<思いやりのあるコミュニティ宣言>
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木片焼き

 投稿者:深尾貞一郎メール  投稿日:2021年 5月 2日(日)10時47分28秒
  海藻がうちあげられた
引き潮の浜辺を歩く
友人の雑談を聞き流し
蒼白いその四月を感じるために
海に顔を向ける

規則的にうちよせる白波を見ながら
水の糸で
春のセーターが織られることを考える
泡でできたきらめく真珠の波
(おまえたちが)
(この世に生れるということ)

ちいさな船の
甲板に立つと
足もとに不安を感じた
出港し
船は巨大な橋の下を通過する
幾羽もの水鳥が海面から飛び立った

野生のイルカが
船のすぐ脇を行き過ぎるのを見た
水中に沈んでいく死をイメージする
それは暗い時間であった
現実からは
心臓の鼓動が届く
心のなかの天使たちが
幾重にもラッパを吹き鳴らす

船は風で大きく傾き前に進む
マストは音をたて
風が吹くたびに
手に持ったロープを巻く作業をくり返す
話すことは
なくなっていた
陽を浴びてただ風に吹かれた

荒れ放題のヨットハーバーに散乱する
合成樹脂板と木片
焦げて炭化した木片があった
コンクリートブロックにこすりつけて
波の呼び声を聴いた
 

光り

 投稿者:深尾貞一郎メール  投稿日:2021年 5月 2日(日)10時42分56秒
  ひとふき口笛を吹いた
狐牡丹の花が咲く初夏の夜明けの田園には誰もいない
遠くの岸から海水の音がきこえる
駆けだすと足に青草が絡む
列車がくる
ゆったりと流れるその車列は光のとどかない朝の海をながめ
なめらかな人魚のうろこのようにうごく
ピストンの起動音がごおごおと響き
暗い車窓は僕の吐息と同じリズムを刻んでいる

ずっと
わすれものをしていたようです
教師に注意されるのだが
長い休みのあいだの宿題はまだ
取り壊してしまった家の部屋の机のなか

人物の面影が列車の車窓に流れてゆく
夜の杉が流れ
夜の杉は現れる
鳥たちが鳴きさわぐ前の朝のとき
白く映える明けの明星は輝く
両足をちいさくひらき
紫と灰色が混じった頭のうえの朝に息を吹きかけた
目覚めている僕は昨日を思ったまま朝の光りを待つ

狐牡丹のちいさな黄色い花をいくほんも摘み
清らかな小川を渡り家路をてくてくと歩く
家に花を持って帰ると牛乳瓶に活けてみた
縁側に座りなおし
瓶をいくどとなく眺めては
過ぎてしまった夜明けの瞬間をめぐる

朝風のなかに眠ったふりをしている
 

雨の夜

 投稿者:はるきよ  投稿日:2021年 5月 2日(日)00時19分59秒
  雨が降っている
眠れない夜

眠れない雨の夜は
耳をすませて雨音を聞こう

タタンタタンと雨の音
空は泣いているのかしら
空は踊っているのかしら

ゴウゴウと雨の音
空は怒っているのかしら
空は笑っているのかしら

目をつむろう夢をみよう
そして空の声を聞こう

泣いているならなぐさめて
怒っているなら話を聴いて

踊っているなら一緒に踊ろう
笑っているなら一緒に笑おう

夢の中で空と逢おう

明日はどんな空になるかな
 

シンフォニエッタ

 投稿者:小鳥遊立春  投稿日:2021年 5月 1日(土)23時48分32秒
  君と僕との距離は今どのくらいあるんだろう
形而上的な概念で簡単には推し量れない
愛だとか恋だとかはつまり混乱の中にある
僕はこれまでの経験と感覚に頼って乗り越えて
君は忍耐強い沈黙と隠し持った素直さで解決する

例えば君が僕を思い浮かべて
きっと楽しいことばかりじゃないだろう
それでもこれからも一緒にいたいと
同じ気持ちでいてくれているだろうか
愛さえあれば少し憎み合うくらいが丁度良いよ

僕らはなんだかんだ肌が合うと思うんだ
音楽を聴く時にボリュームの大きさが一緒だったり
ケンカした時にごめんのタイミングが同じだったり
人間はどこかしらこころに隙間のある生き物
でもだからこそふたつのものがひとつになれる

君と僕とのシンフォニエッタ
なにかをしてもしなくても影響を与え合う
幸せが呼ぶ方向へ調律しよう
二人で形づくる記憶はどれも大切なものばかり
この世に生まれたことを祝福しよう

天上へと続く長い階段の途中
想像を超えた現実がまだいくつも待っているよ
美しくあろうとする旋律が君にも聴こえるかい
明日を信じて疑わなくても良いから
その美しい声で共に歓喜の歌を歌ってくれ
 

ありがとうございます

 投稿者:九丸(ひさまる)  投稿日:2021年 5月 1日(土)23時16分7秒
  三浦志郎様
評をありがとうございます。
お礼が遅れましたこと、もうしわけありません。
バー高めとのお言葉受けとめました。
頂いたお言葉にそえるよう頑張ります。
また、よろしくお願いします。
 

三浦さん

 投稿者:かすみ じゅんメール  投稿日:2021年 5月 1日(土)22時18分22秒
  評にご指摘、ありがとうございます。
オマノトぺの使い過ぎに気をつけて書いてみます。
どうしてもソレを表現しようとすると出てきてしまうのです(汗
この悔しさをバネにより良い作品を目指します。
次回もよろしくお願いします。
 

三浦さま

 投稿者:ゆうひ  投稿日:2021年 5月 1日(土)20時45分11秒
  評を頂き、どうもありがとうございます。
今回の詩は、私と致しましては
「大自然や大都会などの感動を、現代に生きる人々は写真や動画といった媒体を介して、スマホ(大事に握りしめた小さな箱)で簡単に得て、酔いしれている。しかし、今生きている私たちの周りの自然を、画面越しではなく自分の目で見つめ返すと、それもまた発見や感動を得られるのではないか」
という体験や意見を通してこの詩を描きたかったと思っております。
1行ごとに文字数を揃える、というところにも拘っていましたので、そちらに意識を削がれすぎて
主題を誰か他の人に伝える、という点において疎かになってしまったように思います。
もう少し自分の意図をきちんと伝えられる、そんな文章を表現できるよう精進して参ります。
ご意見を頂きまして、ありがとうございました。
また、初めて甘めではありますが佳作を頂けましたので、自信がつきました。
今後も詩を感じて、表現していきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。
 

切っかけはいつも 不明瞭な恋 ーUnclear loveー

 投稿者:かすみ じゅんメール  投稿日:2021年 5月 1日(土)20時32分42秒
編集済
  冷たさの戻りが
決して急ぐことのない春へ
穏やかに 放された空色
淡く、敷かれ列なる
雲の帯を見上げて ひとつずつ
擦りながら行方を追うと
遠く、ゆったりと鳶が廻る
凪いだ気温のグラフラインのように
なだらかな稜の 裏側へ
階を辿るように 降りてゆく姿


 すると、いつかの
 柔らかな真夏の海が現れる


ぴらちかと煌めきながら
艶やかに、目映く ああ
引き寄せられるように
水平線へと続き そして、その際で
瞬間が 生卵を床板に
飛び散らせてしまった時のように弾け
心景のさらに奥へと
つっと速く、滑り拡がり
長く途切れず 繋がって
いつしか 最先端の光のなかで


 結ばれる
 絡みあい、溶け合うように


懐かしさが、すっと胸に揺らいで
浮き立つような恍惚の中に
解かれた羽毛になって
舞い昇ってしまいそう
少なくとも
否定的でない未来を描いているようで
こじんまりとする
それでいて、纏まりのない崖っぷち寄りの生活に
純水の滴が落ちる


 喜びは無垢に
 全身を包みこんで
 ときめきは華やかに 崩れていくようで


迷い旅の途中で
黄蝶々がふらり
住宅街の舗装路を横切る羽が、そう
淡い夢の残り香を漂わせるように
きっと どこかで
静かに蕾を開いた
暖かな季節の小花も、また
可愛げな
宛名のない呟き すわと
擽るような調べを添わす
せせらぎに浮かべて
微笑みながら そっと、見送るのだろう


 信じられることが、唯一
 現実を生きる力へと 変えられるのならば
 食い破りたい 雑念を


圧し留まる足元に
さらり乾いたベージュの砂が
少々キツめの、荒い風に巻き上げられて
運動場を縦横無尽に走った
誇りまみれの あの日
もう、帰ることもなく過ぎ去ることが
思い出になるなんて考えも
細かに乱れた記憶と ない交ぜになって
気の抜けた炭酸を呑み込んだような頭へ
ぼんやりと 縺れるように
張りついているさまを
密かに想う
君の真摯な眼差し 背けるように
咽びだす夜更けに重ねて じっと、眺めている
 

言葉のありか

 投稿者:入間しゅかメール  投稿日:2021年 5月 1日(土)17時55分27秒
  玄関を勢いよく飛び出して
自転車をマッハでこいで
新学期の教室にダイブした
舞う埃と
弾む息
新しい教科書に
名前を書いて
誰もいない教室にひとり
小さく息を吐き
大きく息を吸う
クラスメイト
出席番号
宿題
部活動
喉元過ぎて雲散霧消

現実はちょっぴり違くて
ちょうちょ結びができない
かつてのぼくは
下駄箱で途方に暮れていた
もう忘れてもいいのに
初めてプールに入った日
水中が怖くて
父にすがりついて泣いたことを
思い出していた
水中でキツく目をつむるぼくに
目を開けろ!と父が怒鳴る
ゴーグルをつけていても
どうしても目を開けるわけにはいかなかった

今なら
その理由がわかると
かつてのぼくが言う
へえ、そうなのかい?
ぼくが教室で
誰とも喋らないのと一緒だよ
誰とも喋れないのではなくて?
どっちでもいいさ
俯いて押し黙るぼくに
返事をしろ!と先生が怒鳴る
頭で分かっていても
どうしても言葉が
口から離れる感覚が嫌だった

何度目だろうか
玄関を勢いよく飛び出して
自転車をマッハでこいで
新学期の教室にダイブした
舞う埃と
弾む息
新しい教科書に
名前を書いて
風化する教室にひとり
小さく息を吸い
大きく吐いた息が
僕を型どった
クラスメイト
出席番号
宿題
部活動
喉元過ぎて雲散霧消

現実はちょっぴり違くて
かつてのぼくは
もう30歳だったし
今なら水中で目も開けられるし
返事だってできる
初めてのプールで泣いたぼくは
父の戸棚で笑っている
誰とも喋れなかったぼくは
クラスメイトとの
仲のいい回想シーンになった
ただぼくは
かつて手放した何かを
探している気がする

だから
何度だって
玄関を勢いよく飛び出すのだった
 

三浦志郎 様

 投稿者:蓮見 丈メール  投稿日:2021年 5月 1日(土)17時37分52秒
編集済
  評をありがとうございます。
宇宙の闇底に対して高いという表現では、
無理があるようですので、
タイトルは高邁恐怖症といたします。
 

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