揺さぶるよう
また、強く強く吹きすさぶ
乾いた風の魂鳴り響かせ
ゴウゴウと
大丈夫、いずれわたしは消えるから
そう投げかけて
ただひたすら
走り抜ける
 

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